企業型確定拠出年金がある人が亡くなった時の受け取りと相続税

企業型確定拠出年金がある人が亡くなった時の受取人と相続税を解説する記事のアイキャッチ

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会社員だった家族が亡くなって、勤務先から「企業型確定拠出年金の手続きもあります」と言われた。『そもそも誰が受け取るの?』『遺産と一緒に分けるもの?』と戸惑う方も多いはずです。

結論から言うと、企業型DCの残高は、法律で決まった遺族が「死亡一時金」として請求して受け取ります。遺産分割で分ける預金とは別ルートなんです。

この記事では、受取人の決まり方と、家族構成ごとの相続税の違いを見ていきます。

目次

企業型DCの死亡一時金は、うちの場合は誰が受け取る?

このケースの結論

夫が亡くなり、妻と子がいるケースなら、受取人の指定がなければ死亡一時金を受け取るのは妻です。子と分けるわけではありません。夫が生前に受取人を指定していた場合は、その人が受け取ります。

企業型確定拠出年金(企業型DC)は、会社が掛金を出し、本人が運用してきた年金です。加入中や運用中に亡くなると、残高は死亡一時金として遺族に支払われます。

受け取れる遺族とその順番は、確定拠出年金法で決まっています。

順位受け取れる人
1配偶者
2亡くなった人の収入で主に生計を立てていた子・父母・孫・祖父母・兄弟姉妹(この順)
32のほか、亡くなった人の収入で主に生計を立てていた親族
42に当てはまらない子・父母・孫・祖父母・兄弟姉妹(この順)

同じ順位に2人以上いれば、等分して受け取ります。例えば、配偶者がいなくて、亡くなった人の収入で暮らしていた子が2人なら、2人で半分ずつです。

家族構成ごとに見ると、こうなります。

ケース死亡一時金を受け取る人理由・注意
妻と子1人がいる・指定なし妻配偶者が1順位。子は受け取らない
配偶者はいない・亡くなった人の収入で暮らしていた子2人子2人で等分同じ順位なので人数で割る
生前に兄弟姉妹を指定していた指定された兄弟姉妹指定が優先。ただし相続税では不利になることがある

『遺言で「全部長男に」と書いてあったら?』と思いますよね。死亡一時金は遺族が自分の立場で請求するお金なので、まずは確定拠出年金の規約と指定の有無を確認するのが先です。

妻と子がいる家族の家系図で、企業型DCの死亡一時金を受け取る人の順位と、指定がある場合の受取人を示したケース図

相続税はかかる?妻が受け取る場合と子だけの場合

企業型DCの死亡一時金は、相続税では死亡退職金と同じ「退職手当金等」として扱われます。受け取った人が相続人なら、「500万円 × 法定相続人の数」の非課税枠が使えます。

ここで、死亡一時金が1,000万円のケースを比べてみます。

ケース非課税枠課税価格に入る額ほかの財産納付額の合計理由・注意
妻と子1人・妻が受け取る1,000万円0円8,000万円235万円一時金は全額非課税。妻は配偶者の税額軽減で0円、子が235万円
子1人だけ・子が受け取る500万円500万円4,000万円90万円相続人が1人なので枠は500万円。課税価格は4,500万円

相続人の数で枠が変わるので、同じ1,000万円でも結果が大きく違うんです。

もう一つ注意したいのは、受取人が相続人でないケースです。例えば、子がいるのに兄弟姉妹を指定していた場合、兄弟姉妹は相続人ではないので非課税枠は使えません。相続税の2割加算の対象にもなります。

会社から別に死亡退職金が出る場合は、企業型DCと枠を共有します。合計額で非課税枠を超えるかを見てみてください。

なお、相続税の対象になるのは、死亡から3年以内に支給額が確定した分です。3年を過ぎると扱いが変わるので、請求は早めにしておきましょう。

会社への連絡から受け取りまでの流れは?

企業型DCは会社が窓口になっているので、まずは勤務先の人事・総務に連絡します。

例えば、こんなやり取りから始まります。

「確定拠出年金の死亡一時金の書類は、どこに出せばいいですか?」
「記録関連の運営管理機関から請求書類が届くので、そちらに返送してください」

企業型DCの死亡一時金を受け取るまで
  1. 勤務先に死亡を連絡し、企業型DCに加入していたか確認する
  2. 受取人の指定があったか、会社や運営管理機関に確認する
  3. 運営管理機関から死亡一時金の請求書類を取り寄せる
  4. 戸籍謄本など、受取人であることが分かる書類をそろえて請求する
  5. 支給額の通知を受け取り、相続税の申告に載せる

必要な書類は運営管理機関や規約によって違います。亡くなった人の収入で暮らしていたことの証明を求められる場合もあります。

『請求を忘れたまま時間がたったら?』という心配もありますよね。死亡から5年間、受け取れる遺族から請求がないと、遺族はいないものとみなされ、残高は亡くなった人の相続財産とみなされます。

勤務先の死亡退職金とあわせて非課税枠を超えそう、受取人が相続人でない、ほかに不動産や株がある、というケースは税理士に頼むと楽です。申告が要るかどうかも含めて確認できます。

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よくある質問

企業型確定拠出年金の死亡一時金は、相続人で分けるものですか?

分けるものではありません。法律で決まった順位の遺族、または加入者が指定した人が受取人として請求します。同じ順位の人が複数いる時は等分です。

企業型DCと会社の死亡退職金の非課税枠は別々ですか?

同じ枠です。どちらも退職手当金等として扱われ、合計額から「500万円 × 法定相続人の数」を差し引きます。

退職して運用だけ続けていた人が亡くなった場合も受け取れますか?

受け取れます。運用中の残高は死亡一時金として遺族に支給されます。請求先は運用を続けていた運営管理機関です。

まとめ

この記事の要点
  • 企業型DCの死亡一時金は、法律の順位の遺族か指定された人が請求して受け取る
  • 指定がなければ配偶者が1順位。同じ順位が複数なら等分
  • 相続税では退職手当金等になり、非課税枠は500万円 × 法定相続人の数
  • 一時金1,000万円で、妻と子1人・ほかの財産8,000万円なら納付額235万円、子1人だけ・ほかの財産4,000万円なら90万円
  • 受取人が相続人でないと非課税枠は使えず、2割加算の対象になる
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相続ケース案内 編集部

家族構成や財産の状況ごとに、相続・相続税がどうなるかを公的機関の公開情報をもとに解説しています。 公式サイト

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