遺言書の検認申立書の書き方と添付する戸籍を家族構成別に確認

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亡くなった母の机から、手書きの遺言書が出てきた。『封筒を開けていいの?』『どこに何を出せばいいの?』と手が止まった方も多いはずです。

結論から言うと、自宅で見つかった手書きの遺言書は、家庭裁判所に「検認」を申し立てます。この記事では、検認申立書の書き方と、家族構成で変わる添付の戸籍をケースごとに確認していきます。

目次

自筆の遺言書が見つかったら、申立書には何を書く?

このケースの結論

母が亡くなり、子2人が相続人で、自宅から手書きの遺言書が見つかったケースなら、遺言書を保管している人か見つけた相続人が申立人になります。申立書と当事者目録に相続人全員を書き、母の出生から死亡までの戸籍と相続人全員の戸籍謄本をつけて、母の最後の住所地の家庭裁判所へ出します。

検認は、遺言書の形や中身を家庭裁判所で確認し、その後に書き換えられるのを防ぐための手続きです。遺言が有効かどうかを決める手続きではありません。

ここが大事なところです。封がしてある遺言書は、家庭裁判所で相続人などの立会いのもとで開けることになっています。見つけても自分で開けないでおきましょう。

申立書は、裁判所のホームページにある書式と記載例を使えます。書く欄は大きく次のとおりです。

欄書く内容記入のポイント
申立人住所・氏名・生年月日・遺言者との関係保管している人か、見つけた相続人
遺言者本籍・最後の住所・氏名・亡くなった日最後の住所地で家庭裁判所が決まる
申立ての趣旨「遺言者の自筆証書による遺言書の検認を求めます」記載例どおりでよい
申立ての理由遺言書を保管・発見した経緯、封印の有無いつ・どこで見つけたかを書く
当事者目録相続人全員の住所・氏名検認期日の通知がこの宛先に届く

申立ての理由は、例えばこう書きます。

「1 申立人は、遺言者の長男です。
2 令和〇年〇月〇日、遺言者の自宅の机の引き出しから封筒に入った遺言書を発見しました。封印されています。
3 遺言者は令和〇年〇月〇日に死亡しましたので、遺言書の検認を求めます。」

添付する戸籍は家族構成でどう変わる?

検認の戸籍集めで迷いやすいのが、誰の戸籍が要るかです。どの家族でも共通で要るのは、遺言者の出生から死亡までのすべての戸籍(除籍・改製原戸籍)謄本と、相続人全員の戸籍謄本です。

遺言者の子ですでに亡くなっている人がいる時は、その子の出生から死亡までの戸籍も要ります。そこから先は、誰が相続人かで追加が変わります。

ケース相続人追加で要る主な戸籍理由・注意
母が亡くなり、子2人が相続人子2人共通の戸籍だけ他に子がいないことを出生からの戸籍で確認する
子がいない夫が亡くなり、妻と夫の母が相続人(夫の父は死亡)妻・夫の母夫の直系尊属で亡くなった人の死亡の記載のある戸籍夫の父の死亡が分かる戸籍をつける
子も親もいない兄が亡くなり、弟妹が相続人弟妹(亡くなった兄弟姉妹がいれば甥姪)父母の出生から死亡までの戸籍、直系尊属の死亡の記載のある戸籍、亡くなった兄弟姉妹の出生から死亡までの戸籍父母の戸籍まで遡るので枚数が多くなる

『兄弟姉妹が相続人になると、そんなに戸籍が要るの?』と驚きますよね。兄弟姉妹が誰と誰なのかは、父母の出生からの戸籍を見ないと分からないからなんです。

母が亡くなり子が相続人のケースと、子のいない兄が亡くなり弟妹が相続人のケースで、集める戸籍の範囲を比べた家系図

戸籍は、本籍地以外の市区町村の窓口でもまとめて請求できる「広域交付」が使えます。ただし請求できるのは本人・配偶者・父母・子などの戸籍に限られ、郵送や代理人による請求はできません。

集めた戸籍から家族関係を図にしておくと、抜けている戸籍に気づきやすくなります。図の作り方は相続関係説明図の書き方と家族別の記載例で紹介しています。

収入印紙はいくら?当日はどう進む?

申し立てる前のチェック
  • 収入印紙は遺言書1通につき800円分
  • 連絡用の郵便切手の額を家庭裁判所に確認したか
  • 当事者目録に相続人全員を書いたか
  • 封のある遺言書を開けずに保管しているか
  • 検認済証明書の申請用に、遺言書1通につき150円分の収入印紙を用意したか

費用は、遺言書1通につき収入印紙800円分と、家庭裁判所ごとに決まった郵便切手です。遺言書が2通見つかったら、収入印紙は1,600円分になります。

申し立てると、家庭裁判所から相続人に検認期日の通知が届きます。申立人は当日、遺言書を持って出席します。他の相続人が出席するかは各自の判断で、欠席しても検認は行われます。

検認が終わったら、遺言の内容を銀行や登記で使うために検認済証明書を申請します。費用は遺言書1通につき150円分の収入印紙です。

「弟は遠くに住んでるけど、来ないといけないの?」
「出席は任意だよ。来られなくても検認はしてもらえる」

一方で、検認が要らない遺言書もあります。公正証書遺言と、法務局の自筆証書遺言書保管制度で預けてあった遺言書です。預ける時の手続きは遺言書を法務局に預ける時の申請書の書き方で紹介しています。

検認が済んだら、遺言の内容に沿って名義変更や相続税の確認に進みます。遺産の合計が基礎控除(3,000万円+600万円×法定相続人の数)を超えるなら、相続税の申告が必要です。申告期限は、相続の開始を知った日の翌日から10か月以内です。

戸籍が多い兄弟姉妹の相続、遺言どおりに分けると相続税の計算が複雑になるケース、不動産がある家。こうしたケースは、検認の段階から専門家に見てもらうと先の手続きが楽になります。

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よくある質問

封のある遺言書をうっかり開けてしまいました。どうすればいいですか?

開けてしまった場合も、検認の申立ては行います。封のある遺言書は家庭裁判所で開けることになっているので、まだ開けていない遺言書は封をしたまま持っていきましょう。

検認を受ければ、遺言書は有効になりますか?

検認は遺言書の状態を確認する手続きで、遺言の有効・無効を判断するものではありません。

法務局に預けてあった遺言書も検認が必要ですか?

自筆証書遺言書保管制度で法務局に保管されていた遺言書は、検認が不要です。公正証書遺言も検認は要りません。

まとめ

この記事の要点
  • 自宅で見つかった手書きの遺言書は、遺言者の最後の住所地の家庭裁判所に検認を申し立てる
  • 申立書と当事者目録には相続人全員を書く
  • 戸籍は、遺言者の出生から死亡までと相続人全員の分が共通。親や兄弟姉妹が相続人なら追加がある
  • 収入印紙は遺言書1通につき800円分、検認済証明書は1通につき150円分
  • 封のある遺言書は開けずに家庭裁判所へ
相続ケース案内

相続ケース案内 編集部

家族構成や財産の状況ごとに、相続・相続税がどうなるかを公的機関の公開情報をもとに解説しています。 公式サイト

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