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『うちの相続って、誰が相続人になるんだろう』。家族の形がふつうと少し違うと、そこから分からなくなりますよね。
結論から言うと、相続のパターンは「配偶者と、子・親・兄弟姉妹のどれが組むか」で大きく3つに分かれます。この記事では、3つの型の見分け方と、型ごとに取り分や相続税がどう変わるかを見ていきます。
相続のパターンは本当に3つだけ?
相続のパターンは、配偶者と子/配偶者と親/配偶者と兄弟姉妹の3つが基本です。そこに「配偶者がいない」「配偶者だけ」という形を合わせると、実際には7通りになります。見分ける時は、子がいるか、親がいるか、兄弟姉妹がいるかの順に確かめるだけです。
相続人の決まり方は民法で決まっています。配偶者は常に相続人で、ほかの家族には順位があります。
| 順位 | 相続人になる人 | 亡くなっている場合 |
|---|---|---|
| 第1順位 | 子 | 孫が代わりに相続(代襲相続) |
| 第2順位 | 親(直系尊属) | 祖父母が相続 |
| 第3順位 | 兄弟姉妹 | 甥・姪まで代わりに相続 |
上の順位の人が1人でもいれば、下の順位の人は相続人になりません。例えば、子が1人でもいれば、親や兄弟姉妹は相続人にならないんです。
この順位と、配偶者がいるかどうかを組み合わせたのが、相続の型です。
わが家はどのパターン?見分け方の順番
見分け方は、上から順に質問に答えていくだけです。
- 亡くなった人に子(亡くなっていればその子=孫)はいる? いれば「子のパターン」
- 子がいなければ、親(いなければ祖父母)は健在? いれば「親のパターン」
- 親もいなければ、兄弟姉妹(亡くなっていれば甥・姪)はいる? いれば「兄弟姉妹のパターン」
- 1〜3の誰もいなければ、配偶者だけが相続人。配偶者もいなければ相続人がいないケース
- 最後に、配偶者がいるかどうかで取り分の型を決める

注意しておきたいのは、ここでいう子には、前の結婚の子や養子、認知された子も入ることです。戸籍を見て初めて分かることもあるので、確かめておきましょう。
内縁の配偶者は相続人になりません。籍を入れていない夫婦の場合は、パターンの判定から外れます。
もう1つ、相続放棄でパターンが変わることもあります。放棄した人は、初めから相続人でなかったことになるからです。
| ケース | 放棄する前のパターン | 放棄した後のパターン |
|---|---|---|
| 子2人が2人とも放棄した | 配偶者と子 | 配偶者と親(親がいなければ兄弟姉妹) |
| 子1人だけが放棄した | 配偶者と子 | 配偶者と子のまま(残った子だけで子の取り分) |
| 親が放棄した | 配偶者と親 | 配偶者と兄弟姉妹 |
『借金が多いから、子どもたちは放棄しておこう』と決めると、次の順位の親や兄弟姉妹に相続の話が回ります。放棄する時は、次に相続人になる家族にも伝えておきましょう。
ただ、相続税の基礎控除の人数は、放棄した人も含めて数えます。パターンが変わっても、基礎控除は放棄前の人数のままです。
パターンごとに取り分はどう変わる?
型が分かったら、法定相続分を見てみます。配偶者の取り分は、組む相手が下の順位になるほど増えていきます。
| パターン | 配偶者の取り分 | ほかの相続人の取り分 | 遺留分 | 2割加算 |
|---|---|---|---|---|
| 配偶者と子 | 2分の1 | 子全員で2分の1 | あり | なし |
| 配偶者と親 | 3分の2 | 親全員で3分の1 | あり | なし |
| 配偶者と兄弟姉妹 | 4分の3 | 兄弟姉妹全員で4分の1 | 兄弟姉妹にはなし | 兄弟姉妹にかかる |
| 子だけ | なし | 子全員で全部 | あり | なし |
| 親だけ | なし | 親全員で全部 | あり(全体で3分の1) | なし |
| 兄弟姉妹だけ | なし | 兄弟姉妹全員で全部 | なし | かかる |
| 配偶者だけ | 全部 | なし | あり | なし |
同じ順位の人が複数いれば、取り分は均等に分けます。ただ、父母の片方だけが同じ兄弟姉妹(半血)は、両親とも同じ兄弟姉妹の2分の1です。
家族の形ごとの家系図は、法定相続人の家族図10パターンでも確かめられます。
遺産6,000万円なら、パターンで相続税はいくら違う?
