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相続税の期限に、どうしても間に合いそうにない。あるいは、もう過ぎてしまった。そんな時、まず気になるのは「いったい、いくら上乗せされるの?」ですよね。
結論から言うと、延滞税は遅れた日数に応じて増えていく利息のようなもので、最初の2か月は低い割合、それを過ぎると高い割合に切り替わります。
この記事では、1人385万円の相続税を払い遅れたケースで、1か月・半年・1年の延滞税を試算します。
385万円を1か月・半年遅れたら、延滞税はいくら?
例えば、父が亡くなり、子2人が1億円の財産を半分ずつ相続するケースです。相続税は1人385万円になります。期限内に申告だけして納付が遅れた場合、2026年中の割合で計算すると、延滞税は1か月で8,860円、半年で132,904円、1年で310,478円です。2か月を過ぎたあたりから、増え方が一気に大きくなります。
この金額は、国税庁が公表している2026年(令和8年)の割合で計算しました。最初の2か月は年2.8%、それ以後は年9.1%です(国税庁 No.9205 延滞税について)。
計算のしかたはシンプルです。本税に割合をかけて、遅れた日数分だけ日割りにします。
まず、もとになる相続税の額を確認しておきますね。
| 計算の段階 | 金額 |
|---|---|
| 課税価格の合計 | 1億円 |
| 基礎控除(相続人2人) | 4,200万円 |
| 課税遺産総額 | 5,800万円 |
| 相続税の総額 | 770万円 |
| 子1人あたりの納付税額 | 385万円 |
この385万円を払うのが遅れた時の延滞税が、次の表です。2か月を60日として計算しています。
| 遅れた期間 | 延滞税(1人あたり) | 理由・注意 |
|---|---|---|
| 1か月(30日) | 8,860円 | 全部が年2.8%の期間 |
| 2か月(60日) | 17,720円 | ここまでは低い割合 |
| 3か月(90日) | 46,516円 | 61日目から年9.1%に切り替わる |
| 半年(180日) | 132,904円 | 高い割合の期間が120日 |
| 1年(365日) | 310,478円 | 高い割合の期間が305日 |

『1か月なら9,000円弱か、それほどでもないかも』と思った方もいるはずです。ただ、3か月目からの増え方を見てください。半年で13万円を超えるんです。
なお、実際の延滞税には端数の扱いがあります。正確な金額は、国税庁の「延滞税の計算方法」のページや税務署で確認しておきましょう。
申告まで遅れた場合は、計算が変わる?
実は、同じ「遅れた」でも、申告はしたのか、申告そのものが遅れたのかで、延滞税の割合が変わります。
ここが大事なところです。低い割合が使える期間は「納期限の翌日から2か月」までで、この納期限の決まり方がケースで違うんです。
| ケース | 納期限 | 延滞税の割合 |
|---|---|---|
| 期限内に申告し、納付だけ遅れた | 申告期限(死亡を知った日の翌日から10か月) | 2か月までは低い割合、それ以後は高い割合 |
| 期限後に申告し、その日に納付した | 申告書を出した日 | 申告書を出した日の2か月後までは低い割合 |
| 税務署から決定を受けた | 通知書が出た日から1か月後 | その日の2か月後を過ぎると高い割合 |
例えば、申告を半年遅れて出し、その日のうちに385万円を払ったケースです。この場合、半年分すべてが年2.8%の期間になるので、延滞税は53,161円です。
同じ半年遅れでも、期限内に申告して納付だけ半年遅れた場合は132,904円でした。延滞税だけを見ると、申告と同時に払う方が軽く済みます。
『じゃあ、申告が遅れても延滞税は安いのか』と思うかもしれません。ただ、申告が遅れた時は、延滞税とは別に無申告加算税がかかることがあります。
延滞税より重くなりやすい「無申告加算税」とは
無申告加算税は、期限までに申告しなかったことへのペナルティです。延滞税が利息なら、こちらは罰金に近いものと考えると分かりやすいですね。
