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『相続の話を家族でしたいけど、何から話せばいいの?』。切り出し方も議題も分からないと、つい先延ばしにしてしまいますよね。
結論から言うと、家族会議の議題は「誰が相続人か」「何がどれだけあるか」「どう分けたいか」の3つから始めれば十分です。この記事では、会議を開く時期が違う2つのケースで、議題の例と揉めない進め方を見ていきます。
家族会議では何を話せばいい?
親が元気なうちに開く家族会議なら、議題は財産の一覧と親の希望を聞くことが中心です。親が亡くなった後の家族会議は、遺産分割の話し合いそのもので、相続人全員がそろって合意しないと決まりません。同じ「家族会議」でも、参加する人と決められることが変わります。
まずは、どんな議題があるかを一覧で見てみます。
- 誰が相続人になるか(前の結婚の子や養子がいないか)
- 財産の一覧(預金・自宅・株式・生命保険・借入金)
- 遺言書があるか、作る予定があるか
- 自宅を誰が引き継ぐか、売るか
- 介護をしている家族の負担をどう見るか
- 葬儀代など、立て替えたお金の精算方法
- 相続税がかかりそうか、申告の期限はいつか
- 銀行や役所の手続きを誰が窓口になって進めるか
全部を1回で話す必要はありません。1回目は「誰が相続人か」と「財産の一覧」だけでも、十分に意味があるんです。
親が元気なうちと、亡くなった後でどう違う?
家族会議を開く時期で、話せることがかなり違います。ここを分けて考えると、何を準備すればいいかが見えてきます。
| ケース | 参加する人 | 決められること | 揉めやすいところ |
|---|---|---|---|
| 親が元気なうちの家族会議(父・母・子2人) | 親と子 | 親の希望の確認、遺言を作るか | 「財産目当て」と受け取られること |
| 父が亡くなった後の話し合い(母・子3人) | 相続人全員 | 遺産をどう分けるか | 介護の負担、自宅の行方 |
| 両親とも亡くなった後の話し合い(子3人だけ) | 子全員 | 実家を売るか、誰が住むか | 空き家の管理費、売る時期 |
親が元気なうちの会議は、あくまで「親の考えを聞く場」です。財産をどう分けるかを子だけで決めても、法的な効力はありません。親の希望を形に残すなら、遺言書を作ってもらうことになります。
一方、亡くなった後の話し合いは、法律上の遺産分割協議です。相続人全員の合意が要るので、1人でも欠けると決まりません。
『兄が来ないなら、来た人だけで決めればいいよね?』と思うかもしれません。ただ、それでは協議が成り立たないんです。遠方の人には、電話や書面で内容を伝えて合意をもらう形でも大丈夫です。
揉めない家族会議の進め方は?
揉める家族会議の多くは、議題が決まっていないまま始まります。順番を決めておくだけで、話がそれにくくなります。
- 開く前に、議題と日時を全員に伝えておく
- 戸籍で相続人を確かめ、財産の一覧を紙1枚にまとめて配る
- 会議の冒頭で、今日決めることと決めないことを伝える
- 一人ずつ希望を話してもらい、途中で反論しない
- 決まったこと、持ち越すことを議事録に残す
- 議事録を全員に送り、次回の日程を決める

例えば、父が亡くなり、母と子3人が相続するケースで、長女が父の介護をしていたとします。
「私がずっと介護してきたのに、きょうだいで同じ割合なの?」「それは分かるけど、まずは財産の一覧を見てから話そうよ」
こんなふうに、気持ちの話と数字の話を分けるだけで、会議の空気は変わります。介護の貢献は、相続人なら寄与分として話し合いで考慮を求める道があります。
ただし、2023年4月1日施行の改正民法で、相続開始から10年を過ぎると寄与分や特別受益は主張できなくなります。話し合いを先送りしすぎないようにしておきましょう。
親にどう切り出せばいい?
