当サイトは国税庁・法務省・裁判所などの公開情報をもとに編集部が執筆しています。記事内のサービス紹介には広告を含みます。
何年も前に離婚した元夫が亡くなったと、突然連絡が来た。『うちの子は相続できるの?向こうには再婚相手もいるみたいだけど…』と戸惑っている方も多いはずです。
結論から言うと、離婚しても親子の関係は切れないので、子供は元夫の相続人です。この記事では、元夫が再婚しているかどうかで子供の取り分がどう変わるかを、ケースごとに見ていきます。
離婚した夫が亡くなったら、子供はいくら相続できる?
元夫の子供は、離婚後も第1順位の相続人です。元夫が再婚していなければ子供が全部を相続し、後妻がいれば後妻が2分の1、残り2分の1を元夫の子全員で均等に分けます。離婚した元妻(あなた)は相続人になりません。
親権をどちらが持っていたか、何年会っていないかは関係ありません。名字が変わっていても、子供であることに変わりはないんです。
一方で、元妻は離婚した時点で配偶者ではなくなるので、相続権はありません。子供が未成年なら、親権者のあなたが子供の代わりに手続きをすることになります。
元夫の家族の形ごとに、子供の取り分を並べるとこうなります。
| ケース | 相続人 | 前妻の子の取り分 | 理由・注意 |
|---|---|---|---|
| 元夫が再婚していない(子は1人) | 子だけ | 全部 | 元夫の親や兄弟は相続人にならない |
| 元夫が再婚、後妻との子はいない | 後妻と前妻の子 | 2分の1 | 後妻の連れ子は養子縁組がなければ相続人ではない |
| 元夫が再婚、後妻との子が1人いる | 後妻と子2人 | 4分の1 | 前妻の子も後妻の子も同じ割合 |
| 後妻の連れ子を元夫が養子にしていた | 後妻と子2人 | 4分の1 | 養子は実子と同じ相続分 |

誰が相続人になるかを家族図で確かめたい時は、家族図10パターンで見る法定相続人も見てみてください。
再婚相手や後妻の子がいたら、取り分はどう変わる?
ここが一番気になるところですよね。後妻がいると、配偶者の分として遺産の半分が先に後妻へ行きます。
残りの半分を、前妻の子と後妻の子で人数割りします。どちらの子が上ということはありません。
例えば、遺産が6,000万円で、相続人が後妻・前妻の子・後妻の子の3人のケースです。法定相続分どおりに分けると、こうなります。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 基礎控除(3,000万円+600万円×3人) | 4,800万円 |
| 課税遺産総額 | 1,200万円 |
| 相続税の総額 | 120万円 |
| 後妻(取得3,000万円) | 0円(配偶者の税額軽減) |
| 前妻の子(取得1,500万円) | 30万円 |
| 後妻の子(取得1,500万円) | 30万円 |
同じ6,000万円でも、元夫が再婚しておらず子供1人だけが相続人なら、基礎控除は3,600万円です。子供が全部を受け取り、相続税は310万円になります。
『あちらの家族と話し合うなんて気まずい…』と思うのは自然です。ただ、遺産分割は相続人全員の合意が要るので、前妻の子を外して決めることはできません。
もし後妻側が「全部を後妻に」という遺言を残していても、子供には遺留分があります。後妻と子1人のケースなら、子の遺留分は遺産の4分の1です。
遺留分を請求できるのは、相続の開始と遺留分の侵害を知った時から1年、相続開始から10年までです。
元夫に借金があった時や、期限で気をつけることは?
『もし元夫に借金があったら、子供が払うことになるの?』と心配になりますよね。連絡が来た時点では、財産がプラスかマイナスか分からないことも多いはずです。
実は、借金も預金や家と同じく相続の対象です。何もしなければ、子供は自分の取り分に応じて借金も引き継ぎます。
借金が多そうなら、子供が相続放棄を考えることになります。期限は、自分が相続人になったと知った時から3か月以内で、元夫の最後の住所地の家庭裁判所に申述します。
3か月で財産の調べがつかない時は、期間を延ばす申立てもできます。期限を過ぎてから慌てないよう、知った日だけは早めに押さえておきましょう!
子供が放棄すると、子供は初めから相続人でなかった扱いになります。その場合は元夫の親、親もいなければ元夫の兄弟が次の相続人です。
- 子供が相続人になったと知った日をメモしておく
- 元夫の預金・不動産・借金がどれくらいあるかを相続人側に聞く
- 遺言書があるかを確認する
- 財産を使ったり処分したりしない(放棄できなくなることがある)
「お父さんのこと、何も知らないんだけど大丈夫?」
「まずは財産と借金のリストを見せてもらおう。それから決めても間に合うよ」
相続税がかかる場合の申告期限は、亡くなったことを知った日の翌日から10か月以内です。財産の全体が見えないまま期限が近づくと、子供の側だけで判断するのは大変です。
元夫の側に土地がある、後妻との話し合いが進まない、相続税がかかりそうという場合は、税理士に間に入ってもらうと気持ちも手間もかなり楽になります。
税理士ドットコム
わが家のケースは、相続に強い税理士に聞くのが近道
相続税がかかりそう、土地や自宅がある、相続人が多い、期限が近いといったケースでは、相続税に詳しい税理士に早めに相談すると安心です。税理士ドットコムなら、全国7,500名以上の登録税理士から相続に強い税理士を無料で紹介してもらえます。
紹介料無料税理士ドットコムで相続に強い税理士を紹介してもらう(税理士ドットコムの紹介ページに移動します・24時間365日受付)
子供が亡くなった時、離婚した親はどちらも相続人?
逆のケースも見ておきますね。子供に配偶者も子もいないまま亡くなった場合、相続人は親です。
離婚していても、父と母はどちらも子供の親なので、2人が同じ割合で相続人になります。親権を持っていた側だけが相続するわけではありません。
子供に配偶者がいれば、配偶者が3分の2、両親が残りの3分の1を半分ずつです。子供のいない夫婦の相続の全体像は子供がいない夫婦の相続割合にまとめています。
よくある質問
元夫と何十年も会っていなくても、子供は相続人になりますか?
なります。会っていない期間や親権の有無は関係なく、子供は元夫の相続人です。
前妻の子に知らせないまま、後妻側で遺産分割を終えられますか?
できません。遺産分割協議は相続人全員の合意が要るので、前妻の子が加わっていない協議は成り立ちません。
子供が未成年の場合、手続きは誰がしますか?
親権者が法定代理人として、遺産分割の話し合いや相続放棄の手続きを代わりに行います。進め方に迷う時は、専門家に確認してみてください。
まとめ
- 離婚しても子供は元夫の第1順位の相続人。元妻は相続人ではない
- 後妻がいれば後妻が2分の1、残りを前妻の子と後妻の子で均等に分ける
- 遺言で取り分が少なくても、子供には遺留分がある
- 借金が多い時の相続放棄は、知った時から3か月以内




