相続登記の申請書の書き方を遺産分割と法定相続の2パターンで

相続登記の申請書の書き方を遺産分割と法定相続の2パターンで解説する記事のアイキャッチ

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親の家を相続して、相続登記を自分でやってみようと思った。でも、法務局の申請書の様式を開いたら『登記原因?持分?』と、知らない言葉ばかりで手が止まってしまいますよね。

結論から言うと、相続登記の申請書は「遺産分割で誰が取得したか」か「法定相続分どおりか」で書き方が2つに分かれます。この記事では、その2パターンを記入例で比べながら見ていきます。

目次

うちのケースはどっちの申請書?

このケースの結論

父が亡くなり、家族で話し合って長男が家を相続するなら「遺産分割」の様式で、相続人欄には長男だけを書きます。話し合いをせず、母と子2人が法定相続分どおりに共有するなら「法定相続」の様式で、3人それぞれに持分(母2分の1・子4分の1ずつ)を書きます。

どちらのケースも、登記の目的は「所有権移転」、原因は「〇年〇月〇日相続」と書きます。違いが出るのは相続人欄と添付書類なんです。

ケース使う様式相続人欄の書き方主な添付書類
父が亡くなり、話し合いで長男が家を取得相続(遺産分割)長男の住所・氏名だけ遺産分割協議書・相続人全員の印鑑証明書・戸籍・長男の住民票
父が亡くなり、母と子2人が法定相続分で共有相続(法定相続)3人それぞれに「持分〇分の〇」戸籍・相続人全員の住民票
父の遺言で長男が家を相続相続(公正証書遺言/自筆証書遺言)長男の住所・氏名遺言書・戸籍など
父の後に母も亡くなった相続(数次相続)最終的に取得した人両方の相続の戸籍など
遺産分割と法定相続の2パターンで、申請書の相続人欄と添付書類がどう違うかを並べたケース別の比較図

法務局のホームページには、この4つ以外にも、ケースごとの様式と記載例がWordとPDFで用意されています。自分のケースの様式をダウンロードして使ってみてください。

遺産分割で長男が家を相続する時の記入例

まずは、いちばん多いパターンです。例えば、父が亡くなり、母・長男・長女の3人で話し合って、長男が家と土地を相続するケースで見てみます。

項目書き方の例ポイント
登記の目的所有権移転相続登記はこの書き方
原因令和〇年〇月〇日相続協議がまとまった日ではなく、父が亡くなった日
相続人(被相続人 〇〇〇〇)住所 氏名 印長男だけを書く。認印でよい
申請人の追加項目氏名ふりがな・生年月日・メールアドレス申請人になる相続人について書く
連絡先の電話番号平日の日中につながる番号携帯電話でもよい
添付情報登記原因証明情報・住所証明情報この2つを書く
申請日・申請先令和〇年〇月〇日申請 〇〇法務局不動産の所在地を管轄する法務局
課税価格・登録免許税金〇〇〇〇万円・金〇〇円計算は下で解説
不動産の表示所在・地番・地目・地積など登記事項証明書のとおりに書く

ここが大事なところです。原因の日付は、遺産分割協議をした日ではなく、被相続人が亡くなった日(戸籍上の死亡日)を書きます。

『協議書に書いた日付じゃないの?』と間違えやすいところなので、気をつけてくださいね。

相続人の住所と氏名は、住民票の写しのとおりに書きます。住民票コードを書いておくと、住民票の写しを出さずに済みます。

不動産番号を書いた時は、所在や地番などの記載を省略できます。不動産番号は登記事項証明書に載っています。

法定相続分で共有する時の記入例

次は、遺産分割の話し合いをせずに、法定相続分どおりに登記するパターンです。父が亡くなり、母と子2人が相続人なら、持分は母2分の1、子は4分の1ずつになります。

相続人欄は、こんなふうに3人を並べて書きます。

  • (被相続人 〇〇〇〇)
  • (申請人)住所 持分2分の1 母の氏名 印
  • 住所 持分4分の1 長男の氏名
  • 住所 持分4分の1 長女の氏名

法定相続の登記は、相続人のうち1人が全員のために申請することもできます。ただし、申請人にならなかった人には登記識別情報が通知されません。

相続人の組み合わせ持分の書き方の例
配偶者と子2人配偶者2分の1・子4分の1ずつ
配偶者と父母配偶者3分の2・父6分の1・母6分の1
配偶者と兄・妹配偶者4分の3・兄8分の1・妹8分の1

