内縁の夫が亡くなったとき受け取れるお金と受け取れないお金

内縁の夫が亡くなった時に妻が受け取れるお金と受け取れないお金を解説する記事のアイキャッチ

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長年いっしょに暮らしてきた内縁の夫が亡くなった。『籍は入れていなかったけれど、私は何も受け取れないの?』と不安になりますよね。

結論から言うと、内縁の妻は相続人ではないので、遺言が無ければ夫の預貯金や自宅を相続することはできません。ただ、遺族年金や、受取人に指定されていた死亡保険金のように、相続とは別ルートで受け取れるお金もあります。

この記事では、内縁の夫が亡くなった時に受け取れるお金と受け取れないお金を、ケースごとに確認できます。

目次

内縁の夫が亡くなったら、受け取れるお金はどれ?

このケースの結論

内縁の妻が受け取れる可能性があるのは、遺族年金・死亡保険金(受取人が自分の場合)・遺言で残された財産の3つです。遺言が無いまま夫が亡くなると、預貯金や自宅は夫の子・親・兄弟姉妹といった相続人のものになります。受け取れるかどうかは「籍の有無」より「事前に何を用意していたか」で決まります。

まずは全体を一覧で見てみましょう。

お金の種類内縁の妻は受け取れる?理由・注意
夫の預貯金・自宅(遺言なし)受け取れない内縁の配偶者は法律上の相続人ではない
遺言で残された財産(遺贈)受け取れる相続税は2割加算。夫の子や親がいれば遺留分に注意
死亡保険金(受取人が内縁の妻)受け取れる受取人固有のお金。相続税の非課税枠は使えない
遺族年金要件を満たせば受け取れる事実婚関係と生計維持の証明が必要
相続人がいない時の財産申立てで受け取れることがある家庭裁判所に特別縁故者として財産分与を申し立てる

『え、何十年も一緒だったのに預金は1円も?』と思った方も多いはずです。ここが法律婚との大きな違いなんです。

内縁の夫が亡くなった時に、遺言の有無と相続人の顔ぶれで内縁の妻が受け取れるお金が変わる分岐表

遺族年金は内縁の妻でも受け取れる?

実は、遺族年金は内縁の妻も対象になり得ます。日本年金機構の案内では、遺族年金の「配偶者」には、婚姻の届出はしていないが事実上婚姻関係と同様の事情にある人(内縁の配偶者)も含まれるとされています。

ただし、何もしなくても認められるわけではありません。事実婚関係にあったことと、夫に生計を維持されていたことを書類で示す必要があります。

例えば、こんな書類が証明に使われます。

  • 住民票(同じ住所に住んでいたことが分かるもの)
  • 健康保険の被扶養者になっていたことが分かる資料
  • 「事実婚関係及び生計同一関係に関する申立書」(第三者の証明欄あり)

必要な書類は状況で変わるので、詳しくは日本年金機構の遺族年金ガイドで確認してみてください。

なお、遺族年金は相続税の対象外で、所得税もかかりません。受け取る権利があるかどうかは、早めに年金事務所で相談しておきましょう。

死亡保険金や遺言で受け取ると相続税はどうなる?

死亡保険金の受取人に内縁の妻が指定されていれば、保険金は妻が受け取れます。ただ、税金の扱いは法律上の妻と違います。

法律上の配偶者なら使える「500万円 × 法定相続人の数」の非課税枠は、相続人が受け取った分だけが対象です。内縁の妻は相続人ではないので、この枠は使えません。

さらに、配偶者の税額軽減も使えず、税額は2割加算になります。同じ財産を受け取っても、法律婚との差が大きく出るところです。

例えば、夫の財産の課税価格の合計が6,000万円で、夫の相続人が兄弟2人、遺言で全部を妻に残したケースを比べてみます。

ケース法定相続人と基礎控除妻の納付額理由・注意
内縁の妻が遺言で全部を受け取る兄弟2人・4,200万円216万円相続税の総額180万円に2割加算
法律上の妻が全部を相続する妻と兄弟2人・4,800万円0円配偶者の税額軽減で0円。申告は必要

内縁の妻は相続人の数に入らないので、基礎控除も小さくなります。『税金がかかるなんて思わなかった』という声が出やすいところなので、受け取る金額が大きい時は早めに計算しておきましょう。

遺言が無い場合、夫の財産はどこへ行く?

