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税務署から「相続税のことでお話を伺いたい」と連絡が来た。何を聞かれるのか分からず、落ち着かない方も多いですよね。
結論から言うと、調査で聞かれることはある程度決まっています。中心は「亡くなった人のお金の流れ」と「家族名義の預金」です。
この記事では、家族が聞かれやすい質問と答え方を、2つのケースで見ていきます。
わが家に調査が来たら、何を聞かれる?
例えば、父が亡くなり、母と子2人が相続したケースです。母名義の預金に父の給与や年金から移したお金が入っていると、調査では「この預金は誰のお金か」を細かく聞かれます。お金を出したのが父なら、名義が母でも父の相続財産として扱われることがあります。分かることは事実どおりに答え、分からないことは「確認してお答えします」と伝えれば大丈夫です。
相続税の調査は、思っているより身近です。国税庁の「令和6事務年度における相続税の調査等の状況」では、実地調査は9,512件ありました。
そのうち、申告漏れなどが見つかった割合は82.3%です。1件当たりの追徴税額は867万円でした。
『うちは普通の家だし、隠しているものなんてないのに』と思いますよね。実は、見つかる申告漏れの多くは、悪意のない「家族名義の預金」や「計上し忘れ」なんです。
家族が聞かれやすい質問と答え方
調査では、まず亡くなった人の暮らしぶりや経歴から話が始まることが多いです。雑談のように見えても、お金の流れを確かめるための質問なので、事実どおりに答えましょう。
| よく聞かれる質問 | 聞かれる理由 | 答え方のコツ |
|---|---|---|
| 亡くなった人の仕事や、退職した時期は? | 収入と、残った財産の額が合うかを見る | 勤め先と退職時期を分かる範囲で話す |
| 亡くなる前の入院や介護の様子は? | 誰がお金を管理していたかを確かめる | 通帳を誰が持っていたかを正直に話す |
| 家族名義の預金は、誰がお金を入れた? | 名義預金かどうかを判断する | 入金元と、通帳・印鑑を誰が管理していたかを話す |
| 生前に家族へお金を渡したことは? | 生前贈与や、相続前の贈与の加算漏れを見る | 贈与契約書や贈与税の申告があれば見せる |
| 大きな引き出しの使いみちは? | 現金で手元に残っていないかを確かめる | 使いみちが分かる領収書や記録を出す |
| 貸金庫や、自宅にある現金は? | 申告に入っていない財産がないかを見る | 中身を確認したかどうかを含めて話す |

「お父さんが退職されたのはいつごろですか?」
「たしか65歳で、そのあとは年金暮らしでした」
こんなやり取りから、退職金や年金の額と、残っている預金の額が合っているかを確かめていくんです。
答え方で気をつけたいこと
分からないことを、その場の思い込みで答えないようにしましょう。
あとで記録と違っていると、かえって話がややこしくなります。「確認してからお答えします」と伝えるのは、何も失礼ではありません。
名義預金がある家と、引き出しが多い家では何が違う?
結論から言うと、聞かれる中心が変わります。2つのケースで比べてみますね。
| ケース | 聞かれやすいこと | 結論の分かれ目 | 理由・注意 |
|---|---|---|---|
| 母や孫の名義の預金に、父のお金が入っている | 誰がお金を出したか、通帳・印鑑を誰が管理していたか | 父が出して父が管理していたなら、父の相続財産になりやすい | 贈与契約書があり、受け取った人が通帳を管理していれば贈与と見てもらいやすい |
| 亡くなる前に、父の口座から大きな引き出しが続いていた | 引き出したお金の使いみち、手元の現金 | 使いみちが説明できれば問題になりにくい | 介護費用や施設の費用なら領収書をそろえる。現金が残っていれば相続財産 |
名義預金のケース:通帳と印鑑の管理が分かれ目
『母の名前の口座なんだから、母のお金でしょ?』と思うかもしれません。ただ、相続税では名義よりも「お金を出した人」と「管理していた人」を見るんです。
家族名義でも、実質が亡くなった人の財産なら、相続財産になります。申告に入れていないと、調査で指摘されやすいポイントです。
生前に贈与していたなら、毎年の贈与契約書や、受け取った人が通帳と印鑑を管理していた記録が支えになります。
引き出しが多いケース:使いみちのメモが助けになる
亡くなる前の数年間に、まとまった額の引き出しが続いていると、「その現金はどこへ行ったのか」を聞かれます。
施設の入居費や医療費に使ったなら、その領収書が答えになります。家族が立て替えて精算したなら、そのメモも残しておきましょう。
申告の時点で引き出しの記録をまとめておくと、調査でも慌てずに済みます。申告の準備の進め方は遺産規模別に見る申告の手順にまとめています。
調査の当日はどんな流れ?
