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父が亡くなったものの、母は認知症で話がよく分からない状態。『このままでは遺産分割が進まないのでは』と心配になりますよね。
結論から言うと、遺言がなければ、母に代わって話し合う成年後見人が必要になることが多いです。この記事では、遺言の有無と分け方のケースごとに進め方を見ていきます。
母が認知症だと、遺産分割はできない?
遺産分割協議は相続人全員の合意が必要です。母が内容を判断できない状態なら、子だけで話し合っても有効になりません。父の遺言があれば協議なしで進められます。遺言がなければ、家庭裁判所に成年後見人を選んでもらい、後見人が母の代わりに協議に加わります。
『母の分は、子どもが代わりにサインすればいいのでは?』と考える方も多いはずです。実は、家族でも勝手に代筆することはできないんです。
成年後見人は、本人の財産に関する法律行為を本人に代わって行います。申立ては母の住所地の家庭裁判所で、手続きの流れは裁判所の後見開始のページで確認できます。
ここが大事なところです。後見は遺産分割が終わっても続き、原則として母が亡くなるまで続きます。子が後見人の候補になっても、誰を選ぶかは家庭裁判所が決めます。弁護士や司法書士などの専門職が選ばれることもあります。
子が後見人になると、母と子の両方が相続人なので利害がぶつかります。この場合は、遺産分割のために特別代理人などが別に必要になることがあります。
ケースごとの進め方と相続税は?
例えば、父の遺産1億円を、母と子2人で相続するケース。法定相続人は3人なので、基礎控除は4,800万円、相続税の総額は630万円です。
| ケース | 進め方 | 納付税額 |
|---|---|---|
| 父の遺言がある | 遺言どおりに手続き。協議は要らない | 遺言の分け方で決まる |
| 後見人を付け、母が法定相続分の5,000万円を取得 | 後見人が母の代わりに協議に加わる | 母0円、子2人は157万5,000円ずつ |
| 母は取得せず、子2人で半分ずつ | 後見人は母の取り分を守る立場なので、認められにくい | 子2人で315万円ずつ |
| 分割せずに法定相続分で申告 | 期限までに分割できない時の仮の申告 | 配偶者の税額軽減が使えず、母の分315万円も一度納める |

後見人は母の利益を守る立場です。『二次相続を考えて母の分をゼロにしたい』という分け方は、通りにくいと思っておきましょう。
「母は施設にいるし、お金はそんなに要らないはずなんですが…」
「それでも、母の取り分を減らす合意には、後見人は慎重になるんです」
母が法定相続分を取得すると、その財産は母が亡くなった時の相続で、また子に受け継がれます。母の相続では配偶者がいないので、配偶者の税額軽減は使えません。
ただ、後見が付いている間は、生前贈与などで母の財産を減らすことも難しくなります。二回分の相続税をどう見込むかは、父の申告の段階から考えておくと安心です。
不動産だけ先に名義を整えたい時は、法定相続分どおりの共有で相続登記をする方法もあります。ただ、共有のままだと売る時に後見人の関与が要るので、使いどころを見極めましょう。
遺産分割が進まない時は、どうなる?
相続税の申告期限は、亡くなったことを知った日の翌日から10か月以内です。後見人の選任を待つうちに期限が来ることもあります。
その時は、法定相続分で仮に申告し、申告期限後3年以内の分割見込書を出しておきます。分割が決まった後で、配偶者の税額軽減や小規模宅地等の特例を受け、更正の請求ができます。
当面の生活費や葬儀代が要る時は、預貯金の仮払い制度も使えます。1つの金融機関ごとに「相続開始時の預金額 × 3分の1 × その人の法定相続分」、上限150万円までなら、子が単独で払い戻せます。
母が自宅に住み続けるケースでは、配偶者居住権という選び方もあります。家族の形ごとの割合は子供がいない夫婦のケース別の相続割合、両親の亡くなる順番の違いは父より母が先に亡くなった相続で見てみてください。
後見人の申立てと相続税の期限が重なる、自宅の土地に特例を使いたい、分割見込書の手続きが不安。こんなケースは、申告の段取りから税理士に頼むと楽です。個別の判断は税理士に確認を。
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よくある質問
母が軽い物忘れ程度でも、後見人は必要ですか?
遺産分割の内容を理解して判断できるなら、母本人が協議に加われます。判断できるかは医師の診断も参考にします。
母の相続放棄も後見人が手続きしますか?
はい。母が判断できない状態なら、相続放棄も後見人が代わりに申述します。
分割しないで放っておくとどうなりますか?
相続開始から10年を過ぎると、特別受益や寄与分を主張できなくなります。不動産があれば相続登記の期限もあるので、早めに動いておきましょう。
まとめ
- 母が判断できない状態なら、子だけの遺産分割協議は有効にならない
- 遺言があれば協議なしで進められ、なければ成年後見人が必要になることが多い
- 父の遺産1億円・母と子2人なら総額630万円、母が法定相続分を取れば子は157万5,000円ずつ
- 後見人は母の取り分を守るので、母をゼロにする分け方は通りにくい
- 期限に間に合わなければ法定相続分で申告し、分割見込書を出しておく




