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親が亡くなったあとで借金があると分かり、相続放棄を考えている。『弁護士に頼まないとダメなの?費用をかけずに済ませたい』と迷っている方も多いはずです。
結論から言うと、期限内で家族ともめていないなら、弁護士なしで進められることがほとんどです。この記事では、弁護士が要るケースと要らないケースの境目を、状況別に見ていきます。
弁護士に頼むべきか、まずどこで分かれる?
親が亡くなって2か月、借金があると分かっていて、兄弟とももめていない。このケースなら、家庭裁判所への申述は自分か司法書士の手伝いで足ります。弁護士が向くのは「3か月を過ぎてから借金が分かった」「債権者から請求や訴えが来ている」「遺品や車をすでに処分した」といった、判断や交渉が要るケースです。
相続放棄は、亡くなった人の最後の住所地の家庭裁判所に申述する手続きです。期限は、自分のために相続が始まったと知った時から3か月以内です。
費用は申述人1人につき収入印紙800円と、連絡用の郵便切手です。これに戸籍謄本などの取得費がかかります。
書類をそろえて出すだけなら、手続き自体はそれほど複雑ではないんです。ただ、次のような事情が1つでもあると、話が変わってきます。
| ケース | 弁護士の必要度 | 理由・注意 |
|---|---|---|
| 期限内・借金が明らか・家族ともめていない | 低い | 自分で申述するか、書類作成を司法書士に頼めば足りる |
| 借金の総額が分からず、3か月では調べきれない | 中くらい | 期間伸長の申立てや限定承認も選択肢になる |
| 3か月を過ぎてから督促状が届いた | 高い | 期限を過ぎた事情を説明できるかが分かれ目になる |
| 債権者から請求・訴えが来ている | 高い | 代理人として相手とやり取りできるのは弁護士 |
| 車や家財を売った・捨てた・預金を使った | 高い | 単純承認とみなされるおそれがあり、事情の説明が要る |
| 放棄すると叔父・叔母に借金が回る | 中くらい | 次の順位の人への連絡や調整で関係がこじれやすい |

期限が過ぎた・督促が来た時は、なぜ弁護士なの?
『もう3か月過ぎちゃった。今からでも放棄できるの?』と焦っている方もいますよね。
実は、3か月の数え始めは「亡くなった日」とは限りません。借金があると知らなかった事情があれば、知った時から数えると判断されることもあります。
ただ、それが認められるかは家庭裁判所の個別の判断です。なぜ今まで知らなかったのか、いつ何で知ったのかを、筋の通った形で書面にまとめる必要があります。
例えば、こんなケースです。
「父とは20年以上連絡を取っていなかった。亡くなったのは聞いていたけど、借金のことは知らなかった」
「半年後に、カード会社から父の未払い分の督促状が届いた」
こうした事情の書き方1つで結果が変わりうるので、ここは弁護士に任せたほうが安心です。
債権者から請求や訴えが来ている時も同じです。相手と交渉したり、裁判所で代理人として動いたりできるのは弁護士だけなんです。
『放棄の手続き中だと伝えれば、取り立ては止まるよね?』と思うかもしれません。ただ、相手に何を伝えるか、どの書類を見せるかにも注意が要ります。返事の仕方を間違えないためにも、早めに相談しておきましょう。
遺品や車を処分してしまった時は?
相続財産を処分したり使ったりすると、単純承認とみなされて放棄できなくなることがあります。ここが大事なところです。
よくあるのが、こんな場面です。
- 亡くなった親の車を売って代金を受け取った
- 実家の家具や家電をまとめて業者に処分してもらった
- 親の預金を下ろして、自分の生活費に使った
一方で、放棄をしても、今使っている家などの財産は、次に引き継ぐ人に渡すまで保存する義務があります。売ってはいけない、でも放っておいてもいけない、という難しい立場なんです。
すでに何か処分してしまった場合は、それが「処分」に当たるのかどうかの見極めが要ります。自己判断で申述書を出す前に、弁護士に経緯を話してみてください。
弁護士なしで進めていいケースは?
逆に、次の条件がそろっていれば、弁護士に頼まなくても進められます。
- 亡くなってから3か月以内で、まだ時間に余裕がある
- 借金のほうが多いことがはっきりしている
- 遺品や車、預金にまだ手を付けていない
- 債権者から訴えなどは来ていない
- 家族の間で、誰が放棄するかについてもめていない
書類を集めて自分で書くのが不安なら、家庭裁判所に出す書類の作成を司法書士に頼む方法もあります。どちらに頼むかは相続放棄は司法書士と弁護士どっち?で比べています。
費用は事務所ごとに決めているので、何をどこまで頼むかで変わります。弁護士の無料相談を使って、見積もりを先にもらっておきましょう。窓口の選び方は相続放棄の相談はどこへ?にまとめています。
もう1つ見落としやすいのが、相続税です。家族の誰かが放棄しても、残った人がプラスの財産を相続する場合は、相続税の計算が別に必要になります。
相続放棄した人も基礎控除の人数には数えますが、その人が受け取る生命保険金に非課税枠は使えません。財産に土地がある、相続人が多いといったケースは、税理士に計算を任せると楽です。
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わが家のケースは、相続に強い税理士に聞くのが近道
相続税がかかりそう、土地や自宅がある、相続人が多い、期限が近いといったケースでは、相続税に詳しい税理士に早めに相談すると安心です。税理士ドットコムなら、全国7,500名以上の登録税理士から相続に強い税理士を無料で紹介してもらえます。
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よくある質問
相続放棄は弁護士に頼まないとできませんか?
できます。家庭裁判所への申述は本人がすることができ、費用は収入印紙800円と郵便切手、戸籍などの取得費です。期限切れや債権者との交渉がある時は弁護士が向いています。
3か月を過ぎたら、もう相続放棄はできませんか?
借金を知らなかった事情などがあれば、認められることがあります。ただし家庭裁判所の個別の判断なので、事情の説明が大事です。早めに弁護士に相談してみてください。
相続放棄しても生命保険金は受け取れますか?
受取人に指定されていれば受け取れます。生命保険金は受取人自身の財産だからです。ただし相続人ではなくなるので、生命保険金の非課税枠は使えません。
まとめ
- 期限内で家族ともめていなければ、相続放棄は弁護士なしでも進められる
- 3か月を過ぎてから借金が分かった時は、事情の説明が要るので弁護士が向く
- 債権者との交渉や訴えへの対応で代理人になれるのは弁護士
- 車や家財を処分した後は、単純承認とみなされないかの見極めが要る
- 残った家族の相続税の計算は、放棄とは別に考える




