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親が入院していた時の医療保険の給付金が、亡くなった後に親の口座へ振り込まれた。あるいは、民間の介護保険から一時金が出ることになった。こんな時、そのお金は誰のもので、相続税の計算に入るのか迷いますよね。
結論から言うと、本人が受け取るはずだった給付金は、死亡後に入金されても「亡くなった人の財産」として相続財産になります。生命保険の死亡保険金とは扱いが違うので、そこが分かれ目なんです。
この記事を読めば、自分の家のケースで給付金がどう扱われるか、申告で何に気をつけるかが分かります。
死亡後に入院給付金が振り込まれたら、相続財産になる?
例えば、父が入院中に医療保険の入院給付金を請求し、亡くなった後に給付金が父の口座へ入金されたケースです。この給付金は父の「本来の相続財産」になり、預貯金と同じように遺産分割と相続税の計算に入ります。死亡保険金のような非課税枠は使えません。
国税庁の通達では、病気やけがなど死亡を伴わないことを理由に被保険者に支払われる給付金は、死亡後に支払われても死亡保険金には含まれないとされています。そのうえで、被保険者だった被相続人の本来の相続財産になると書かれています(相続税法基本通達 3-7)。
『受取人の名前が家族になっているから、家族のお金では?』と思う方も多いはずです。ただ、入院給付金や手術給付金は、ふつう被保険者本人が受け取る契約になっています。家族が手続きをしても、本人の財産として扱うのが基本です。
生命保険の死亡保険金とは何が違う?
死亡保険金は受取人固有の財産で、500万円 × 法定相続人の数の非課税枠があります。入院給付金にはこの非課税枠がなく、預貯金と同じ扱いになります。
死亡保険金の受取人をめぐる扱いは、受取人が先に亡くなっていた生命保険の扱いでも見ています。
生前に受け取った場合と、死亡後に入金された場合の違い
給付金の扱いは、「いつ」「誰が」受け取ったかで変わります。代表的なケースを表にまとめました。
| ケース | 相続での扱い | 理由・注意 |
|---|---|---|
| 生前に本人が受け取り、入院費などに使い切った | 給付金としては残らない | 使ったお金は財産として残っていない |
| 生前に本人が受け取り、口座に残っていた | 預貯金として相続財産 | 死亡日の口座残高に含まれる |
| 本人が請求し、死亡後に本人口座へ入金 | 本来の相続財産 | 非課税枠は使えない |
| 死亡後に家族が請求して受け取った入院給付金 | 本来の相続財産 | 受け取った人が使い込まず、遺産分割の対象にする |
| 死亡保険金(受取人が家族) | 受取人固有の財産 | 相続税の対象だが非課税枠がある |

生前に受け取った給付金は、本人の所得税は非課税です。国税庁の質疑応答では、入院費給付金などは「身体の傷害に基因して支払を受けるもの」として非課税所得に当たるとされています(国税庁 質疑応答事例)。
ただ、所得税がかからないことと、残ったお金が相続財産になることは別の話なんです。残高は預貯金として相続税の計算に入ります。
民間の介護保険の一時金や年金も同じ考え方
民間の介護保険で、介護状態になった時の一時金や介護年金を本人が受け取る契約も同じです。本人が受け取るはずだったのに、死亡後に支払われた分は相続財産として見ておきましょう。
「父が受け取るはずだった一時金、私の口座に振り込んでもらえますか?」
「相続人の方への支払いになりますので、相続手続きの書類をお願いします」
保険会社とは、こんなやり取りになることが多いはずです。受け取った人のお金になるわけではないので、ほかの相続人にも伝えておきましょう。
給付金があると相続税はどう変わる?
例えば、母がすでに亡くなっていて、子2人が相続人のケースです。ほかの財産の課税価格が4,100万円で、死亡後に入院給付金200万円が入金されたとします。数字はすべて計算ツールで確かめた金額です。
| ケース | 課税価格の合計 | 基礎控除 | 課税遺産総額 | 相続税の総額 |
|---|---|---|---|---|
| 給付金を入れない場合 | 4,100万円 | 4,200万円 | 0円 | 0円 |
| 給付金を入れた場合 | 4,300万円 | 4,200万円 | 100万円 | 10万円 |
給付金を入れると、法定相続分どおりに分けた場合、子1人あたりの納付税額は5万円です。
『たった200万円で申告が必要になるの?』と驚きますよね。実は、基礎控除ぎりぎりの家では、給付金のような小さな入金が申告の要否を分けることもあるんです。基礎控除の金額は相続人の人数別の早見表で確かめてみてください。
- 保険証券で、給付金の受取人が本人か家族かを確かめる
- 請求日と入金日、どの口座に入ったかを記録しておく
- 死亡保険金と給付金を分けて、財産の一覧に書く
- 入院費の未払い分があれば、債務として控除できるか確認する
『入院費はもう払ったから関係ない』と思っていても、最後の月の分が未払いのことはよくあります。入院費のうち亡くなった時点で払っていなかった分は、未払いの債務として差し引けます。給付金だけを足して、未払いの入院費を書き漏らすと、財産が多めに出てしまうので気をつけておきましょう。
給付金や死亡保険金がいくつもの保険会社から入っていて、財産の合計が基礎控除の近くにある。そんなケースは、どれが相続財産でどれが非課税枠の対象か、税理士に一度まとめて見てもらうと楽です。相続税の申告期限は、亡くなったことを知った日の翌日から10か月以内です。
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わが家のケースは、相続に強い税理士に聞くのが近道
相続税がかかりそう、土地や自宅がある、相続人が多い、期限が近いといったケースでは、相続税に詳しい税理士に早めに相談すると安心です。税理士ドットコムなら、全国7,500名以上の登録税理士から相続に強い税理士を無料で紹介してもらえます。
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よくある質問
死亡後に振り込まれた入院給付金を、手続きした家族がそのまま使ってもいいですか?
本来の相続財産なので、相続人みんなで分け方を決めるお金です。手続きした人が先に使うと、ほかの相続人ともめる原因になります。遺産分割が終わるまでは手をつけずに置いておきましょう。
入院給付金にも生命保険金の非課税枠は使えますか?
使えません。非課税枠は、死亡を理由に支払われる死亡保険金が対象です。入院給付金や手術給付金は預貯金と同じ扱いになります。
相続放棄をしても、入院給付金は受け取れますか?
本人が受け取るはずだった給付金は相続財産なので、相続放棄をすると受け取れないのが基本です。受け取って使うと単純承認とみなされるおそれもあります。放棄を考えている時は、受け取る前に家庭裁判所の手続きや専門家に確認してみてください。
まとめ
- 本人が受け取るはずだった入院給付金は、死亡後に入金されても本来の相続財産になる
- 死亡保険金と違い、500万円 × 法定相続人の数の非課税枠は使えない
- 生前に受け取った給付金は所得税が非課税。ただし残った分は預貯金として相続財産
- 基礎控除の近くにある家では、給付金の入金で申告が必要になることがある
- 未払いの入院費は債務として差し引けるので、書き漏らさない





