マンションの1室を相続した時の管理費や修繕積立金の扱い

マンションの1室を相続した時の管理費や修繕積立金の扱いを解説する記事のアイキャッチ

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親が住んでいたマンションの1室を相続することになった。管理会社から書類が届いて、『滞納していた管理費があります』と書いてある。そんな時、誰が払うのか迷いますよね。

結論から言うと、亡くなる前に滞納していた管理費や修繕積立金は、親の借金と同じく相続人が引き継ぎます。その代わり、相続税の計算では債務として財産から差し引けるんです。

この記事では、住み続ける・売る・相続放棄を考えるケースで、管理費の扱いと管理組合への手続きを見ていきます。

目次

親が滞納していた管理費は、誰が払う?

このケースではこうなる

例えば、母が亡くなり子1人がマンションを相続するケースで、管理費と修繕積立金が数か月分たまっていたとします。この滞納分は相続人である子が払います。亡くなった日までの滞納分は相続税の計算で差し引け、亡くなった後の管理費は差し引けません。

『部屋を相続しない兄弟にも払ってほしい』と思う方もいるはずです。滞納分は親の借金なので、相続人の間でどう負担するかを遺産分割の中で話し合っておきましょう。

ただ、管理組合から見ると、部屋を取得した人にも滞納分を請求できる決まりがあります(区分所有法)。部屋を取得した人がまず請求を受けると思っておくと分かりやすいです。

ケース管理費・修繕積立金の扱い理由・注意
子が相続して住み続ける滞納分も今後の分も子が払う管理組合に所有者の変更を届け出る
子が相続して売る売るまでの分は子が払う滞納が残ると売却の時に精算を求められる
相続人が2人で、1人が部屋を取得滞納分の負担は協議で決める管理組合は部屋を取得した人に請求できる
借金が多く相続放棄を考えている放棄すれば滞納分は払わない放棄の前に管理費を払うと処分とみなされるおそれ
親のマンションを相続した時、住み続ける・売る・相続放棄のケースで管理費と修繕積立金を誰が払うかを分けたケース別の分岐表

修繕積立金は戻ってくる?

『何十年も積み立ててきたのだから、相続で返してもらえるのでは?』と考えますよね。実は、修繕積立金は管理組合のお金で、部屋の持ち主が変わっても戻ってくるものではないんです。

そのため、修繕積立金を別の財産として相続税の申告に入れることはありません。部屋そのものの評価の中で考えます。なお、居住用の区分所有マンションは、2024年1月1日以降の相続から新しい評価方法になっています。

滞納分を差し引くと、相続税はどう変わる?

亡くなった時点で払う義務が決まっていた管理費や修繕積立金は、借入金と同じように債務として差し引けます。小さい金額でも、基礎控除に近い家では効いてきます。数字は計算ツールで確かめた金額です。

ケースマンション+預金滞納していた管理費等課税価格の合計基礎控除相続税の総額
子1人・滞納分を差し引かない4,000万円差し引かない4,000万円3,600万円40万円
子1人・滞納分を差し引く4,000万円50万円3,950万円3,600万円35万円

差し引くのを忘れると、払いすぎになります。納めすぎた相続税は、原則として法定申告期限から5年以内なら更正の請求で取り戻せます。

管理会社からの「滞納額のお知らせ」には、亡くなった後の分が混ざっていることがあります。亡くなった日で線を引いて、前の分だけを債務に入れてみてください。

管理組合への手続きは何をする?

部屋を相続したら、管理組合(管理会社)に所有者が変わったことを届け出ます。届け出の書式はマンションごとに違うので、管理会社に問い合わせてみましょう。

例えば、管理会社とはこんなやり取りになります。

「母が亡くなり、私がこの部屋を相続しました。引き落とし口座も変えたいのですが」
「所有者変更届と、新しい口座の引き落とし依頼書をお送りしますね」

マンションを相続したら確かめること
  • 管理費・修繕積立金の引き落とし口座(親の口座は凍結される)
  • 亡くなった日時点の滞納額と、その後の請求額
  • 管理組合への所有者変更届と、総会の通知の送り先
  • 相続登記(不動産を取得したと知った日から3年以内)
  • 駐車場や専用庭など、別に契約している物の名義

親の口座が凍結されると引き落としが止まり、知らないうちに滞納が増えることがあります。遺産分割の前でも、管理会社に連絡して支払い方法を決めておくと安心です。

マンションのほかに預金や不動産があって基礎控除を超えそう、滞納分の差し引き方や新しい評価方法が分からない。そんなケースは、評価から申告まで税理士に頼むと楽です。

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わが家のケースは、相続に強い税理士に聞くのが近道

相続税がかかりそう、土地や自宅がある、相続人が多い、期限が近いといったケースでは、相続税に詳しい税理士に早めに相談すると安心です。税理士ドットコムなら、全国7,500名以上の登録税理士から相続に強い税理士を無料で紹介してもらえます。

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不動産を相続した時の全体の流れは不動産を相続したら何から始める?で、ケースごとに見ています。一戸建ての場合は自宅前の私道の持分の評価も合わせて確かめてみてください。

よくある質問

相続登記が終わるまで、管理費は払わなくてもいいですか?

登記の前でも、相続人は管理費を払う必要があります。払わないと滞納が増え、遅延損害金がかかることもあるので、遺産分割の前でも支払いを続けておきましょう。

亡くなった後に払った管理費は、相続税で差し引けますか?

差し引けません。相続税で差し引けるのは、亡くなった時点で払う義務が決まっていた分だけです。

相続人が誰もマンションを要らない時はどうなりますか?

相続人全員で放棄すると、家庭裁判所が選ぶ相続財産清算人が部屋を管理・処分することになります。申立てには費用がかかるので、放棄する前に専門家に相談してみてください。

まとめ

この記事の要点
  • 亡くなる前に滞納していた管理費・修繕積立金は、相続人が引き継ぐ
  • 滞納分は相続税の計算で債務として差し引ける。亡くなった後の分は差し引けない
  • 修繕積立金は管理組合のお金で、相続で戻ってくるものではない
  • 部屋を相続したら、管理組合に所有者の変更と引き落とし口座を届け出る
  • 居住用マンションは2024年1月1日以降の相続から新しい評価方法になる
相続ケース案内

相続ケース案内 編集部

家族構成や財産の状況ごとに、相続・相続税がどうなるかを公的機関の公開情報をもとに解説しています。 公式サイト

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