国際相続になるのはどんな時?相続人が海外在住・親が外国籍の場合

国際相続になるケースを相続人が海外在住・親が外国籍の場合に分けて確認する記事のアイキャッチ

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親が亡くなったけれど、兄弟の1人はアメリカに住んでいる。あるいは、亡くなった親が韓国籍だった。『これって国際相続になるの?手続きは日本と同じでいいの?』と不安になりますよね。

結論から言うと、どのケースかで変わるのは主に3つです。どこの国の法律で相続人を決めるか、そろえる書類、日本の相続税がかかる範囲です。

この記事では、海外の要素ごとにケースを分けて、何が変わるかを見ていきます。

目次

国際相続になるのはどんなケース?

このケースではこうなる

例えば、日本国籍の父が日本で亡くなり、相続人の子の1人が海外に住んでいるケースです。相続人や取り分は日本の民法で決まり、日本で亡くなった人と同じです。変わるのは書類で、海外の子は印鑑証明書や住民票の代わりの書類を用意します。親が外国籍の場合は、相続人の決め方そのものが変わることがあります。

国際相続と一口に言っても、中身はかなり違います。まずは自分の家族がどれに当たるかを見てみてください。

ケース相続人・取り分を決める法律理由・注意
親は日本国籍、相続人の子が海外在住日本の民法書類が日本在住者と違う
親が外国籍(例えば韓国籍)で日本に住んでいた原則は親の本国の法律本国の法律が日本の法律を指せば日本の法律になる
親は日本国籍、配偶者が外国籍日本の民法配偶者は国籍に関係なく相続人
親が海外の口座や不動産を持っていた相続人は日本の民法で決まる財産のある国の手続きが別に必要になることがある

ここが大事なところです。相続にどの国の法律を使うかは、亡くなった人の国籍で決まります。法の適用に関する通則法という法律で、「相続は、被相続人の本国法による」と定められています。

相続人がどこに住んでいるかは、相続人を決める法律には関係しないんです。

『アメリカに住む兄が相続人だから、アメリカの法律になるの?』と心配する方もいますが、親が日本国籍なら日本の民法です。

亡くなった人の国籍と相続人の住まいによって、使う法律と書類が分かれることを示したケース別の分岐表

相続人が海外に住んでいる場合は何が変わる?

日本人の子が海外に住んでいるケースは、国際相続の中でもよくある形です。

相続人も取り分も、日本にいる場合と同じです。例えば父が亡くなり、母と子2人(1人は海外在住)なら、母1/2、子は1/4ずつです。

変わるのは書類です。遺産分割協議書には相続人全員の署名と実印、印鑑証明書が要りますよね。でも海外に住んでいると、日本の住民登録がなく印鑑証明書が取れないことがあります。

その代わりに使われるのが、住んでいる国の日本大使館・総領事館で取るサイン証明(署名証明)と、住民票の代わりになる在留証明です。

『どれが必要かは、どこに出すかで違うの?』という疑問も出てきますよね。実は、銀行・法務局・税務署で求められる書類が少しずつ違うことがあります。提出先に先に確認しておきましょう。

海外に住む相続人がいる時に確認したいこと
  • 海外の相続人が日本国籍か(大使館で証明が取れるか)
  • 遺産分割協議書を郵送でやり取りするか、一時帰国の時に署名するか
  • 銀行・法務局・税務署それぞれで必要な書類
  • 海外の相続人の住所が日本と海外のどちらにあった期間が長いか(相続税に関わる)

書類のやり取りに時間がかかるので、相続税の申告期限(亡くなったことを知った日の翌日から10か月以内)から逆算して早めに動くのがおすすめです。

亡くなった親が外国籍だったら、相続人は誰になる?

