相続税の税務調査が来るのはどんな家?財産規模・申告内容のケース別に確率を確認

相続税の税務調査が来やすい家をケース別に確認する記事のアイキャッチ

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相続税の申告を出したあと、税務署から連絡が来たらどうしよう。うちにも調査が来るのか、気になって落ち着かない方も多いですよね。

結論から言うと、税務調査は「申告が少なく見える家」と「申告すべきなのに出していない家」に向かいやすいです。財産が多いかどうかより、申告の中身が大事なんです。

この記事では、国税庁が公表している件数をもとに、どんな家に調査が来やすいのかをケースで見ていきます。

目次

うちに税務調査は来る?ケース別の目安

このケースではこうなる

例えば、父が亡くなり、子2人が預貯金と自宅を相続したケースです。父の口座から家族名義の口座へ毎年まとまったお金が移っていて、その預金を相続財産に入れずに申告したなら、名義預金として調査の対象になりやすいケースです。反対に、家族名義の預金も含めて根拠をそろえて申告した家は、実地調査まで進まないこともあります。

国税庁は、資料情報などから申告額が少ないと想定される事案や、申告義務があるのに無申告と想定される事案に実地調査をしていると説明しています。

ケースごとの目安を並べてみます。

ケース調査の来やすさ理由・注意
家族名義の預金を相続財産に入れていない来やすい名義預金は相続財産になる。申告漏れで最も多いのは現金・預貯金等
申告が必要なのに出していない来やすい無申告事案は実地調査の重点
亡くなる前に多額の引き出しがあり、使い道を説明できない説明を求められやすい手元の現金や家族への移動を確認される
家族名義の預金も含めて計上し、根拠書類がそろっている実地調査まで進まないことも文書や電話での確認で終わる場合がある
父と子2人のケースで、名義預金の扱いや申告の有無によって税務調査の来やすさが分かれる分岐表の図

相続税の税務調査の確率はどれくらい?

『実際、どれくらいの家に調査が来ているの?』と気になりますよね。国税庁の公表値を並べてみます。

項目件数・割合
相続税の課税対象になった被相続人(令和5年分)約15.6万人
実地調査の件数(令和6事務年度)9,512件
実地調査で申告漏れ等が見つかった割合82.3%
実地調査1件当たりの追徴税額867万円
簡易な接触(文書・電話・来署依頼)の件数21,969件

数字は国税庁「令和6事務年度における相続税の調査等の状況」によるものです。

年の区切りが違うので、そのまま割り算した確率にはなりません。ただ、課税対象の人数と比べると、実地調査まで進むのは一部だと分かります。

一方で、調査に入った家の8割以上で申告漏れ等が見つかっています。来た時には何かしら指摘されることが多い、と考えておくと備えやすいです。

調査はいつごろ来る?

『申告してから、いつまで気にしていればいいの?』という声もよく聞きます。調査がいつ来るかは公表されておらず、決まった時期もありません。

だからこそ、申告した時の資料はまとめて保管しておきましょう。財産の一覧、残高証明書、遺産分割協議書、計算のメモがそろっていれば、急に連絡が来ても落ち着いて答えられます。

「簡易な接触」は実地調査とは違う

実地調査は、調査官が自宅などに来て話を聞く調査です。

簡易な接触は、文書や電話、税務署への来署依頼で、申告漏れや計算の誤りを正してもらう方法です。件数は実地調査の2倍以上あります!

「税務署から電話が来たんだけど、これって調査?」
「計算の確認や書類の追加をお願いされるだけのこともあります。内容をメモして、慌てず答えれば大丈夫ですよ」

調査が来やすいのはどんな家?