『パターンが違うと、税金も変わるの?』と気になりますよね。結論から言うと、かなり変わります。
遺産(課税価格の合計)6,000万円を、法定相続分どおりに分けたケースで比べてみました。
| パターン | 法定相続人の数 | 相続税の総額 | 各人の納付額 | 納付額の合計 |
|---|---|---|---|---|
| 配偶者と子2人 | 3人 | 120万円 | 配偶者0円・子30万円ずつ | 60万円 |
| 配偶者と親2人 | 3人 | 120万円 | 配偶者0円・親20万円ずつ | 40万円 |
| 配偶者と兄弟2人 | 3人 | 120万円 | 配偶者0円・兄弟18万円ずつ(2割加算) | 36万円 |
| 子2人だけ | 2人 | 180万円 | 子90万円ずつ | 180万円 |
| 兄弟2人だけ | 2人 | 180万円 | 兄弟108万円ずつ(2割加算) | 216万円 |

配偶者がいるパターンでは、配偶者の税額軽減で配偶者の分は0円になります。配偶者の取り分が大きいほど、ほかの家族が納める額は減るわけです。
一方、配偶者がいないと税額軽減が使えず、相続人が1人減るので基礎控除も600万円下がります。兄弟姉妹は2割加算もかかるので、兄弟2人だけのパターンが5つの中で最も重くなっています。
ここで気を付けたいのは、配偶者と子のパターンです。今回の相続で配偶者が多めに受け取ると、配偶者が亡くなった時の相続(二次相続)で子の税金が増えることがあります。
パターン別に、話し合いで揉めやすいところは?
型によって、遺産分割の話し合いで気を付けるところも違います。
| パターン | 話し合いの相手 | 揉めやすいところ |
|---|---|---|
| 配偶者と子 | 親子 | 自宅を誰が継ぐか、二次相続をどう考えるか |
| 配偶者と親 | 配偶者と義理の親 | 自宅や預金の分け方を義理の親と話すこと |
| 配偶者と兄弟姉妹 | 配偶者と義理の兄弟 | 疎遠な兄弟や甥・姪と連絡を取ること |
| 子だけ | 兄弟同士 | 実家の扱い、介護の貢献をどう見るか |
例えば、子のいない夫婦で夫が亡くなった場合、こんな会話になることがあります。
「夫の兄弟にも連絡しないといけないんですか?」「はい、兄弟姉妹も相続人なので、話し合いには全員の合意が要ります」
兄弟姉妹には遺留分がないので、「全財産を妻に」という遺言があれば、話し合いをしなくて済みます。子のいない夫婦は、生前に遺言を考えておくと安心です。
自分の家のパターンが分かったら、相続の全体図に書き込んでみてください。誰と何を話すかが見えやすくなります。
兄弟姉妹や甥・姪が相続人になって人数が多い家や、2割加算がかかる家、配偶者の取り分を二次相続まで含めて考えたい家は、税理士に試算してもらうと迷わずに済みます。
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よくある質問
子が先に亡くなっている場合は、どのパターンになりますか?
亡くなった子に子(孫)がいれば、孫が代わりに相続するので「子のパターン」のままです。孫もいなければ、その子の分は数えず、ほかの子がいるかで判断します。
両親が健在で、兄弟もいる場合は誰が相続人ですか?
子がいなければ、親が第2順位の相続人です。親が1人でも健在なら、兄弟姉妹は相続人になりません。配偶者がいれば、配偶者が3分の2、親全員で3分の1です。
甥・姪の子どもは相続人になりますか?
なりません。兄弟姉妹の代わりに相続できるのは甥・姪までで、甥・姪の子は代わりに相続しません。
まとめ
- 相続のパターンは、配偶者と子/親/兄弟姉妹の3つが基本で、配偶者の有無を合わせると7通り
- 見分け方は、子がいるか、親がいるか、兄弟姉妹がいるかの順に確かめる
- 配偶者の取り分は、子と組むと2分の1、親と組むと3分の2、兄弟姉妹と組むと4分の3
- 遺産6,000万円なら、納付額の合計は配偶者と子2人で60万円、兄弟2人だけで216万円(法定相続分どおり)
- 兄弟姉妹には遺留分がなく、2割加算がかかる





