親が元気なうちに相続の専門家へ相談するメリットと費用|家のケース別に見る

親が元気なうちに相続の専門家へ相談するメリットをケース別に確認する記事のアイキャッチ

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親はまだ元気。でも、いつか来る相続のことが少し気になる。『元気なうちから相談するのは、縁起でもないかな』とためらう方も多いですよね。

結論から言うと、生前の相談が力を発揮するのは、まだ打てる手が残っている家です。亡くなった後では、贈与も遺言書も使えません。

この記事では、家族構成や財産のケースごとに、生前に相談すると何が変わるのかと、費用の考え方を見ていきます。

目次

生前に相続の相談をすると、何が変わる?

このケースではこうなる

例えば、父・母・子2人の家で、父の財産が8,000万円のケースです。父が先に亡くなり法定相続分どおりに分けると、相続税は合計175万円。母が先に亡くなっていて子2人だけが相続すると、合計470万円になります。同じ財産でも家族の形で税額が変わるので、元気なうちに「どの順で、誰に、何を」を考えておくと、取れる手が広がります。

生前に相談するメリットは、大きく分けて3つあります。

  • 税金を減らす手を、時間をかけて打てる
  • 分け方を親の意思で決めておける
  • 子が手続きで困らないよう、財産の場所を共有できる

亡くなった後の相続税の申告期限は、亡くなったことを知った日の翌日から10か月以内です。その短い間に、財産を探して評価して分け方まで決めるのは、思った以上に大変なんです。

両親がそろっている家と、親が1人の家で何が違う?

同じ8,000万円でも、相続人の顔ぶれで結果は大きく変わります。

ケース相続税(法定相続分で分けた場合)理由・注意
父の財産8,000万円、母と子2人が相続合計175万円(母0円、子87万5,000円ずつ)母は配偶者の税額軽減で0円。ただし申告は必要
同じ財産で、母がすでに他界し子2人が相続合計470万円(子235万円ずつ)相続人が減り、基礎控除も4,200万円に下がる
財産4,000万円、母と子2人が相続0円基礎控除4,800万円以下なので申告不要
父の財産8,000万円のケースで、母と子2人なら合計175万円、子2人だけなら合計470万円になる計算シートの図

『母が全部もらえば、税金はかからないんでしょ?』と考える方もいるはずです。

たしかに、配偶者の税額軽減で、母の取得分は1億6,000万円か法定相続分の多い方までは相続税がかかりません。

ただ、母が多く取るほど、次に母が亡くなった時の子の相続税が重くなることも。ここが大事なところです。

両親がそろっている家ほど、「1回目と2回目の相続をまとめて考える」相談に価値があるんです。

母が全部取った場合と、半分ずつの場合を比べると

数字で見てみます。父の財産8,000万円を母と子2人で相続し、その後に母が亡くなるケースです。分かりやすくするため、母自身の財産は無く、母が受け取った財産がそのまま残ったとします。

分け方1回目(父の相続)2回目(母の相続)合計
母が8,000万円を全部取得0円470万円470万円
母4,000万円・子2,000万円ずつ175万円0円175万円

母が全部取ると、1回目は0円で済みます。でも、2回目は子2人だけで8,000万円を相続するので、470万円かかる計算です。

半分ずつ分けた場合は、1回目に175万円かかります。ただ、2回目は母の財産が4,000万円で、子2人の基礎控除4,200万円以下に収まるので0円です。

『1回目が0円なら、それが得なんじゃないの?』と感じますよね。2回の合計で見ると、結果が逆になることもあるんです。

実際には、母自身の財産や、母の老後の生活費、自宅を誰が引き継ぐかでも答えは変わります。どの分け方がいいかは、元気なうちに税理士と一緒に試算しておくと安心です。

生前の相談で打てる手は?