国税庁の案内では、税務署から調査の通知が来る前に自分から申告すると割合が低く、調査を受けた後だと高くなります(国税庁 No.2024 確定申告を忘れたとき)。
また、期限から1か月以内に自主的に申告し、期限内に申告するつもりだったと認められる一定の場合は、無申告加算税がかからないこともあります。
| ケース | 延滞税 | 無申告加算税 |
|---|---|---|
| 期限内に申告し、納付だけ遅れた | かかる | かからない |
| 期限後に自分から申告し、すぐ納付 | かかる(低い割合の期間が長い) | かかる(調査後より軽い) |
| 調査を受けてから申告 | かかる | かかる(重い) |
例えば、家族の間でこんな話が出ることも。
「期限はもう過ぎたし、税務署から何か言われてからでいいよね」
「いや、言われる前に出した方が軽いらしいよ」
後者が正解です。間に合いそうにない時の優先順位はこうです。
- 分かっている財産だけでも集めて、期限内に申告書を出す
- 納付が難しければ、延納(分割払い)が使えるか税務署に相談する
- 期限を過ぎていたら、調査の通知を待たずに一日でも早く申告する
- 申告後に財産が見つかったら、修正申告で直す
遺産分割がまとまらず申告できない、という方もいるはずです。その場合は、法定相続分で分けたと仮定して期限内に申告し、「申告期限後3年以内の分割見込書」を出しておく方法があります。
延滞税を払うのは誰?家族の分も払うの?
相続税の延滞税は、遅れた本人の相続税に対してかかります。兄が遅れたからといって、期限内に払った弟の分まで延滞税がつくわけではありません。
ただ、払うお金を誰が用意するかで家族がもめて、全員の納付が遅れてしまうケースは少なくありません。
例えば、こんな会話になりがちです。
「兄さん、相続税はもう払った?」
「まだ。お金を用意できてなくて」
こういう時は、家族で期限前に話し合っておくと安心です。払うお金が足りない時の手の打ち方は、相続税が払えない場合の対処法でケース別にまとめています。
期限が近い・もう過ぎた時は誰に頼む?
申告書を自分で作るつもりで進めていたけれど、財産が多くて間に合わない。土地があって評価に時間がかかる。そういったケースは、税理士に任せた方が早く出せることが多いです。
『今から頼んでも間に合わないのでは』と迷う方も多いはずです。ただ、期限を過ぎてからでも、早く出すほど延滞税は少なく済みます。
特に、期限まで2か月を切っている、相続人が遠方に分かれている、という家は早めに相談してみてください。
税理士ドットコム
わが家のケースは、相続に強い税理士に聞くのが近道
相続税がかかりそう、土地や自宅がある、相続人が多い、期限が近いといったケースでは、相続税に詳しい税理士に早めに相談すると安心です。税理士ドットコムなら、全国7,500名以上の登録税理士から相続に強い税理士を無料で紹介してもらえます。
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申告全体の流れを確認したい方は、遺産規模別の相続税申告の手順も参考にしてみてください。調査で申告漏れを指摘された時の金額は、追徴課税の計算で見ています。
よくある質問
相続税の延滞税は、何日遅れたらかかりますか?
法定納期限の翌日から、納付する日までの日数に応じてかかります。1日でも遅れれば計算の対象になります。
延滞税の割合は毎年同じですか?
毎年見直されます。2026年は、2か月までが年2.8%、それ以後が年9.1%です。遅れが年をまたぐ時は、それぞれの年の割合で計算します。
加算税にも延滞税はかかりますか?
かかりません。国税庁の案内では、延滞税は本税だけにかかり、加算税にはかからないとされています。
まとめ
- 子2人が1億円を相続し1人385万円を払い遅れると、延滞税は1か月で8,860円、半年で132,904円、1年で310,478円
- 2026年の割合は、2か月までが年2.8%、それ以後が年9.1%
- 期限後に申告してその日に払うと、延滞税は低い割合の期間が長くなる
- ただし申告が遅れると、無申告加算税が別にかかることがある
- 間に合わない時は、分かる範囲で期限内に申告するのが基本




