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夫がiDeCoで毎月積み立てていたのは知っていたけれど、亡くなった後どうなるのかは聞いていなかった。『積み立てたお金は、遺産分割で分けるの?』と迷う方も多いはずです。
結論から言うと、iDeCoの残高は「死亡一時金」として、法律で決まった順位の遺族が受け取ります。相続税では死亡退職金と同じ扱いになり、非課税枠も使えます。
この記事では、家族構成ごとに、だれが受け取り、相続税がどうなるかを見ていきます。
iDeCoの死亡一時金はだれが受け取る?
本人が受取人を指定していなければ、最初に受け取るのは配偶者です。配偶者と子1人のケースで死亡一時金が1,200万円なら、非課税枠1,000万円を引いた200万円だけが相続税の計算に入ります。
受け取る人の順位は、確定拠出年金法で決まっています。iDeCo(個人型年金)にも、企業型と同じ規定が当てはまります。
| 順位 | 受け取る人 |
|---|---|
| 本人の指定がある時 | 配偶者・子・父母・孫・祖父母・兄弟姉妹の中から、本人が指定した人 |
| 1 | 配偶者(届出をしていない事実上の夫婦も含む) |
| 2 | 子・父母・孫・祖父母・兄弟姉妹で、本人の収入で主に生活していた人 |
| 3 | 2のほかに、本人の収入で主に生活していた親族 |
| 4 | 2に当てはまらない子・父母・孫・祖父母・兄弟姉妹 |
同じ順位の人が2人以上いれば、人数で等分します。2と4の中では、子、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹の順です。条文は厚生労働省の確定拠出年金法の第41条で確かめられます。
ここが大事なところです。この順位は遺言や遺産分割協議で決めるものではありません。受け取る人は法律の順位どおりに決まるんです。

家族構成でだれが受け取るかはどう変わる?
同じ1,200万円の死亡一時金でも、家族の形で受け取る人と税金の扱いが変わります。
| ケース | 受け取る人 | 非課税枠 | 相続税の計算に入る額 | 理由・注意 |
|---|---|---|---|---|
| 配偶者と子1人・指定なし | 配偶者 | 1,000万円 | 200万円 | 500万円 × 法定相続人2人 |
| 配偶者なし・子1人・指定なし | 子 | 500万円 | 700万円 | 500万円 × 法定相続人1人 |
| 事実上の夫婦・子1人・指定なし | 内縁のパートナー | 使えない | 1,200万円 | 相続人ではないので非課税枠が無く、2割加算もかかる |
| 子2人・本人が長女を指定 | 長女 | 1,000万円 | 200万円 | 指定が優先される |
内縁のパートナーのケースは意外に思うかもしれませんね。確定拠出年金法では受け取れる人に入るのに、相続税では相続人ではないので、非課税枠の対象から外れるんです。
国税庁の相続税の課税対象になる死亡退職金のとおり、非課税枠は相続人が受け取った分にだけ使えます。
2割加算は、配偶者と子・父母以外の人が財産を受け取った時に、その人の相続税が2割増しになる仕組みです。内縁のパートナーは配偶者に当たらないので、この加算の対象になります。
『子どもが受け取るはずだったのに…』と思っても、配偶者がいれば先に配偶者です。家族の中で受け取る人をはっきりさせたいなら、生前に指定しておくのが一つの方法です。
死亡一時金に相続税はいくらかかる?
