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元気なうちに、家や土地を子どもに渡しておきたい。『生前相続ってどうやるの?税金はかかる?』と調べている方も多いはずです。
結論から言うと、生きているうちに相続はできません。生前に渡す方法は「贈与」で、誰に何を渡すかで使う制度と税金が変わります。
生前相続はできる?どうやって渡す?
相続は亡くなった時に始まるので、生前相続という手続きはありません。生前に財産を渡すなら生前贈与になり、贈与税の制度を使い分けます。子に家を渡すなら相続時精算課税、孫に現金を少しずつなら暦年課税、20年以上連れ添った妻に自宅なら贈与税の配偶者控除が候補です。
よく聞かれるのが「生前に遺産分割の協議書を作れないか」という質問です。遺産分割協議は相続が始まってから相続人全員でするもので、生前には作れません。相続放棄も、亡くなった後に家庭裁判所へ申し出るものです。
生前に分け方を決めておきたいなら、親に遺言を書いておいてもらう方法になるんです。
渡す相手と財産ごとの方法を並べると、次のようになります。
| ケース | 使う方法 | 贈与税 | 相続の時 |
|---|---|---|---|
| 子に家や土地を渡す | 相続時精算課税 | 年110万円と累計2,500万円まで0円 | 110万円を超えた分を足し戻す |
| 孫に現金を毎年渡す | 暦年課税 | 1人年110万円まで0円 | 孫が相続しなければ原則足し戻さない |
| 子に現金を毎年渡す | 暦年課税 | 1人年110万円まで0円 | 相続開始前7年以内の分を足し戻す |
| 妻に自宅を渡す(婚姻20年以上) | 贈与税の配偶者控除 | 最高2,000万円控除(基礎控除と合わせて2,110万円) | 足し戻さない |
| 子が家を買う資金を渡す | 住宅取得等資金の非課税 | 省エネ等住宅1,000万円・それ以外500万円まで0円 | 足し戻さない |

子への家の資金援助については、住宅資金の援助と相続への影響で詳しく見られます。
子に家を渡すと、税金はいくら違う?
ここが大事なところです。同じ家でも、どの制度で渡すかで贈与税が大きく変わります。
例えば、60歳以上の父が、評価額2,000万円の自宅を18歳以上の子に渡すケースです。家の評価は、土地は路線価や倍率、建物は固定資産税評価額で決まります。
| 計算の段階 | 相続時精算課税で渡す | 暦年課税で1年で渡す |
|---|---|---|
| 贈与する評価額 | 2,000万円 | 2,000万円 |
| 基礎控除 | 110万円 | 110万円 |
| 残り | 1,890万円 | 1,890万円 |
| 贈与税の計算 | 特別控除2,500万円の範囲内 | 特例税率45%・控除額265万円 |
| 贈与税 | 0円 | 585万5,000円 |
| 父が亡くなった時 | 1,890万円を相続財産に足し戻す | 相続開始前7年以内なら足し戻す |
暦年課税だと、1,890万円に45%を掛けた850万5,000円から265万円を引いて、585万5,000円になります。家のように分けにくい財産を一度に渡すなら、精算課税の方が向いているケースが多いんです。
『精算課税なら相続税も安くなるの?』と思いますよね。足し戻す金額は贈与した時の評価額で固定されるので、値上がりしそうな土地なら有利になることがあります。ただ、相続税そのものが消えるわけではありません。
詳しい判断は相続時精算課税を使うケースで確認してみてください。
不動産を生前に渡す時の注意点は?
土地や家を生前に渡すと、贈与税のほかにも負担や手続きがあります。
- 名義を変える登記をして、登録免許税などの費用がかかる
- 自宅の土地は、相続で渡せば小規模宅地等の特例で330㎡まで80%減額できることがある
- 生前に渡すと、その土地に小規模宅地等の特例は使えない
- 精算課税を選ぶと、その親からの贈与は暦年課税に戻れない
- 兄弟がいる家は、遺産の分け方で不公平感が出やすい
特に、親と同居している子が自宅を継ぐ予定なら、生前に渡すより相続で渡した方が税金が軽くなるケースもあります。要件を満たすかは税理士に確認しておきましょう。
渡したい財産に不動産がある、子と孫の両方に渡したい、精算課税と暦年課税のどちらがいいか決めきれない。こんなケースは、贈与税と相続税をまとめて試算してくれる税理士に頼むと楽です。
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よくある質問
生前相続と生前贈与の違いは何ですか?
生前相続という法律上の手続きはなく、生前に財産を渡すことは生前贈与にあたります。相続は亡くなった時に始まり、それまでに渡したものは贈与として贈与税の対象になります。
生前に遺産分割協議書を作ることはできますか?
できません。遺産分割協議は相続が始まった後に相続人全員でするものです。生前に分け方を決めておきたい時は、親が遺言を書いておきます。
孫に毎年110万円渡すと、相続の時に足し戻されますか?
孫が相続人でなく、相続や遺贈で財産を受け取らなければ、原則として足し戻されません。遺言で孫に財産を渡すと、相続開始前7年以内の贈与は足し戻しの対象になります。
まとめ
- 生前相続という手続きはなく、生前に渡すなら生前贈与になる
- 遺産分割協議や相続放棄は、生前にはできない
- 評価額2,000万円の家を子に渡すなら、精算課税で0円、暦年課税で585万5,000円
- 孫に毎年110万円までなら贈与税0円で、原則足し戻さない
- 自宅は相続で渡すと小規模宅地等の特例が使えることがある




