相続せずに解体や売却はできる?名義が親のままの家のケース

名義が親のままの実家を相続せずに解体・売却できるかを解説する記事のアイキャッチ

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親が亡くなって、誰も住まなくなった実家。登記簿を見たら名義は親のままです。『名義を変えるのは面倒だし、相続せずにこのまま解体や売却ができないかな』と考える方も多いはずです。

結論から言うと、解体は名義が親のままでも進められます。ただ、売却は相続登記をしないとできません。

この記事では、名義が親のままの家について、解体・売却・相続放棄のケースごとに何ができて何ができないかを見ていきます。

目次

名義が親のままの家、相続せずに解体や売却はできる?

このケースの結論

名義が親のままでも、相続人全員が同意すれば家の解体はできます。一方、家や土地を売るには、先に相続登記で名義を相続人に移す必要があります。相続放棄を考えているなら、解体も売却もしないでおきましょう。

まず押さえておきたいのは、親が亡くなった時点で、家と土地はもう相続人のものになっているということです。登記は「誰のものか」を公に示す手続きなので、名義を変えていなくても持ち主は相続人なんです。

ここから、やりたいことごとに結論が分かれます。

ケースできる?理由・注意
親名義のまま建物を解体するできる相続人全員の同意が要る。取り壊したら建物の滅失登記をする
親名義のまま家や土地を売るできない買主へ名義を移す前に、相続登記で相続人の名義にする
解体してから更地で売る解体は先にできる売る段階で土地の相続登記が要る
相続放棄を考えているしない方がいい解体や売却は財産の処分になり、放棄できなくなることがある
名義は変えずに放置おすすめしない相続登記は3年以内の義務。怠ると10万円以下の過料のおそれ
名義が親のままの家で、解体・売却・相続放棄のどれを選ぶかによって必要な手続きが分かれる様子を示したケース別の分岐表

解体だけなら相続登記の前でも進められる?

進められます。解体業者と契約するのに、登記簿の名義を相続人に変えておく決まりはありません。

ただ、家は相続人みんなのもの、という点は忘れないでおきましょう。兄弟がいるなら、全員が「壊していい」と同意していることが前提です。

例えば、こんなやり取りがよくあります。

「古いし危ないから、もう壊しちゃおうか」
「待って。お兄ちゃんにも聞いてからにしよう」

一人で決めて取り壊すと、後から「思い出の家を勝手に壊された」ともめる原因になりかねません。同意は書面に残しておくと安心です。

取り壊したら、建物の滅失登記をします。滅失登記には申請の期限があるので、解体が終わったら早めに法務局へ相談してみてください。

相続放棄を考えているなら解体はしない

ここが大事なところです。借金が多くて相続放棄を考えている場合、家を壊すと「財産を処分した」と見られ、放棄できなくなることがあります。

『危ないから壊しただけなのに?』と思いますよね。それでも、相続財産に手を加える行為は慎重に考えておきましょう。放棄の期限は、相続の開始を知った時から3か月以内です。

相続せずに売却はできない?名義が親のままだと止まる理由

売却は、相続登記をしないと進みません。買主に名義を移すには、売る人が登記簿上の持ち主になっている必要があるからです。

『不動産会社に頼めば、何とかしてくれるのでは?』という方もいます。実際は、相続物件の買取でも仲介でも、売買の前か同時に相続登記を済ませる流れになります。

売るまでの流れ

親名義の家を売るまで
  1. 戸籍を集めて、相続人が誰かを確定する
  2. 相続人全員で遺産分割協議をして、誰が家を相続するか決める
  3. 法務局で相続登記をして、名義を相続人に移す
  4. 不動産会社に査定を頼み、売り方(仲介・買取)を決める
  5. 売買契約・引き渡しをして、売却代金を分ける

