老人ホームの入居一時金の返還金は相続財産になる?誰が払ったかで変わるケース別の考え方

老人ホームの入居一時金の返還金が相続財産になるかを、誰が払ったかのケース別に解説する記事のアイキャッチ

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親が入っていた老人ホームから「入居一時金の返還金があります」と連絡が来た。契約書には子の名前が受取人として書いてあるけれど、これは自分のお金なのか、相続財産なのか。迷いますよね。

結論から言うと、亡くなった親が自分のお金で払った入居一時金の返還金は、受取人が誰でも相続税の計算に入れて考えるのが基本です。ただ、子が代わりに払っていた場合などは、扱いが変わることもあるんです。

この記事を読めば、自分の家のケースで返還金をどう扱えばいいかの見当がつきます。

目次

親が自分で入居金を払っていたなら、返還金は相続財産

このケースではこうなる

例えば、母が亡くなり子2人が相続人で、母が自分の預金から入居一時金を払っていたケースです。母の死亡で戻ってくる返還金は、母の財産として相続税の計算に入れます。契約書の返還金受取人が長男でも、長男だけのお金にはなりません。

入居一時金は、入居時に一部が償却され、残りは入居期間に応じて少しずつ償却されていく契約が多いです。期間の途中で亡くなると、まだ償却されていない分が返還金として戻ってきます。

国税不服審判所の公表裁決(平成18年11月29日)では、入居一時金の返還金にあたるお金を受け取る権利は、本来の相続財産にあたると判断されています(国税不服審判所 裁決事例集No.72)。

『受取人に指定されているんだから、自分がもらっていいのでは?』と思うのは自然です。ただ、受取人の欄は、ホーム側が誰に返せばよいかを決めておくためのもの、という面が強いんです。

返還金の受取人と、相続財産の関係

受取人の欄に名前があることと、そのお金が誰の財産かは別の話です。親のお金から出た入居金なら、返還金も親の財産として、遺産分割の対象に入れて考えておきましょう。

受取人がきょうだいの1人だけの場合は、ほかのきょうだいに黙って使うと、あとで揉める原因になります。

「ホームから返還金が振り込まれたよ。母さんの遺産として分けよう」
「入居金は母さんの預金から出していたものね」

こんなふうに、早めにきょうだいで共有しておくと安心です。

誰が入居金を払ったかで、扱いが分かれる

返還金の扱いは、入居金を実際に誰が出したかで変わります。ケースごとにまとめました。

ケース返還金の扱い理由・注意
親が自分の預金から払った親の相続財産として相続税の計算に入れる受取人が子でも、親のお金が戻ってきたもの
子が自分のお金で払い、受取人も子子が出したお金が戻っただけと考えられることがある払った証拠(振込の記録など)を残しておく
夫婦2人で入居し、夫が亡くなり妻が住み続ける夫が出した分に応じて相続財産になることがある裁決の事例では、返還金のうち夫が負担した割合の分が相続財産として申告されていた
受取人が孫など相続人以外相続税の対象になり、2割加算がかかることもある扱いは契約内容で変わるので税理士に確認を
入居一時金を誰が払ったか、受取人は誰かで、返還金が相続財産になるかが分かれるケース別の分岐表

子が代わりに払っていたケースは、契約書の名義と実際にお金を出した人がずれていることが多いです。『親名義で払ったから親の財産』と決めつけず、通帳の記録を探してみてください。

返還金を入れると、相続税がかかる家もある

返還金が数百万円になると、基礎控除との差が小さい家では申告が必要になることがあります。基礎控除の額は相続人の人数別の早見表で確かめておきましょう。

例えば、子2人が相続人で、返還金以外の課税価格が4,000万円のケースです。数字は計算ツールで確かめた金額です。

ケース課税価格の合計基礎控除課税遺産総額相続税の総額
返還金を入れない場合4,000万円4,200万円0円0円
返還金500万円を入れた場合4,500万円4,200万円300万円30万円

実は、返還金はホームから振り込まれるのが亡くなって数か月後になることもあります。申告の準備を始めた後に入金されて、入れ忘れる。そんなことも起こりやすいんです。

同じように、亡くなった後に入ってくるお金としては、高額療養費の払い戻しや準確定申告の還付金もあります。まとめて確認しておきましょう。

入居金を子が出していた、夫婦で入居していた、返還金が大きく基礎控除を超えそう。そんなケースは、誰の財産として扱うかの判断が難しいので、税理士に相談すると楽です。相続税の申告期限は、亡くなったことを知った日の翌日から10か月以内です。

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わが家のケースは、相続に強い税理士に聞くのが近道

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よくある質問

入居一時金がすべて償却済みの場合はどうなりますか?

償却が終わっていて返還金が出ないなら、入居一時金について相続財産として計上するものはありません。月額利用料の精算で戻るお金がある時は、そちらを確認してみてください。

返還金の受取人に指定された子が、相続放棄をしたらどうなりますか?

親のお金から出た返還金を受け取って使うと、相続財産を処分したとみなされて放棄できなくなるおそれがあります。放棄を考えている時は、受け取る前に家庭裁判所の手続きや専門家への確認を済ませておきましょう。

返還金がいくらになるかは、どこで分かりますか?

入居契約書や重要事項説明書に、償却の期間と返還金の計算方法が書かれています。ホームに問い合わせると、返還予定額と振込時期を教えてもらえることが多いです。

まとめ

この記事の要点
  • 親が自分で払った入居一時金の返還金は、受取人が誰でも相続財産として考えるのが基本
  • 受取人の欄は、ホームが誰に返すかを決めるためのものという面が強い
  • 子が代わりに払っていた、夫婦で入居していたなど、払った人によって扱いが変わる
  • 返還金を入れると基礎控除を超え、申告が必要になる家もある
  • 相続放棄を考えているなら、返還金を受け取って使う前に止まる
相続ケース案内

相続ケース案内 編集部

家族構成や財産の状況ごとに、相続・相続税がどうなるかを公的機関の公開情報をもとに解説しています。 公式サイト

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