個人向け国債や社債を相続した時の中途換金の方法と相続税の評価

個人向け国債や社債を相続した時の中途換金と相続税評価を解説する記事のアイキャッチ

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親の通帳や取引報告書を見ていたら、個人向け国債や社債が出てきた。『発行から1年たっていないけど、換金できるの?』と迷う方も多いはずです。

結論から言うと、個人向け国債は持ち主が亡くなった場合、発行から1年たっていなくても換金できます。この記事では、換金するか相続人の口座へ移すかの分かれ道と、相続税の評価額の決まり方をケースごとに見ていきます。

目次

親の個人向け国債はすぐ換金できる?

このケースの結論

個人向け国債は、持ち主が亡くなった時は中途換金できない期間中でも、特例で換金できます。換金せずに相続人の口座へ移すこともできます。相続税の評価額は、亡くなった日に中途換金したとしたら受け取れる額です。

財務省の個人向け国債 よくある質問では、ふだんは発行から一定期間は換金できないものの、口座名義人が亡くなった場合は換金できるとされています。手続きには、相続人であることを証明する書類が要ります。

まずは、発行からの期間と相続人の希望で、選べる道を見てみましょう。

ケース選べる道理由・注意
発行から1年未満・相続人がすぐお金にしたい特例で中途換金名義人が亡くなった時に限って認められる換金
発行から1年以上・相続人がすぐお金にしたいふつうの中途換金期間の制限がもう無いので通常どおり換金できる
満期まで持っていたい相続人の口座へ移す相続人が同じ金融機関に口座を作る必要がある
相続人が複数で分けたい1万円単位で分けて移す・換金して分ける遺産分割協議で誰がいくら取るかを決めておく
個人向け国債を換金するか移すかの分かれ道と、評価額の算式を並べたケース別の分岐表

『満期まで待った方が得なの?』と思いますよね。ただ、相続人が複数いると、国債のまま分けるより換金して現金で分ける方が話が早いこともあります。

換金した時に受け取れるのはいくら?

ここが大事なところです。中途換金の額は、額面どおりではありません。財務省の説明では、次の算式で決まります。

項目中身
額面金額買った時の額面
経過利子相当額前回の利払日から換金日までの利子
中途換金調整額直前2回分の各利子(税引前)相当額 × 0.79685
受け取れる額額面金額 + 経過利子相当額 − 中途換金調整額

つまり、元本の額面は守られて、利子の一部が差し引かれる仕組みなんです。

例えば、相続人どうしでこんな会話になることがあります。

「額面で300万円あるなら、3人で100万円ずつだね」
「換金すると利子分が少し引かれるから、明細が届いてから分けよう」

相続税の評価額はどう決まる?

国税庁の質疑応答事例「個人向け国債の評価」では、個人向け国債は「亡くなった日に中途換金したら受け取れる額」で評価するとされています。算式は、さきほどの換金額と同じです。

金融機関に残高証明書を頼む時は、亡くなった日の中途換金額を書いてもらえるか聞いてみてください。そのまま申告に使えて楽ですよ。

社債は、国債と評価の仕方が違います。財産評価基本通達では、利子が付く社債(利付公社債)を次のように分けています。

社債の種類評価額理由・注意
金融商品取引所に上場している亡くなった日の最終価格 + 既経過利息(源泉税相当を引いた額)日本証券業協会の平均値もある銘柄は低い方
日本証券業協会が売買参考統計値を出している亡くなった日の平均値 + 既経過利息(同上)証券会社に価格を確認する
どちらにも当たらない発行価額 + 既経過利息(同上)個人向け社債の多くはここに入る

『社債も額面で書けばいいと思ってた』という方もいます。実は、市場価格がある銘柄だと額面とずれることがあるんです。

名義変更(移管)の手続きはどう進める?

国債も社債も、手続きの窓口は口座のある金融機関です。進め方はおおむね共通です。

相続手続きの流れ
  1. 金融機関に亡くなったことを連絡し、残高証明書と相続手続きの書類を頼む
  2. 戸籍謄本一式か法定相続情報一覧図の写しを集める
  3. 遺産分割協議で、誰が国債・社債を受け取るか決める
  4. 換金するか、相続人の口座へ移すかを選んで書類を出す

国債は1万円単位で分けられるので、相続人ごとに移すこともできます。相続人が同じ金融機関に口座を持っていない時は、先に口座を作っておきましょう。

ほかの金融資産でも、換算や評価の考え方は似ています。外貨建ての物は外貨預金を相続した時の円換算レート、株は単元未満株が見つかった時の手続きも見てみてください。

国債や社債の評価は算式が決まっていますが、ほかに不動産や株がある時は、全体の財産額で相続税がかかるかが変わります。相続人が多い、財産の種類が多い、申告期限が近いケースは税理士に頼むと楽です。

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よくある質問

発行から1年たっていない個人向け国債も、相続なら換金できますか?

できます。口座名義人が亡くなった場合は、換金できない期間中でも特例で中途換金できます。相続人であることを証明する書類が必要です。

個人向け国債の相続税評価は額面ですか?

額面ではありません。亡くなった日に中途換金したとしたら受け取れる額(額面金額+経過利子相当額−中途換金調整額)で評価します。

国債を換金せずに相続人の名義に変えられますか?

できます。相続人の口座へ1万円単位で移せます。金融機関によって取り扱いが違うので、口座のある金融機関に確認してください。

まとめ

この記事の要点
  • 個人向け国債は、持ち主が亡くなれば発行1年未満でも特例で換金できる
  • 換金せず、相続人の口座へ1万円単位で移すこともできる
  • 相続税の評価は、亡くなった日に中途換金したら受け取れる額
  • 社債は上場か、売買参考統計値があるか、どちらも無いかで評価が変わる
  • 窓口は口座のある金融機関で、残高証明書を先に取ると進めやすい
相続ケース案内

相続ケース案内 編集部

家族構成や財産の状況ごとに、相続・相続税がどうなるかを公的機関の公開情報をもとに解説しています。 公式サイト

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