相続人が何人もいて、売ったお金で分けたい時は「換価分割(換価相続)」という分け方があります。代表者の名義で登記して売り、代金を取り決めどおりに分ける方法です。

建て替えやリースバックも、まず名義を移してから

『売らずに建て替えて住みたい』『売っても住み続けられるリースバックはどう?』という相談もあります。どちらも、相続登記が先になる点は売却と同じです。

建て替えで住宅ローンを組む時は、土地に担保を付けるため、名義が相続人になっていないと話が進みません。リースバックも売買の一種なので、名義が親のままでは契約できないんです。

戸籍の束の代わりに使える「法定相続情報一覧図の写し」は、法務局で無料でもらえます。登記にも銀行にも使えるので、早めに取っておくと楽になりますよ。

空き家の3,000万円控除を使うなら売り方に注意

相続した実家を売って利益が出ると、譲渡所得に税金がかかります。そこで知っておきたいのが、空き家の3,000万円特別控除です。

使える主な条件は、次のとおりです。

空き家の3,000万円控除の主な条件
  • 1981年(昭和56年)5月31日以前に建てられた家であること
  • 亡くなる直前に、親が一人で住んでいた家であること
  • 相続した人が売ること(だから相続登記が前提になる)
  • 相続の開始から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ること
  • 売却代金が1億円以下であること
  • 2027年12月31日までの売却であること

家を壊して更地で売る形でも使えます。その場合、相続から取り壊しまで、誰かに貸したり住んだりしていないことが条件です。家を相続した人が3人以上だと、控除は1人2,000万円までになります。

詳しい条件は国税庁の被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例で確認できます。

ケースで比べると、こうなります。

ケース3,000万円控除理由・注意
1981年5月以前の家を、相続した子が壊して更地で売る使える可能性あり取り壊しまで貸していないことなどが条件
相続後に一時的に人に貸してから売る使えない相続から売却まで貸付けに使っていないことが条件
相続から4年後の秋に売る期限切れのおそれ3年を経過する日の属する年の12月31日まで

なお、売る時の取得費や取得時期は親から引き継ぎます。相続税を納めた人は、相続税の申告期限の翌日から3年以内に売れば取得費加算の特例もありますが、3,000万円控除とは一緒に使えません。

名義の変更・解体・売却・税金の特例と、やることが多いですよね。相続人が複数いる、相続税の申告も必要そう、特例の期限が近い、というケースは税理士に相談すると楽です。

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わが家のケースは、相続に強い税理士に聞くのが近道

相続税がかかりそう、土地や自宅がある、相続人が多い、期限が近いといったケースでは、相続税に詳しい税理士に早めに相談すると安心です。税理士ドットコムなら、全国7,500名以上の登録税理士から相続に強い税理士を無料で紹介してもらえます。

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実家を相続した時の全体の流れは不動産を相続したら何から始めるか、住む・貸す・売るの比べ方は住宅を相続したら最初にやることで確認できます。名義変更前の固定資産税は亡くなった年の固定資産税は誰が払うかも参考にしてみてください。

よくある質問

親名義のままの家を解体するのに、相続人全員の同意は要りますか?

要ります。名義が親のままでも、家は相続人全員のものになっています。一人で判断せず、全員の同意を書面に残してから進めておきましょう。

相続登記をせずに家を売る方法はありますか?

ありません。買主へ名義を移すには、売る人が登記簿上の持ち主になっている必要があります。売却の前か同時に相続登記を済ませます。

相続放棄をする予定でも、危ない空き家は解体していいですか?

慎重に考えてください。解体は財産の処分と見られ、相続放棄ができなくなることがあります。放棄を考えているなら、解体する前に専門家に相談してみてください。

まとめ

この記事の要点
  • 名義が親のままでも、相続人全員の同意があれば解体はできる
  • 売却は相続登記をしないとできない。登記は3年以内の義務
  • 相続放棄を考えているなら、解体も売却もしない
  • 空き家の3,000万円控除は相続した人が売ることが前提。売却の期限に注意
  • 相続人が多い時は換価分割で、売ったお金を分ける方法もある
相続ケース案内

相続ケース案内 編集部

家族構成や財産の状況ごとに、相続・相続税がどうなるかを公的機関の公開情報をもとに解説しています。 公式サイト

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