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アパートや貸家を持っていた親が亡くなった。通帳を見ると、入居者の家賃がまだ入っていない月がある。『この家賃は誰のもの?』と迷いますよね。
結論から言うと、分かれ目は「家賃の支払期日が亡くなる前に来ていたか」です。期日が来ていたのに受け取っていない家賃(未収家賃)は相続財産になり、期日が亡くなった後の家賃は相続財産には入らないんです。
この記事では、滞納・月末払い・前払いのケースで、相続財産になるかどうかと相続税への影響を見ていきます。
受け取っていない家賃は、相続財産になる?
例えば、父が亡くなり子1人が相続するケースで、入居者が2か月分の家賃を滞納していたとします。この2か月分は支払期日が亡くなる前に来ているので「未収家賃」として相続財産に入ります。亡くなった後に期日が来る家賃は、相続財産ではなく相続人の収入として扱われます。
国税庁の財産評価のルールでは、亡くなった時点で「すでに受け取る期限が来ているのに、まだ受け取っていない家賃や地代」は、その受け取るべき金額で評価します。つまり、滞納分も額面のまま財産に数えるんです。
| ケース | 相続財産になるか | 理由・注意 |
|---|---|---|
| 入居者が亡くなる前の月の家賃を滞納 | なる(未収家賃) | 期日が来ていたので受け取る権利がある |
| 当月分が月末払いで、月の途中で亡くなった | 期日が亡くなった後なら入らない | 期日の後の家賃は相続人の収入 |
| 翌月分を前月末に受け取り済み(前受家賃) | 現金・預金として入る | 受け取ったお金は口座残高に含まれる |
| 入居者から預かっている敷金 | 返す義務として差し引ける | 預かり敷金は債務になる |
| 滞納者が行方不明で回収できない | 個別に判断 | 回収の見込みは税理士に確認を |

「月末払い」の家賃はどう見る?
ここで迷いやすいのが、賃貸契約の支払日です。多くの契約は「翌月分を当月末までに払う」形ですが、物件ごとに違います。
例えば、親族の間でこんなやり取りになりがちです。
「15日に亡くなったけど、今月の家賃は父の財産だよね?」
「契約書だと、今月分は先月末が期日だから、もう入金済みのはずだよ」
まずは賃貸借契約書と通帳の入金日を並べて、どの月の家賃がいつ期日だったかを確かめてみてください。管理会社に任せている場合は、管理会社からの送金明細が手がかりになります。
未収家賃があると、相続税はどう変わる?
未収家賃は金額が小さいことも多いですよね。ただ、基礎控除に近い家では、その分で申告が必要になることがあります。数字は計算ツールで確かめた金額です。
| ケース | 他の財産 | 未収家賃 | 合計 | 基礎控除 | 相続税の総額 |
|---|---|---|---|---|---|
| 子1人・滞納分を入れない | 3,500万円 | 0円 | 3,500万円 | 3,600万円 | 0円 |
| 子1人・滞納分を入れる | 3,500万円 | 200万円 | 3,700万円 | 3,600万円 | 10万円 |
『たった200万円で申告が要るの?』と驚く方もいるはずです。実は、基礎控除の内側か外側かは、こうした細かい財産で決まることがあるんです。基礎控除の人数ごとの金額は相続人1人〜5人のケース別早見表で確かめられます。
亡くなった後の家賃は誰のもの?
亡くなった後に期日が来る家賃は、遺産分割が終わるまでの間、相続人が法定相続分に応じて受け取るものとされています。最高裁の判例でもそう考えられています。
そのため、遺産分割で物件を取得した人が、亡くなった日から後の家賃をまとめて受け取れるとは限りません。分割前の家賃をどう分けるかは、協議の中で決めておくと後でもめにくくなります。
また、亡くなった年の1月1日から亡くなった日までの家賃収入は、親の所得として準確定申告に入れます。期限は相続の開始を知った日の翌日から4か月以内です。
『未収家賃は相続税にも準確定申告にも出てくるの?』と混乱しますよね。未収家賃は、所得税では亡くなった年の収入として、相続税では受け取る権利として、それぞれの申告に出てきます。どちらか一方だけに書いて終わり、とはならないので注意しておきましょう。
アパートを持っていて家賃の入金が月ごとにばらつく、相続人が複数で分割前の家賃の分け方が決まらない。そんなケースは、準確定申告と相続税の申告をまとめて税理士に頼むと楽です。
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賃貸物件の相続全体の流れは不動産を相続したら何から始める?で、物件の種類ごとに見ています。
よくある質問
滞納していた入居者に、相続人から家賃を請求できますか?
できます。未収家賃を受け取る権利も相続されるので、遺産分割で取得した人が請求できます。入居者には相続人が変わったことを書面で知らせておくと話が進みやすくなります。
入居者から預かっていた敷金は、相続税でどう扱いますか?
退去時に返す義務があるので、債務として相続財産から差し引けます。敷金の金額は賃貸借契約書や管理会社の台帳で確かめておきましょう。
管理会社が家賃を預かったまま送金前に亡くなった場合は?
管理会社が入居者から受け取り、まだ親に送っていないお金は、管理会社に対して受け取る権利として財産になります。送金明細で亡くなった日の時点の預かり額を確かめてみてください。
まとめ
- 支払期日が亡くなる前に来ていた未払いの家賃は、未収家賃として相続財産になる
- 未収家賃は受け取るべき金額のまま評価する
- 期日が亡くなった後の家賃は、相続財産ではなく相続人の収入になる
- 預かり敷金は返す義務として相続財産から差し引ける
- 亡くなった日までの家賃収入は、4か月以内の準確定申告に入れる




