市街化調整区域の土地を相続したら?売れない時の対処と評価

市街化調整区域の土地を相続した時の評価と売れない時の対処を解説する記事のアイキャッチ

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親の実家が市街化調整区域にあって、不動産会社に「売りにくいですね」と言われた。『売れない土地を相続したら、ずっと持ち続けるしかないの?』と不安になる方も多いはずです。

結論から言うと、市街化調整区域の土地も相続税の対象で、相続登記も要ります。ただ、売り方を変える、国に引き取ってもらう、相続放棄する、という道があります。

この記事では、市街化調整区域の土地や、再建築不可・事故物件などの訳あり物件を相続したケースごとに、評価と対処を見ていきます。

目次

市街化調整区域の土地を相続したらどうなる?

このケースの結論

市街化調整区域の土地は、原則として新しく家を建てにくいため売りにくくなります。それでも相続税の評価や相続登記の義務は通常の土地と同じです。売れない時は、隣の人や買取業者への売却、建物を取り壊したうえで相続土地国庫帰属制度、ほかに財産が少なければ相続放棄、の順で考えてみてください。

市街化調整区域は、街が広がりすぎないように、建物を建てることを抑えている地域です。家を建て替えたり新しく建てたりするには、許可が要る場面が多いんです。

だから買い手が限られ、売りにくくなります。ただ、相続の場面では次のように扱われます。

項目市街化調整区域の土地理由・注意
相続税の対象か対象になる売りにくくても財産として数える
評価の方法倍率方式が多い固定資産税評価額 × 倍率。市街化区域より低めに出やすい
相続登記3年以内に必要怠ると10万円以下の過料のおそれ
売却できるが買い手が限られる建て替えの許可が取れるかで値段が大きく変わる

売る前に市町村で確かめておきたいこと

調整区域の家でも、建てた時の経緯や土地の条件によっては、建て替えや用途の変更が認められることがあります。逆に、許可が取れない土地だと、買い手は資材置き場や家庭菜園として使いたい人などに絞られます。

どちらに当たるかで、売り値も売り先もまるで変わります。不動産会社に査定を頼む前に、市町村の都市計画や開発許可の窓口で、その土地で何ができるかを聞いておくと話が早いですよ。

市街化調整区域の土地を相続した時に、売る・国に引き取ってもらう・相続放棄のどれを選ぶかで条件が分かれる様子を示した分岐表

調整区域の土地の評価はどう決まる?

市街地の土地は路線価方式、それ以外は倍率方式で評価します。市街化調整区域の土地は、倍率方式で評価されることが多いです。

『売れないのに、高く評価されたら困る』と思いますよね。調整区域の土地は、もともと固定資産税評価額が低めのことが多く、評価も控えめに出やすいんです。

例えば、子1人が預金3,000万円と実家を相続するケースで考えてみます。基礎控除は3,600万円です。

ケース実家(土地と建物)の評価課税価格の合計相続税
市街化調整区域の実家500万円3,500万円0円(申告不要)
市街化区域の実家1,200万円4,200万円60万円

同じ広さの家でも、場所しだいで相続税がかかるかどうかが分かれることがあります。数字は例なので、実際の評価は固定資産税の課税明細書と国税庁の評価倍率表で確認してみてください。

農地や山林、資材置き場のような雑種地は、評価の仕方がまた違います。農地の場合は農地を相続したら相続税はいくら?で詳しく見られます。

再建築不可・事故物件など、訳あり物件の種類別の対処

ここが大事なところです。「売れない土地」と一口に言っても、理由によって打てる手が違います。

訳ありの種類売れる?対処の例
市街化調整区域買い手が限られる建て替えの許可が取れるか市町村に確認。隣地の人や買取業者に相談
再建築不可(道路に接していない等)安くなりやすい隣地の人に買ってもらう、道路に接する土地と一緒に売る
違法建築ローンが組みにくい現金で買う人や買取業者に相談。是正できるか確認
事故物件告知が必要な場合がある国土交通省のガイドラインを踏まえて不動産会社と相談
ゴミ屋敷片付ければ売れることも相続放棄を考えるなら、片付けや処分の前に判断する
公衆用道路(私道部分)単独では売りにくい家と一緒に相続・売却する。評価が下がる扱いもある
原野商法で買った山林などほぼ売れない国庫帰属や相続放棄を検討。「買い取ります」という勧誘に注意

事故物件の告知はどこまで?