亡くなった人が外国籍だと、原則としてその人の本国の法律で相続人や取り分を決めます。

例えば、日本に長く住んでいた親が韓国籍だったケースです。相続人の範囲や取り分は、まず本国の法律を見ることになります。

ただし通則法には、本国の法律に従うと日本の法律を使うべきとされる時は日本の法律による、という決まりもあります。国によって決まりが違うので、本国の法律の確認が欠かせません。

『戸籍がないなら、相続人はどうやって確認するの?』と思いますよね。外国籍の人は日本の戸籍がないため、本国の身分関係の書類と、その日本語訳を集めるのが一般的です。

被相続人が日本人で、相続人が韓国籍など外国籍の場合は、日本の民法で決まります。国籍が違っても子は子、配偶者は配偶者として相続人になります。

家族図で相続人を確かめたい時は、法定相続人の家族図10パターンも参考にしてみてください。

親が海外に口座や不動産を持っていたら?

親が日本国籍で、海外赴任していた頃の口座や、海外の家が残っているケースもありますよね。

相続人と取り分は、日本の民法で決まります。ただ、海外の口座や不動産の名義を変える手続きは、その国のルールで進めることになります。

例えば、現地の銀行から、現地の裁判所の手続きや現地の専門家を通すよう求められることも。日本の遺産分割協議書だけでは手続きが進まない場合がある、と考えておきましょう。

『海外の財産も日本の相続税に入れるの?』という点は、次の章で見ていきます。親が日本に住んでいた日本国籍の人なら、海外の財産も日本の相続税の計算に入るのが基本です。

日本の相続税は海外の財産にもかかる?

国際相続でもう一つ気になるのが、相続税ですよね。

日本の相続税は、相続人の国籍と住所、亡くなった人の状況によって、かかる財産の範囲が変わります。

ケース日本の相続税がかかる財産理由・注意
日本国籍の子が海外在住で、過去10年以内に日本に住所があった日本と海外のすべての財産国内外の財産が課税対象
相続人も亡くなった人も日本に長く住んでいない日本にある財産だけになることがある国籍や住んでいた期間の要件で決まる
海外の財産に現地でも相続税がかかった日本と現地の両方で課税されることがある外国税額控除で二重の負担を調整できる

細かい区分は国税庁の相続税の納税義務者のページに載っています。

基礎控除は国際相続でも同じで、3,000万円+600万円×法定相続人の数です。母と子2人なら4,800万円になります。

申告期限も同じく10か月以内です。海外に住む相続人がいると、書類の郵送や翻訳に思ったより時間がかかることも。例えば、遺産分割協議書を海外とやり取りするだけで何週間もかかる場面を想定して、早めに準備しておきましょう。

海外に口座や不動産がある、相続人が海外に住んでいて書類が集めにくい、といったケースは、税務と手続きの両方が絡みます。どの財産に日本の相続税がかかるかは要件の判断が要るので、国際相続を扱った経験のある税理士に確認しておくと安心です。

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相続税がかかりそう、土地や自宅がある、相続人が多い、期限が近いといったケースでは、相続税に詳しい税理士に早めに相談すると安心です。税理士ドットコムなら、全国7,500名以上の登録税理士から相続に強い税理士を無料で紹介してもらえます。

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ほかの家族のケースは子供がいない夫婦の相続割合でも紹介しています。

よくある質問

相続人が海外にいると、相続の取り分は変わりますか?

変わりません。亡くなった人が日本国籍なら、相続人がどこに住んでいても日本の民法の取り分です。変わるのは用意する書類です。

海外に住む相続人は、日本に帰国しないと手続きできませんか?

帰国しなくても進められることが多いです。大使館・総領事館でサイン証明などを取り、書類を郵送でやり取りする方法があります。

外国籍の親が日本の不動産を持っていたら、日本で相続登記が要りますか?

日本の不動産なら、相続登記は日本の法務局で行います。2024年4月1日から相続登記は義務になり、取得を知った日から3年以内が期限です。

まとめ

この記事の要点
  • 相続人と取り分は、亡くなった人の国籍の法律で決まる
  • 相続人が海外在住でも、親が日本国籍なら取り分は日本と同じ
  • 海外の相続人はサイン証明・在留証明で印鑑証明書や住民票の代わりにする
  • 日本の相続税がかかる範囲は、国籍や住んでいた期間で変わる
  • 海外でも課税されたら外国税額控除で調整できる
相続ケース案内

相続ケース案内 編集部

家族構成や財産の状況ごとに、相続・相続税がどうなるかを公的機関の公開情報をもとに解説しています。 公式サイト

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