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父が亡くなって数年で、母も亡くなってしまった。『短い間に2回も相続税を払うの?』と不安になりますよね。
結論から言うと、前の相続で母が相続税を納めていれば、相次相続控除で今回の税金から一部を差し引けます。ただし、母の税額が0円だった場合は使えません。この記事では、父の死後3年で母が亡くなったケースで控除額を計算します。
父の死後に母が亡くなったら、相次相続控除はいくら?
父の遺産4億円のうち母が3億円を相続し、相続税2,305万円を納めたケース。3年後に母が亡くなり、子2人が母の遺産2億5,000万円を半分ずつ相続すると、子1人あたりの相次相続控除は7,282,451円です。相続税2,460万円から差し引き、17,317,549円になります(端数処理前の金額)。
相次相続控除は、10年以内に続けて相続があった時の負担を和らげる制度です。前の相続で払った相続税のうち、1年につき10%ずつ減らした額を今回の税額から差し引けます。
使えるのは、次の3つにすべて当てはまる人です(国税庁 No.4168 相次相続控除)。
- 今回亡くなった人の相続人であること
- 亡くなった人が、10年以内に開始した前の相続で財産を取得していること
- その前の相続で、亡くなった人に相続税が課税されていたこと
相続放棄をした人は、遺贈で財産を受け取っても対象外です。
母が配偶者控除で0円だった場合は?
ここが大事なところです。前の相続で母が配偶者の税額軽減を使い、相続税が0円だったなら、相次相続控除は計算されません。国税庁も、2年前に父が亡くなり母の税額がなかった例で、控除は受けられないと説明しています(国税庁 相次相続控除の質疑)。
| ケース(父の遺産4億円・母と子2人) | 父の相続で母が納めた税額 | 母の相続での相次相続控除 |
|---|---|---|
| 母が法定相続分の2億円を取得 | 0円(配偶者の税額軽減) | 使えない |
| 母が3億円を取得 | 2,305万円 | 使える |
| 子だけが取得し、母は取得なし | 0円 | 使えない |
母が2億円を取ったケースでは、子2人が1人2,305万円ずつ払い、母は0円でした。子が払った税金は、母の相続では差し引けないんです。
『じゃあ、母が税金を払ったほうが得?』と思いますよね。実はそう単純ではなく、一次と二次の合計で考える必要があります。取得割合ごとの比べ方は配偶者控除で損するケースの早見表で見られます。
控除額はどうやって計算する?
国税庁の計算式は、次の記号を使います。
| 記号 | 中身 | このケースの数字 |
|---|---|---|
| A | 母が父の相続で納めた相続税額 | 2,305万円 |
| B | 母が父の相続で取得した純資産価額 | 3億円 |
| C | 今回、財産を取得した全員の純資産価額の合計 | 2億5,000万円 |
| D | 今回、その相続人が取得した純資産価額 | 1億2,500万円 |
| E | 前の相続から今回までの年数(1年未満は切り捨て) | 3年 |
計算は「A × C ÷(B − A)× D ÷ C ×(10 − E)÷ 10」です。C ÷(B − A)が1を超える時は1で計算します。
このケースでは、C ÷(B − A)が2億5,000万円 ÷ 2億7,695万円で0.9026…です。1を超えないので、そのまま使います。

経過年数が長いほど、控除額は小さくなります。同じケースで、母が亡くなった時期だけを変えた早見表です。
| 父の死亡から母の死亡まで | 子1人あたりの控除額 | 子2人の合計 |
|---|---|---|
| 1年 | 9,363,152円 | 18,726,304円 |
| 3年 | 7,282,451円 | 14,564,903円 |
| 5年 | 5,201,751円 | 10,403,502円 |
| 8年 | 2,080,700円 | 4,161,400円 |
| 10年以上 | 0円 | 0円 |
国税庁の質疑では、祖父の死亡から4年6か月で父が亡くなった例が出ています。4年で計算し、1,000万円の税額のうち300万円が控除額になっています。
「4年半なら、5年で計算するんじゃないの?」
「1年未満は切り捨てなので、4年で計算します」
母の相続の基礎控除は、子2人なら4,200万円です。人数ごとの金額は基礎控除の早見表で確認してみてください。
相次相続控除で気をつけたいことは?
相次相続控除は、申告書に明細を付けて計算します。前の相続の申告書の控えがないと、AやBの数字が分かりません。父の申告書は捨てずに取っておきましょう。
また、配偶者の税額軽減や未成年者控除などの順番も絡みます。2回の相続が続いた、前回の申告書が見当たらない、遺産に土地が多い。こんなケースは、2回分の計算をまとめて税理士に頼むと楽です。個別の判断は税理士に確認しておきましょう。
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よくある質問
相次相続控除は、相続人でない孫も使えますか?
使えません。対象は今回亡くなった人の相続人だけです。遺贈で財産を受け取った孫や、相続放棄をした人は対象外です。
前の相続から10年を少し過ぎていたら?
10年以内に開始した相続が対象なので、10年を過ぎると控除はありません。経過年数は1年未満を切り捨てて数えます。
母が父の相続で納めた税額は、どこで確認できますか?
父の相続のときの相続税申告書の控えで確認します。控えが見当たらない時は、申告を頼んだ税理士に問い合わせてみてください。
まとめ
- 相次相続控除は、10年以内に続けて相続があった時に使える
- 母が配偶者の税額軽減で0円だった場合は、控除は計算されない
- 父の遺産4億円で母が3億円を取得し3年後に亡くなったケースは、子1人7,282,451円
- 1年ごとに10%ずつ控除額が減り、10年以上たつと0円