iDeCoの死亡一時金は、相続税法では「退職手当金等」として扱われます。国税庁の質疑応答事例でも、確定拠出年金の個人型年金規約に基づく一時金は退職手当金等に含まれるとされています。
計算例を見てみましょう。ほかの財産5,000万円、死亡一時金1,200万円で、法定相続分どおりに分けたとします。
| ケース | 課税価格の合計 | 基礎控除 | 納付額の合計 | 理由・注意 |
|---|---|---|---|---|
| 配偶者と子1人 | 5,200万円 | 4,200万円 | 50万円 | 一時金のうち200万円だけ加算。配偶者は軽減で0円 |
| 配偶者と子1人・iDeCo無し | 5,000万円 | 4,200万円 | 40万円 | 比較用 |
| 子1人だけ | 5,700万円 | 3,600万円 | 265万円 | 一時金のうち700万円を加算 |
| 子1人だけ・iDeCo無し | 5,000万円 | 3,600万円 | 160万円 | 比較用 |
『同じ1,200万円なのに、なぜ子1人だと税金が増えるの?』と感じますよね。非課税枠の大きさは法定相続人の数で決まります。子1人だけのケースは枠が500万円しかないので、加算される額が大きくなるんです。
同じ非課税枠は、勤め先から出る死亡退職金と合わせて使います。会社の死亡退職金もある時は、合計額から枠を引く点に気をつけておきましょう。
相続税の対象になるのは、亡くなった後3年以内に支給額が確定したものです。3年を過ぎてから確定した時の税金の扱いは、税理士に確認してみてください。
基礎控除の人数ごとの金額は、相続税の基礎控除の早見表にまとめています。
請求の手続きはどう進める?
- iDeCoの口座がある金融機関(運営管理機関)に、亡くなったことを連絡する
- 送られてくる請求書類に、受け取る人の戸籍や本人確認書類をそろえる
- 本人の収入で生活していたことを示す書類が必要か確認する(順位によって必要)
- 裁定を受けて、死亡一時金が振り込まれる
- 相続税がかかる時は、ほかの財産と合わせて10か月以内に申告・納付する
書類の名前や必要なものは金融機関ごとに違います。最初の連絡の時に、そろえる書類の一覧をもらっておくと進めやすいですよ。
例えば、こんな会話をきっかけに手続きが始まることがあります。
「通帳から毎月、決まった額が引き落とされてる。これ何だろう?」
「年金の口座みたいだね。金融機関に聞いてみよう」
注意したいのは請求の期限です。受け取れる人が亡くなった後5年間請求しないと、受け取れる遺族がいないものとされ、残高は亡くなった人の相続財産として扱われます。
そうなると、遺産分割の対象になってしまいます。受け取る人が決まっているうちに、早めに請求しておきましょう。
ほかの資産と同じように、NISAや投資信託も持っていた場合の評価はNISAの投資信託の相続税評価で見ています。
死亡一時金に加えて生命保険金や会社の死亡退職金もある、受け取る人が内縁のパートナーになる、というケースは非課税枠と2割加算の計算が入り組みます。こうしたケースは税理士に頼むと楽です。
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わが家のケースは、相続に強い税理士に聞くのが近道
相続税がかかりそう、土地や自宅がある、相続人が多い、期限が近いといったケースでは、相続税に詳しい税理士に早めに相談すると安心です。税理士ドットコムなら、全国7,500名以上の登録税理士から相続に強い税理士を無料で紹介してもらえます。
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よくある質問
iDeCoの死亡一時金は遺産分割協議で分けられますか?
原則として分けません。受け取る人は確定拠出年金法の順位や本人の指定で決まります。ただし、5年間請求がなく受け取れる遺族がいないものとされた時は、相続財産として扱われます。
死亡一時金に非課税枠はありますか?
あります。相続人が受け取った分は、500万円 × 法定相続人の数まで非課税です。会社の死亡退職金と合わせた金額に対して使います。
内縁の妻(夫)も受け取れますか?
受け取れます。届出をしていない事実上の夫婦も、配偶者として第1順位になります。ただし相続人ではないので、相続税の非課税枠は使えず、2割加算の対象になります。
まとめ
- iDeCoの残高は死亡一時金として、指定された人か法律の順位の遺族が受け取る
- 指定が無ければ配偶者が最初。事実上の夫婦も含まれる
- 相続税では退職手当金等として扱われ、相続人が受け取れば500万円 × 法定相続人の数が非課税
- 配偶者と子1人・一時金1,200万円なら、加算されるのは200万円だけ
- 5年間請求しないと相続財産として扱われるので早めに請求する