「話し合いをしなくても登記はできるんだね」
「できるけど、家が3人の共有になるから、売る時は全員の同意が要るよ」

共有のままだと、後で売ったり建て替えたりする時に全員の協力が必要です。誰か1人が家を引き継ぐ予定なら、遺産分割をしてから登記するほうがすっきりします。

課税価格と登録免許税はどう書く?

課税価格には、市区町村から届く固定資産課税明細書の「価格(評価額)」を書きます。「固定資産税課税標準額」ではないので注意してください。

登録免許税は、課税価格の0.4%です。計算には端数のルールがあります。

登録免許税の計算手順
  1. 同じ申請書で出す土地・建物の価格を合計する
  2. 合計額の1,000円未満を切り捨てて「課税価格」にする
  3. 課税価格に0.4%をかける
  4. 100円未満を切り捨てて「登録免許税」にする

例えば、土地2,345万6,700円・建物312万3,400円の家で計算してみます。

計算の段階金額
価格の合計2,658万100円
課税価格(1,000円未満切り捨て)2,658万円
2,658万円 × 0.4%10万6,320円
登録免許税(100円未満切り捨て)10万6,300円

申請書には「課税価格 金2,658万円」「登録免許税 金10万6,300円」と書きます。一定の土地には免税の措置があり、その場合は課税価格を書かず、登録免許税の欄に免税の根拠となる法令の条項を書きます。

収入印紙は申請書に直接貼らず、台紙に貼って申請書と一緒にとめます。綴じ方と原本還付のやり方は相続登記の書類の綴じ方で図にしています。

書き終わったら確認したいこと

提出前のチェック
  • 原因の日付が被相続人の死亡日になっている
  • 相続人の住所・氏名が住民票の写しと一字一句同じ
  • 申請人の氏名ふりがな・生年月日・メールアドレスを書いた
  • 不動産の表示が登記事項証明書のとおり
  • 課税価格は1,000円未満、登録免許税は100円未満を切り捨てた
  • 申請書が2枚以上なら、各ページのつなぎ目に契印をした

添付する戸籍は、法定相続情報一覧図の写しで代わりにできます。一覧図の写しの右上にある法定相続情報番号を申請書に書く方法もあります。一覧図の作り方は法定相続情報一覧図の書き方で確認してみてください。

相続登記は、不動産を相続したと知った日から3年以内にする義務があります。正当な理由なく怠ると、10万円以下の過料の対象になります。

不動産が何か所にもある、数次相続が絡む、相続税の申告も必要そう、というケースは、自分だけで進めると時間がかかりがちです。相続税がかかるかどうかも含めて、一度専門家に相談しておくと段取りが立てやすくなります。

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よくある質問

申請書に押す印鑑は実印でないとダメですか?

申請書は認印でかまいません。ただし、遺産分割協議書には相続人全員が実印を押し、印鑑証明書を添えます。

遺産分割協議書に添える印鑑証明書は、3か月以内のものが必要ですか?

相続登記で遺産分割協議書に添える印鑑証明書は、作成後3か月以内のものでなくても差し支えないと法務局の記載例に書かれています。

申請書は手書きでもいいですか?

手書きでも大丈夫です。A4の用紙に片面で、黒のインクや黒のボールペンで書きます。消せるペンや鉛筆は使えません。

まとめ

この記事の要点
  • 申請書は「遺産分割」か「法定相続」かで様式と相続人欄が変わる
  • 原因の日付は協議の日ではなく、被相続人が亡くなった日
  • 法定相続分で登記する時は、相続人ごとに持分を書く
  • 課税価格は固定資産課税台帳の価格。1,000円未満を切り捨てて0.4%、100円未満を切り捨て
  • 相続登記は取得を知った日から3年以内が義務
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相続ケース案内 編集部

家族構成や財産の状況ごとに、相続・相続税がどうなるかを公的機関の公開情報をもとに解説しています。 公式サイト

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