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預金はもう分け終わった。残っているのは実家の土地と建物だけ。『不動産のことだけ書いた協議書で、登記は通るの?』と迷っている方も多いはずです。
結論から言うと、不動産だけを書いた協議書でも相続登記に使えます。この記事では、1人が取得するケースと共有にするケースの記載例を比べていきます。
実家を1人が相続するなら、どう書けばいい?
父が亡くなり、実家の土地と建物を母がすべて取得するケースなら、協議書には登記事項証明書のとおりに不動産を書き、「次の不動産は母〇〇が取得する」と書けば登記に使えます。住所(住居表示)ではなく、地番と家屋番号で書くのがポイントです。
実は、協議書で特に書き間違いが多いのが不動産の表示なんです。普段使う住所と、登記で使う地番は別物だからです。
例えば「〇〇市〇〇町1丁目2番3号」は住居表示で、登記の地番は「〇〇町一丁目205番」のように違う番号になっていることがあります。
記載例はこうなります。
「第1条 次の不動産は、相続人〇〇(妻)が取得する。
(土地)所在 〇〇市〇〇町一丁目 / 地番 205番 / 地目 宅地 / 地積 〇〇.〇〇平方メートル
(建物)所在 〇〇市〇〇町一丁目205番地 / 家屋番号 205番 / 種類 居宅 / 構造 木造瓦葺2階建 / 床面積 1階 〇〇.〇〇平方メートル 2階 〇〇.〇〇平方メートル」
地番や家屋番号は、法務局で取れる登記事項証明書に載っています。固定資産税の納税通知書だけを見て書くと、表記が少し違うことがあるので注意しておきましょう。
- 登記事項証明書を取って、そのとおりに書き写しているか
- 土地は所在・地番・地目・地積、建物は所在・家屋番号・種類・構造・床面積を書いたか
- マンションは一棟の建物と専有部分、敷地権まで書いたか
- 私道や共有の通路など、見落としやすい土地が無いか

兄弟で共有にする時や、不動産だけ先に分ける時は?
母がすでに亡くなっていて、兄弟2人で実家を分けるケースもありますよね。売る予定がまだ決まっていない時は、共有で取得する書き方になります。
「第1条 次の不動産は、相続人〇〇(長男)及び〇〇(次男)が各2分の1の持分で取得する。」
ただ、共有にすると、将来売る時や建て替える時に全員の同意がいります。『とりあえず半分ずつ』で決める前に、誰が住むのか、売るのかを話しておくと後で困りません。
もう1つ多いのが、預金などは後で話し合い、不動産だけ先に決めたいケースです。この時は最後に一文入れておきます。
「本協議書に記載のない遺産については、相続人全員で別途協議する。」
| ケース | 書き方 | 理由・注意 |
|---|---|---|
| 母が土地と建物をすべて取得 | 取得者を1人だけ書く | 登記がシンプル。母の次の相続も考えておく |
| 長男と次男が2分の1ずつ共有 | 持分を書く | 売却や建て替えに全員の同意がいる |
| 不動産だけ先に決める | 別途協議の一文を入れる | 残りの財産の話し合いを後に回せる |
| 未登記の建物がある | 固定資産税の課税台帳の表記で書く | 先に建物の表題登記がいることがある |
「家は兄さんが住むんだし、名義も兄さんでいいよ」
「ありがとう。協議書には地番まできちんと書いておくね」
共有の持分を登記する時の申請書の書き方は、兄弟で持分を分けて相続登記するケースで詳しく見ています。
協議書ができたら、登記はいつまでにいくらかかる?
相続登記は2024年4月1日から義務になりました。相続で不動産を取得したことを知った日から3年以内に登記が必要で、正当な理由なく怠ると10万円以下の過料の対象です。
この日より前の相続も対象で、2027年3月31日か、知った日から3年以内の遅い方が期限になります。
登記にかかる登録免許税は、固定資産税評価額×0.4%です。例えば土地と建物の評価額が合計2,000万円なら、登録免許税は8万円になります。
『協議書ができたら、登記は落ち着いてからでいいか』と思いがちですが、期限があるので早めに動いておきましょう。
登記には、協議書と相続人全員の印鑑証明書、戸籍の束が必要です。戸籍の束は、法務局で無料の「法定相続情報一覧図の写し」をもらうと代わりに使えます。取るかどうかの判断は法定相続情報一覧図を取るケースを見てみてください。
土地が何筆もある、未登記の建物がある、相続税の申告もいるかもしれない。そんなケースは、協議書の段階から専門家に見てもらうと手戻りが減ります。
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わが家のケースは、相続に強い税理士に聞くのが近道
相続税がかかりそう、土地や自宅がある、相続人が多い、期限が近いといったケースでは、相続税に詳しい税理士に早めに相談すると安心です。税理士ドットコムなら、全国7,500名以上の登録税理士から相続に強い税理士を無料で紹介してもらえます。
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よくある質問
協議書に不動産の評価額や時価を書く必要はありますか?
登記には評価額の記載はいりません。登記事項証明書どおりの表示と、誰が取得するかが書いてあれば足ります。
不動産だけの協議書を作った後、預金の協議書を別に作ってもいいですか?
作れます。最初の協議書に「記載のない遺産は別途協議する」と入れておくと、後から別の協議書で分けやすくなります。
住所で書いてしまった協議書は作り直しですか?
地番や家屋番号と違う書き方だと、法務局で不動産が特定できないとされることがあります。その場合は相続人全員で書き直すことになるので、提出前に登記事項証明書と照らし合わせておきましょう。
まとめ
- 不動産だけを書いた協議書でも相続登記に使える
- 不動産は住所ではなく、登記事項証明書どおりに地番と家屋番号で書く
- 共有にするなら持分を書き、将来の売却まで話しておく
- 不動産だけ先に決める時は、残りは別途協議と一文入れる
- 相続登記は知った日から3年以内、登録免許税は固定資産税評価額×0.4%