遺言が無ければ、夫の財産は法律で決まった相続人が引き継ぎます。誰が相続人になるかで、内縁の妻の立場も変わります。

夫の家族のケース財産を相続する人内縁の妻にできること
前妻との間に子がいる子子との話し合いで分けてもらうしかない
子がおらず親が健在親同じく、親との話し合い
子も親もおらず兄弟姉妹がいる兄弟姉妹(亡くなっていれば甥姪)同じく、兄弟姉妹との話し合い
相続人が誰もいない相続財産清算人が管理特別縁故者として家庭裁判所に財産分与を申し立てる

『話し合いで分けてもらう』と言っても、相続人に分ける義務はありません。だからこそ、生前の遺言が大切なんです。

例えば、夫の兄弟から「長年世話になったから」と言ってもらえる場合もあれば、「法律どおりに」と言われる場合もあります。どちらになるかは、相続人との関係しだいなんです。

相続人がいない場合の特別縁故者の申立ては、相続財産清算人が選ばれた後の手続きになります。いっしょに暮らしていたことや、療養の世話をしていたことを示す資料を手元に残しておきましょう。

もし今、内縁の夫が元気でこれから備えたいという段階なら、遺言書と保険金の受取人の指定を見直しておくのが近道です。

夫に前妻の子がいる場合の手続きは、前妻の子と連絡が取れない場合の相続手続きも参考になります。子どもがいない夫婦の相続割合の基本は、子供がいない夫婦で夫が亡くなった時のケース別の相続割合で確認できます。

内縁の夫が亡くなった後、妻がやっておくこと

亡くなった直後は、気持ちの整理もつかないですよね。ただ、期限のあるものから順に手を付けておくと、受け取れるはずのお金を逃しにくくなります。

内縁の妻が確認しておきたいこと
  • 遺言書が残っていないか(自宅・法務局の保管制度・公証役場)
  • 自分が受取人になっている死亡保険金がないか
  • 遺族年金の請求に使える書類(住民票・被扶養者の資料)がそろうか
  • 夫の相続人が誰か(子・親・兄弟姉妹)
  • 遺言で受け取る財産があるなら、相続税の申告が要るか(期限は死亡を知った日の翌日から10か月以内)

自筆の遺言書が見つかった時は、家庭裁判所の検認が必要です。法務局の保管制度を使っていた遺言書なら検認は要りません。

遺言で財産を受け取る時は、夫の子や親から遺留分を請求されることもあります。兄弟姉妹には遺留分がないので、相続人が兄弟だけなら遺言の内容がそのまま通りやすいです。

遺言で受け取る財産が多い、夫の相続人と話し合う必要がある、という時は、相続税の計算と申告を税理士に任せると負担がぐっと減ります。要件や税額は個別に違うので、まずは状況を伝えて相談してみてください。

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相続税がかかりそう、土地や自宅がある、相続人が多い、期限が近いといったケースでは、相続税に詳しい税理士に早めに相談すると安心です。税理士ドットコムなら、全国7,500名以上の登録税理士から相続に強い税理士を無料で紹介してもらえます。

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よくある質問

内縁の妻は夫の財産を相続できますか?

法律上の相続人ではないので、遺言が無ければ相続できません。遺言で残してもらう(遺贈)か、相続人がいない場合に特別縁故者として家庭裁判所に財産分与を申し立てる方法があります。

内縁の妻でも遺族年金はもらえますか?

日本年金機構の案内では、遺族年金の配偶者には内縁の配偶者も含まれます。ただし、事実婚関係と生計維持を書類で示す必要があります。受け取れるかは年金事務所で確認してみてください。

内縁の妻が受け取った死亡保険金に相続税はかかりますか?

相続税の対象になります。相続人ではないため、500万円 × 法定相続人の数の非課税枠は使えず、税額は2割加算です。基礎控除以下なら税金はかかりません。

まとめ

この記事の要点
  • 内縁の妻は相続人ではなく、遺言が無ければ預貯金や自宅は相続できない
  • 遺族年金は事実婚関係と生計維持を示せば受け取れることがある
  • 死亡保険金や遺贈で受け取ると、非課税枠・配偶者の税額軽減は使えず2割加算になる
  • 相続人が誰もいない時は、特別縁故者として財産分与を申し立てる道がある
相続ケース案内

相続ケース案内 編集部

家族構成や財産の状況ごとに、相続・相続税がどうなるかを公的機関の公開情報をもとに解説しています。 公式サイト

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