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母の遺品を片付けていたら、引き出しから指輪やネックレスがいくつも出てきた。『形見だし、申告なんて要らないよね』と迷う方も多いはずです。
結論から言うと、宝石も相続税の財産に入ります。ただ、申告が要るかは宝石だけでなく、ほかの財産と合わせた合計で決まります。この記事では、形見として持つ場合と売る場合で、どんな税金が関わるかを見ていきます。
母の宝石は相続税の申告に書く必要がある?
宝石は「一般動産」として、売買の実例価格や専門家の意見価格などを参考に評価します。形見として手元に残しても、相続税の財産に入ることは変わりません。財産全体が基礎控除以下なら申告は不要、超えるなら宝石も申告書に載せます。売った時は、1個または1組30万円を超える宝石なら所得税の対象になります。
宝石の評価のルールは、国税庁の財産評価基本通達の一般動産の評価に書かれています。
動産は1個または1組ごとに評価するのが原則です。家庭用の動産で1個または1組の価額が5万円以下のものは、一世帯ごとにまとめて評価することもできます。
つまり、普段使いのアクセサリーは「家庭用財産」としてまとめて、高価な指輪は1点ずつ、という分け方になるんです。
形見で持つか、売るか。税金はどう変わる?
ここが大事なところです。持つか売るかで、関わる税金が変わります。
| ケース | 相続税 | 所得税 | 理由・注意 |
|---|---|---|---|
| 形見として家族が持ち続ける | 財産に入る(評価額で計上) | かからない | 合計が基礎控除以下なら申告不要 |
| 1個30万円以下の宝石を売る | 財産に入る | かからない | 生活用動産の売却として非課税 |
| 1個または1組30万円超の宝石を売る | 財産に入る | 譲渡所得の対象 | 売った値段がそのまま利益になるわけではない |
| 申告前に買取店で売って現金にした | 財産に入る | 上と同じ | 売った値段は評価の参考になる |

売った時の所得税のルールは、国税庁のNo.3105 譲渡所得の対象となる資産と課税方法にあります。家具や衣服など生活に必要な動産の売却は課税されません。ただ、貴金属や宝石で1個または1組30万円を超えるものは除かれます。
例えば、こんなやり取りがよくあります。
「この指輪、買取店で査定したら40万円だって」
「1個で30万円を超えるなら、売った年の確定申告が要るかもしれないね」
『売った値段がそのまま税金の対象になるの?』と心配になりますよね。実際は、母が買った時の値段などを差し引いて計算します。買った時の記録がない場合の扱いも含めて、税理士に確認してみてください。
申告が要るかはどこで分かれる?子3人のケースで比べる
例えば、父はすでに亡くなっていて、母が亡くなり子3人が相続するケースです。法定相続人は3人なので、基礎控除は4,800万円です。
自宅と預金で4,700万円あり、そこに宝石が加わるとします。宝石の評価額は合計300万円と仮定します。
| ケース | 課税価格の合計 | 納付額の合計 | 理由・注意 |
|---|---|---|---|
| 自宅と預金だけ | 4,700万円 | 0円(申告不要) | 基礎控除4,800万円以下 |
| 宝石300万円が加わる | 5,000万円 | 19万9,800円(子1人6万6,600円) | 課税遺産総額200万円 |
宝石だけ見れば小さな金額でも、合計が基礎控除を超えれば申告が要ります。表の300万円は流れを見せるための仮の数字です。
人数ごとの基礎控除は相続人の人数別の基礎控除早見表で確かめられます。
宝石の相続は税務署にばれる?ばれない?
『家の中にある物だし、言わなければ分からないのでは』と思う方もいるかもしれません。
ただ、国税庁の令和6事務年度の相続税の実地調査は9,512件で、申告漏れなどが見つかった割合は82.3%でした。1件当たりの追徴税額は867万円です。
買取店で売った記録や、母の通帳からの宝石店への支払いは、あとからでも残ります。記念硬貨や金貨も同じく財産に入るので、見つけたら一覧に加えておきましょう。
- 宝石・貴金属の一覧と写真(指輪、ネックレス、時計など)
- 買取店や鑑定の査定書
- 母が買った時のレシートや保証書
- 預金・自宅など、ほかの財産の一覧
骨董品や美術品も一緒にある時は、骨董品と家財道具をまとめて評価するケースも参考になります。
高価な宝石がいくつもある、売るか残すかを兄弟で決めかねている、合計が基礎控除の近くにある、というケースは税理士に頼むと楽です。評価の仕方が自分のケースに当てはまるかは、税理士に確認しておきましょう。
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よくある質問
形見として持っておく宝石にも相続税はかかりますか?
相続税の財産には入ります。ただし、ほかの財産と合わせた合計が基礎控除以下なら申告は不要で、税金もかかりません。
相続した宝石を売ったら税金はかかりますか?
1個または1組の価額が30万円を超える宝石や貴金属を売った時は、譲渡所得として所得税の対象になります。30万円以下の生活用の動産なら課税されません。
宝石の相続税評価はどう決めますか?
売買の実例価格や専門家の意見価格などを参考に評価します。買取店や鑑定の査定書を取っておくと、評価額を説明しやすくなります。
まとめ
- 母の宝石も一般動産として相続税の財産に入る
- 評価は売買の実例価格や専門家の意見価格などを参考にする
- 1個5万円以下の家庭用の動産は、まとめて評価できる
- 1個または1組30万円超の宝石を売ると所得税の対象になる
- 子3人で自宅と預金4,700万円に宝石300万円が加わると、納付額は19万9,800円になる