事故物件を売る時に気になるのが告知義務ですよね。国土交通省の人の死の告知に関するガイドラインでは、自然死や日常生活の中での不慮の死(転倒事故など)は、原則として告げなくてよいとされています。

それ以外のケースは、告知が必要になることがあります。判断は不動産会社と相談しながら進めてみてください。

ゴミ屋敷や原野は、相続放棄を考えるなら手を付けない

借金があったり、売れない土地しかなかったりして、相続放棄を考えることもあります。その場合、家財を売ったり処分したりすると、相続を認めたとみなされることがあるので注意しておきましょう。

放棄の期限は、相続の開始を知った時から3か月以内です。放棄しても、今その土地を管理している人は、次の人に引き渡すまで保存する義務があります。

売れない時は国に引き取ってもらえる?

相続土地国庫帰属制度を使えば、相続した土地を国に引き取ってもらえることがあります。2023年4月27日に始まった制度です。

例えば、兄弟でこんな会話になることもあります。

「誰も住まないし、売れないなら国に返せないかな」
「建物があるとダメらしいよ。まず解体しないと」

相続土地国庫帰属制度の主なポイント
  • 相続や遺贈で土地を取得した人が申請できる
  • 建物がある土地、担保権が付いた土地などは申請できない
  • 審査手数料は土地1筆14,000円
  • 承認されたら負担金を納める(原則20万円。宅地や農地の一部は面積で算定)

『建物を壊すお金もかかるのに…』という方もいます。解体費用と負担金を払っても手放した方がいいかは、毎年の固定資産税や管理の手間と比べて考えてみてください。

調整区域の土地のほかにも財産があって相続税の申告が要りそう、評価が妥当か分からない、放棄するか持ち続けるか迷っている、というケースは税理士に相談すると楽です。

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相続税がかかりそう、土地や自宅がある、相続人が多い、期限が近いといったケースでは、相続税に詳しい税理士に早めに相談すると安心です。税理士ドットコムなら、全国7,500名以上の登録税理士から相続に強い税理士を無料で紹介してもらえます。

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名義が親のままの家をどうするかは相続せずに解体や売却はできるか、不動産を相続した時の全体の流れは不動産を相続したら何から始めるかで確認できます。

よくある質問

市街化調整区域の土地は相続税がかかりますか?

かかります。売りにくくても相続財産として数えます。評価は倍率方式になることが多く、ほかの財産と合わせて基礎控除を超えるかで、申告と納税が要るかが決まります。

市街化調整区域の実家は売却できますか?

売却はできますが、買い手が限られます。建て替えの許可が取れるかで値段が大きく変わるので、まず市町村に確認し、隣地の人や買取業者にも相談してみてください。

売れない土地だけ相続放棄できますか?

できません。相続放棄はすべての財産を手放す手続きです。土地だけ手放したい時は、要件を満たせば相続土地国庫帰属制度を使う方法があります。

まとめ

この記事の要点
  • 市街化調整区域の土地も相続税の対象で、相続登記は3年以内の義務
  • 評価は倍率方式が多く、市街化区域より低めに出やすい
  • 再建築不可・事故物件・ゴミ屋敷など、訳ありの理由ごとに対処が違う
  • 売れない時は、建物を壊したうえで相続土地国庫帰属制度を使う道がある
  • 相続放棄を考えるなら、処分や片付けの前に判断する
相続ケース案内

相続ケース案内 編集部

家族構成や財産の状況ごとに、相続・相続税がどうなるかを公的機関の公開情報をもとに解説しています。 公式サイト

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