調査は、事前に日程の連絡があってから行われるのが一般的です。家族がどう動けばいいか、流れを並べてみます。
- 税務署から連絡が来たら、日程と来る人数を確認する(税理士に頼んでいるなら税理士に連絡が行く)
- 申告書の控えと、通帳・領収書・贈与契約書を手元にそろえておく
- 当日は、亡くなった人の経歴や暮らしぶりの話から始まる
- 通帳や印鑑、貸金庫の中身を確認されることがある
- 後日、指摘があれば修正申告をするかどうかを話し合う
『家の中まで見られるの?』と心配になりますよね。通帳や印鑑の保管場所を確認されることはありますが、調査官の質問に一つずつ答えていけば大丈夫です。
指摘を受けて修正申告をする場合は、加算税や延滞税がかかることがあります。逆に、土地の評価などで納めすぎに気づいた時は、還付を受けられるケースもあります。
申告していない家に届く「お尋ね」とは違う
調査とは別に、税務署から「相続についてのお尋ね」という書類が届くこともあります。これは、申告が必要かどうかを確かめるための書類です。
『お尋ねが来たら、もう調査なの?』と驚きますよね。ただ、お尋ねは財産の概要を書いて返す書類で、家に調査官が来る実地調査とは別のものなんです。
書き方に迷う時は、お尋ねが届いた時のケース別の書き方を見てみてください。
調査の前に、家族で準備しておくこと
調査で慌てないための何より大事な準備は、申告の時点で説明できる資料をそろえておくことです。
- 亡くなった人の通帳(過去の分も含めて手元にあるもの)
- 家族名義の預金の通帳と、そのお金の出どころが分かる記録
- 贈与契約書や、贈与税の申告書の控え
- 大きな引き出しの使いみちが分かる領収書やメモ
- 申告書の控えと、財産の評価に使った資料
家族名義の預金がある、亡くなる前の引き出しが多い、申告を自分たちで済ませた。こうしたケースでは、調査の立ち会いや説明を税理士に頼むと、家族の負担がぐっと軽くなります。
税理士ドットコム
わが家のケースは、相続に強い税理士に聞くのが近道
相続税がかかりそう、土地や自宅がある、相続人が多い、期限が近いといったケースでは、相続税に詳しい税理士に早めに相談すると安心です。税理士ドットコムなら、全国7,500名以上の登録税理士から相続に強い税理士を無料で紹介してもらえます。
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よくある質問
税務調査には、家族の誰が立ち会えばいいですか?
亡くなった人のお金の管理を知っている相続人が立ち会うのが話を進めやすいです。申告を税理士に頼んでいれば、税理士も同席できます。
調査で聞かれたことに、その場で答えられなかったらどうなりますか?
「確認してからお答えします」と伝えて、後日資料をそろえて回答すれば大丈夫です。思い込みで答えるほうが、あとで食い違いの原因になります。
調査で申告漏れが見つかったら、どうなりますか?
修正申告をして、不足分の相続税を納めます。加算税や延滞税がかかることもあるので、指摘された内容は税理士と確認しておきましょう。
まとめ
- 調査で聞かれる中心は、亡くなった人のお金の流れと家族名義の預金
- 名義預金のケースは、誰がお金を出し、誰が通帳を管理していたかが分かれ目
- 引き出しが多いケースは、使いみちの領収書やメモが答えになる
- 分からないことは、その場で答えず確認してから回答すればいい
- 申告の時点で資料をそろえておくのが、何よりの調査対策