具体的にどんな手があるのか、ケースで見ていきます。

子2人だけが相続しそうな家は、生命保険の非課税枠

生命保険金には「500万円×法定相続人の数」の非課税枠があります。子2人なら1,000万円です。

例えば、先ほどの子2人だけのケースで、保険金1,000万円をまるごと非課税枠に収められたとします。課税価格が7,000万円に下がり、相続税は合計320万円です。

470万円から150万円下がる計算になります。ただし、受け取る人や契約の形で扱いが変わるので、要件は税理士に確認しておきましょう。

実家で子と同居しているなら、小規模宅地等の特例

自宅の土地は、要件を満たすと330㎡まで評価が80%減額されます。同居している親族や配偶者が引き継ぐかどうかで、使えるかが変わります。

「同居していれば大丈夫だよね?」
「住民票だけ移している場合など、実際に住んでいたかで判断が分かれることがあります」

こんなすれ違いが起きやすいので、元気なうちに確かめておく価値があります。

時間に余裕がある家は、生前贈与

暦年贈与には、受け取る人ごとに年110万円の基礎控除があります。

ただ、2024年1月1日以降の贈与からは、相続開始前7年以内の贈与が相続財産に足し戻されるように変わりました。『亡くなる直前に配ればいい』は通用しにくいんです。

相続人の関係が込み入った家は、遺言書

前妻の子がいる、子どもがいない夫婦など、話し合いがまとまりにくい家は、遺言書が助けになります。

自筆の遺言書は法務局に預ける制度があり、手数料は1通3,900円です。預けたものは家庭裁判所の検認が要りません。

生前相談の費用はどう考える?

『相談だけで高いお金を取られたらどうしよう』と不安になりますよね。

税理士の報酬は自由化されていて、公的な基準はありません。生前の相談料も事務所ごとに決めています。初回の相談を無料にしている事務所もあります。

参考までに、亡くなった後の相続税申告の報酬は、遺産総額の0.5〜1%程度が目安と言われることが多いです。

予約の時は、次の3つを聞いておくと安心です。

  • 初回の相談は無料か、何分までか
  • 2回目以降や、試算を頼んだ場合の料金
  • 贈与や遺言書の作成を頼んだ場合の料金

生前に財産の一覧ができていれば、申告の時に資料集めの手間が減ります。結果として、申告の段取りも進めやすくなります。

生前相談の進め方
  1. 親の財産をざっくり書き出す(預金、不動産、保険、株)
  2. 家族構成と、誰に何を残したいかを親に聞く
  3. 相続税がかかりそうかを専門家に見てもらう
  4. 贈与・保険・遺言など、打つ手と順番を決める
  5. 年に1回くらい、財産や家族の変化を見直す

土地を持っている、財産が基礎控除を大きく超えそう、両親がそろっていて二次相続まで考えたいという家は、相続に慣れた税理士にまとめて相談すると楽です。

税理士ドットコム

わが家のケースは、相続に強い税理士に聞くのが近道

相続税がかかりそう、土地や自宅がある、相続人が多い、期限が近いといったケースでは、相続税に詳しい税理士に早めに相談すると安心です。税理士ドットコムなら、全国7,500名以上の登録税理士から相続に強い税理士を無料で紹介してもらえます。

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どの専門家に何を聞けばいいかは悩み別の相続の相談先で確認できます。相続に強い税理士かどうかの見分け方は相続に強い税理士の見分け方が参考になります。

よくある質問

親が相談に乗り気でない時はどうすればいいですか?

いきなり「相続の話」とせず、「もしもの時に困らないよう、預金や保険の場所だけ教えて」と頼むと話しやすくなります。財産の一覧ができてから、専門家への相談を提案してみてください。

生前相談は誰が申し込むものですか?

親本人でも子でも申し込めます。ただ、贈与や遺言は親の意思で決めることなので、できれば親も同席した方が話が進みます。

財産が基礎控除以下でも、生前の相談に意味はありますか?

税金の対策は要らないことが多いですが、分け方でもめそうな家や、相続人の関係が込み入った家では、遺言書などの準備に意味があります。

まとめ

この記事の要点
  • 生前の相談は、贈与・保険・遺言など、亡くなった後では使えない手を打てる
  • 父の財産8,000万円なら、母と子2人で合計175万円、子2人だけで合計470万円と家族の形で税額が変わる
  • 両親がそろっている家は、2回の相続をまとめて考えると価値が大きい
  • 相談料に公的な基準はなく、初回無料の事務所もある
相続ケース案内

相続ケース案内 編集部

家族構成や財産の状況ごとに、相続・相続税がどうなるかを公的機関の公開情報をもとに解説しています。 公式サイト

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