ここからは、特に気をつけたいケースを見ていきます。

家族名義の預金がある家

例えば、母が専業主婦で、父の収入から母名義の口座に毎年お金を移していたケースです。

母名義でも、実質は父のお金なら名義預金として父の相続財産になります。申告漏れになった財産を金額で見ると、最も多いのが現金・預貯金等です。

『名義が家族なら、家族のお金でしょ?』と思いがちです。ただ、贈与契約書が無い、通帳や印鑑を父が管理していた、という場合は名義預金と見られやすくなります。

申告すべきなのに出していない家

国税庁は、無申告事案への実地調査に力を入れています。令和6事務年度は、無申告事案だけで650件の実地調査がありました。

『どうせ分からないだろう』と思って出さないのは危険です。基礎控除を超えるか迷う家は、申告が要るか先に確かめておきましょう。判定のしかたは相続税がかからない場合の手続きのケース別判定で紹介しています。

亡くなる前に大きなお金が動いた家

入院や介護の費用で、亡くなる前にまとまった現金を引き出すことはよくあります。

問題になるのは、その使い道を説明できない時です。手元に残った現金や、家族の口座に移ったお金は、相続財産になることがあります。

生前贈与も確認されます。2024年1月1日以降の贈与は、相続開始前7年以内の分が相続財産に加算される仕組みに変わりつつあります(2027年1月以降の相続から段階的に延び、2031年1月以降の相続で7年)。

調査に備えて、申告前にできることは?

調査が来るかどうかは、申告の時点の準備でかなり変わります。

申告前の確認ポイント
  • 亡くなった人の口座の入出金を、さかのぼって確認したか
  • 家族名義の預金が、実質は亡くなった人のお金ではないか確かめたか
  • 生前贈与のうち、加算の対象になる期間の分を拾ったか
  • まとまった引き出しの使い道をメモで説明できるか
  • 生命保険金や死亡退職金を、非課税枠を差し引いたうえで計上したか

申告に必要な書類は相続税申告の必要書類のケース別チェック表で確認できます。

書面添付制度を使う

書面添付制度は、税理士が申告書の作成でどんな確認をしたかを書いた書面を、申告書に添付する制度です。

この書面が出ていると、税務署は調査の連絡をする前に、税理士に意見を聞く機会を設けます。そこで疑問が解ければ、実地調査に進まないこともあるんです。

税理士選びの観点として、書面添付制度に対応しているかを確かめておくのも一つの方法です。

申告後に間違いに気づいたら

調査の連絡が来る前に、自分から修正申告をすると、過少申告加算税はかかりません。追徴の目安は相続税の追徴課税のケース別試算で見られます。

家族名義の預金がある、亡くなる前の入出金が多い、無申告のままで不安がある。こうしたケースは、申告内容の見直しや調査の立ち会いを税理士に頼むと、一人で対応するより落ち着いて進められます。

税理士ドットコム

わが家のケースは、相続に強い税理士に聞くのが近道

相続税がかかりそう、土地や自宅がある、相続人が多い、期限が近いといったケースでは、相続税に詳しい税理士に早めに相談すると安心です。税理士ドットコムなら、全国7,500名以上の登録税理士から相続に強い税理士を無料で紹介してもらえます。

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よくある質問

相続税の税務調査はいくら以上の遺産だと来ますか?

金額の基準は公表されていません。国税庁は、申告額が少ないと想定される事案や無申告と想定される事案に実地調査をしていると説明しています。

相続税の税務調査に入られると、どのくらい指摘されますか?

令和6事務年度は、実地調査9,512件のうち82.3%で申告漏れ等が見つかり、1件当たりの追徴税額は867万円でした。

税務署から電話や手紙が来たら、税務調査ですか?

文書や電話、来署依頼で誤りを正してもらう「簡易な接触」の場合もあります。内容を確認して、分からなければ税理士に相談してみてください。

まとめ

この記事の要点
  • 税務調査は、申告が少なく見える家と無申告の家に向かいやすい
  • 令和6事務年度の実地調査は9,512件、申告漏れ等が見つかった割合は82.3%
  • 申告漏れで最も多いのは現金・預貯金等。家族名義の預金は特に注意
  • 文書や電話での簡易な接触は21,969件あり、実地調査とは別
  • 書面添付制度や、調査前の自主的な修正申告で負担を抑えられることがある
相続ケース案内

相続ケース案内 編集部

家族構成や財産の状況ごとに、相続・相続税がどうなるかを公的機関の公開情報をもとに解説しています。 公式サイト

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