親が元気なうちの会議で難しいのが、最初のひと言ですよね。『財産の話をしたら、嫌な顔をされそう』とためらう方も多いはずです。
切り出す時は、お金の話より「困らないための準備」として伝えるのがコツです。例えばこんな言い方があります。
「もしもの時に、通帳や保険がどこにあるか分からないと困るから、一度みんなで確認しておかない?」
この形なら、分け方を決める場ではなく、情報を共有する場だと伝わります。親が自分の希望を話し始めたら、子は口を挟まずに聞いておきましょう。
遠方に住むきょうだいがいる場合は、ビデオ通話で参加してもらう方法もあります。後から「聞いていない」と言われないことが、何より大事なんです。
財産の一覧は誰が作る?
一覧は、通帳や固定資産税の通知書を最もそろえやすい人が作るのが現実的です。作った人が全部を決めるわけではないと、最初に伝えておくと安心です。
自宅の相続まで含めた全体の見取り図は、相続の全体図の作り方を使うと、1枚にまとめやすくなります。
議事録には何を残せばいい?
家族会議の議事録には決まった書式はありません。ただ、後で『そんな話はしていない』とならないように、次の項目は残しておきましょう。
| 項目 | 書き方の例 |
|---|---|
| 日時・場所・参加者 | 参加しなかった相続人の名前も書く |
| 確かめた相続人 | 母、長男、長女、次男の4人 |
| 財産の一覧 | 配った資料の日付を書いておく |
| 決まったこと | 自宅は母が住み続ける方向で考える |
| 持ち越したこと | 預金の分け方は次回に話す |
| 次回の予定 | 日時と、それまでに誰が何を調べるか |
議事録はあくまで話し合いのメモです。遺産の分け方がまとまったら、相続人全員が署名・押印する遺産分割協議書を作ります。銀行や相続登記では、こちらを使います。
話し合いがどうしてもまとまらない時は、家庭裁判所の調停、それでも決まらなければ審判へ進む道もあります。
期限がある議題は先に話しておく
遺産分割そのものに法律上の期限はありません。とはいえ、相続の手続きには期限があるものがあります。家族会議では、こちらを先に話しておくのがコツです。
| 議題 | 期限 | 誰が関わるか |
|---|---|---|
| 相続放棄をするか | 相続を知った時から3か月以内 | 放棄したい相続人 |
| 準確定申告 | 4か月以内 | 相続人 |
| 相続税の申告・納付 | 10か月以内 | 遺産をもらう人 |
| 相続登記 | 不動産の取得を知った日から3年以内 | 不動産を取得した人 |
相続税がかかるかどうかは、基礎控除と比べれば目安がつきます。母と子3人のケースなら法定相続人は4人で、基礎控除は3,000万円+600万円×4人の5,400万円です。
人数ごとの金額は基礎控除の人数別早見表で確かめられます。お金の動く時期は相続で動くお金の流れも参考にしてください。
遺産が基礎控除を超えそうな家や、自宅の分け方で相続税が変わりそうな家は、税理士に入ってもらうと家族会議で数字の話がしやすくなります。
税理士ドットコム
わが家のケースは、相続に強い税理士に聞くのが近道
相続税がかかりそう、土地や自宅がある、相続人が多い、期限が近いといったケースでは、相続税に詳しい税理士に早めに相談すると安心です。税理士ドットコムなら、全国7,500名以上の登録税理士から相続に強い税理士を無料で紹介してもらえます。
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よくある質問
家族会議に相続人でない家族(子の配偶者など)が参加してもいいですか?
同席すること自体は禁止されていません。ただ、遺産分割の合意をするのは相続人です。発言が増えると話がこじれることもあるので、事前に参加者を決めておきましょう。
親が元気なうちに家族会議を開くのは失礼ではないですか?
切り出し方しだいです。「何かあった時に困らないように」と、手続きの準備として話すと受け入れてもらいやすくなります。
議事録に押印は必要ですか?
議事録に押印の決まりはありません。正式な合意は遺産分割協議書で、相続人全員が署名・押印して作ります。
まとめ
- 家族会議の議題は「誰が相続人か」「何がどれだけあるか」「どう分けたいか」から始める
- 親が元気なうちは希望を聞く場、亡くなった後は相続人全員で決める場
- 議題と順番を先に伝え、気持ちの話と数字の話を分ける
- 議事録は話し合いのメモで、正式な合意は遺産分割協議書
- 相続放棄3か月・相続税10か月など、期限のある議題を先に話す




