トラクターなどの農機具を相続した時の評価と名義の扱い|農業を継ぐ・やめるケース別

トラクターなどの農機具を相続した時の相続税評価と名義の扱いを、農業を継ぐ・やめるケース別に解説する記事のアイキャッチ

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納屋には父が使っていたトラクターとコンバイン、細かい農具がたくさん。農業を続けるにしてもやめるにしても、相続税ではどう数えるのか迷いますよね。

結論から言うと、農機具は中古の売買価格などを参考に1台ずつ評価し、5万円以下の小さな農具は一農家ごとにまとめて評価できます。継ぐか手放すかで、名義の手続きも変わるんです。

この記事を読めば、わが家の農機具をどう評価して、何から手をつければいいかが分かります。

目次

父のトラクターは、相続税でいくらと見る?

このケースではこうなる

例えば、父が亡くなり、母と子2人が相続人で、長男が農業を継ぐケースです。トラクターやコンバインは1台ずつ、中古の売買価格や農機具店の査定などを参考に評価します。鍬や小さな機械のように1個(1組)5万円以下の物は、一農家ごとにまとめて評価できます。

農機具は「一般動産」として評価します。国税庁の財産評価基本通達では、一般動産は原則1個または1組ごとに評価し、農耕用動産で1個または1組の価額が5万円以下のものは一農家ごとにまとめて評価できるとされています(財産評価基本通達 第6章 第1節 一般動産)。

評価のしかたは、売買実例価額や精通者意見価格などを参考にするのが原則です。中古の相場が分からない時は、同じ種類の新品の価格から、製造から亡くなった日までの減価を引いて評価します。

『古い機械だし、ほとんど価値はないのでは?』と思う方も多いはずです。ただ、農機具は中古でも値がつきやすいので、一度相場を確かめておきましょう。

機械の種類と状態で、評価はこう分かれる

ケースごとの違いを表にしました。

ケース評価の考え方理由・注意
鍬・草刈り機など小さな農具一農家ごとにまとめて評価1個5万円以下ならまとめてよい
年式の新しいトラクター1台ずつ査定額などで評価中古の相場がはっきりしている
古くて相場が分からない機械新品価格から年数分の減価を引く耐用年数は省令、償却は定率法による
動かない・部品取りしかできない査定額を参考に低く見ることも状態が分かる写真や査定書を残す
農機具の種類と状態によって、まとめて評価するか1台ずつ評価するかが分かれる分岐表

新品価格から減価を引く方法では、耐用年数は耐用年数省令の年数、償却方法は定率法を使うと通達に書かれています。計算は細かいので、ここは税理士に任せるのが楽なところです。

査定を頼む時は

「父のトラクターを相続するので、評価の参考になる査定をお願いできますか?」
「型式と年式、アワーメーターの時間を教えてください」

こんなやりとりになることが多いです。型式・年式の分かる書類と、機械の写真を先にそろえておいてみてください。

継ぐか手放すかで、名義の手続きが変わる

公道を走れるようにナンバーを付けているトラクターは、名義の変更が要ります。機械の大きさで、市区町村の窓口か運輸支局かが分かれるので、ナンバーや書類を見て窓口に確かめておきましょう。

ナンバーの無い農具や、田畑の中だけで使う機械は、登録の手続きはありません。誰が引き継ぐかを遺産分割協議書に書いておくと、あとで迷いません。

ケースやること理由・注意
長男が農業を継ぐ長男名義に変え、まとめて引き継ぐ協議書に農機具を誰が取るか書いておく
誰も継がず手放す相続人の名義にしてから売る相続放棄を考えているなら売る前に止まる
父が個人で農業をしていた準確定申告も確認する亡くなった人の所得税は4か月以内

父が個人で農業をしていた場合、亡くなった年の所得税は準確定申告で納めます。期限は相続の開始を知った日の翌日から4か月以内です。

農機具で申告が要るかが変わることも

例えば、母と子2人が相続人で、農機具以外の課税価格が4,700万円のケースです。トラクターなどの査定額が合わせて300万円だと、合計は5,000万円になります。数字は計算ツールで確かめた金額です。

ケース課税価格の合計基礎控除課税遺産総額相続税の総額
農機具を入れない場合4,700万円4,800万円0円0円
農機具を入れた場合5,000万円4,800万円200万円20万円

法定相続分どおりに分けると、母は配偶者の税額軽減で0円、子はそれぞれ5万円です。母の税額が0円でも、軽減を使うには申告が要ります。

基礎控除の額は相続人の人数別の早見表で、田畑や自宅など土地の始め方は不動産を相続した時のケース別のやることで確かめてみてください。

農地や納屋のある土地もあって基礎控除を超えそう、機械が多くて評価に迷う。そんなケースは、土地と農機具の評価をまとめて税理士に相談すると楽です。相続税の申告期限は、亡くなったことを知った日の翌日から10か月以内です。

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わが家のケースは、相続に強い税理士に聞くのが近道

相続税がかかりそう、土地や自宅がある、相続人が多い、期限が近いといったケースでは、相続税に詳しい税理士に早めに相談すると安心です。税理士ドットコムなら、全国7,500名以上の登録税理士から相続に強い税理士を無料で紹介してもらえます。

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よくある質問

農機具をまだローンで払っている途中です。

残っているローンは債務として相続財産から差し引けます。農機具そのものは評価額で財産に入れ、ローンの残高は別に差し引く形で考えます。

小さな農具まで1つずつ書き出す必要がありますか?

1個(1組)5万円以下の物は、一農家ごとにまとめて評価できます。高そうな機械だけ1台ずつ確かめるのが現実的です。

農業をやめるので、すぐに売ってもいいですか?

相続放棄を考えていないなら、相続人の名義にしてから売る流れが基本です。放棄を考えている時は、売ると単純承認とみなされることがあるので、先に専門家に確認しておきましょう。

まとめ

この記事の要点
  • 農機具は一般動産として、中古の売買価格や査定を参考に評価する
  • 1個(1組)5万円以下の農具は、一農家ごとにまとめて評価できる
  • 相場が分からない機械は、新品価格から年数分の減価を引く
  • ナンバー付きのトラクターは、継ぐ人の名義に変える手続きが要る
  • 基礎控除の近くにいる家では、農機具で申告の要否が変わることがある
相続ケース案内

相続ケース案内 編集部

家族構成や財産の状況ごとに、相続・相続税がどうなるかを公的機関の公開情報をもとに解説しています。 公式サイト

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