夫婦の共有財産は相続でどうなる?妻名義預金のケース判定

夫婦の共有財産と妻名義預金が相続財産に入るかをケース別に判定する記事のアイキャッチ

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夫が亡くなって、通帳を見ていたら妻名義の預金もかなりある。『夫婦で貯めたお金だから、半分は私のものでは?』と考える方も多いはずです。

結論から言うと、相続税では「誰の名義か」より「誰のお金で貯めたか」で決まります。この記事では、名義と出どころの組み合わせごとに、相続財産に入るかどうかを見ていきます。

目次

妻名義の預金は夫の相続財産になる?

このケースの結論

夫の給与から妻名義で積み立てた預金は、贈与の事実がなければ夫の財産(名義預金)として相続税の対象になります。妻自身の働いた収入や、妻が自分の親から相続したお金で貯めた分は妻の財産なので入りません。夫婦で築いた財産でも、離婚の財産分与のように半分ずつにはならない点に注意が必要です。

よくあるのが、夫の給与を家計に入れ、余った分を妻名義の口座に移していたケースですよね。生活費の残りを貯めた、いわゆる「へそくり」も同じです。

この場合、口座の名義は妻でも、お金の出どころは夫の収入です。夫から妻へ贈与した記録がなければ、夫の財産として扱われやすいんです。

名義と出どころの組み合わせで分けると、次のようになります。

ケース相続財産に入るか理由・注意
夫名義の預金入る亡くなった夫の財産そのもの
夫の給与から貯めた妻名義の預金入る可能性が高い名義預金。贈与契約や贈与税の申告がなければ夫の財産とされやすい
妻の給与・パート収入で貯めた預金入らない妻が自分で得たお金
妻が自分の親から相続したお金入らない妻の固有の財産
夫婦で持分2分の1ずつ登記した自宅夫の持分だけ入る共有名義なら亡くなった人の持分が対象
子や孫の名義で夫が貯めた預金入る可能性が高い通帳・印鑑を夫が管理していたかが分かれ目
夫名義・妻名義・共有名義の財産が相続財産に入るかを名義と出どころで振り分けたケース別の分岐表

妻名義預金2,000万円が入るとどれだけ変わる?

例えば、夫が亡くなり、妻と子2人が相続するケースで計算してみます。夫名義の預金と自宅で5,000万円、ほかに夫の給与から貯めた妻名義の預金が2,000万円あるとします。

法定相続人は3人なので、基礎控除は4,800万円です。法定相続分どおりに分けたとして計算しました。

ケース課税価格の合計相続税の総額納付額の合計内訳・注意
妻名義預金を妻の財産と判断できる5,000万円20万円10万円子2人が5万円ずつ。配偶者は軽減で0円
妻名義預金を名義預金として加える7,000万円225万円112万5,000円子2人が56万2,500円ずつ。配偶者は軽減で0円

同じ家族でも、妻名義の預金をどう扱うかで、子の納付額が大きく変わりますよね。

どちらのケースでも、配偶者の税額軽減を使うには申告が必要です。妻の納付額が0円でも、申告書は出しておきましょう。

実は、名義預金は税務調査で指摘されやすい財産の一つです。国税庁の令和6事務年度の調査では、実地調査の82.3%で申告漏れなどが見つかっています。

名義預金かどうかは何で分かれる?

『私の口座なのに、なぜ夫の財産なの?』と感じますよね。判断の手がかりは、次のような事実です。

妻名義の預金を見直すポイント
  • お金の出どころが夫の給与・退職金ではないか
  • 通帳と印鑑を誰が持っていたか
  • 妻が自分の判断で引き出したり使ったりしていたか
  • 夫から妻への贈与契約書や、贈与税の申告の記録があるか
  • 毎年同じ額を移していなかったか

例えば、こんな会話がきっかけで気づくこともあります。

「この定期預金、お母さん名義だけど、どこから入れたお金?」
「お父さんのボーナスを毎年少しずつ移していたの」

この場合は、名義預金として申告に含めることを考えたほうがよい流れです。

反対に、結婚前から妻が持っていた預金や、パートで得た収入を貯めた分は、妻の財産です。入出金の記録が残っていれば、それが説明の材料になります。

夫婦の間でも、贈与税の基礎控除は受け取る人ごとに年110万円です。毎年の贈与契約書を作り、妻が通帳を自分で管理していれば、名義預金と見られにくくなります。

自宅が夫婦の共有名義なら、夫の持分だけが相続財産です。土地の評価や、配偶者が自宅を取得した時の特例については不動産を相続した時のケース別のやることで確認できます。

妻名義・子名義の預金が多い、昔の通帳が残っていない、どこまでが夫のお金か家族で意見が分かれる、というケースは税理士に頼むと楽です。名義預金に当たるかは個別の事情で変わるので、要件を満たすかは税理士に確認しておきましょう。

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基礎控除が家族の人数でいくらになるかは相続人の人数別の基礎控除早見表にまとめています。

よくある質問

専業主婦のへそくりは相続税の対象になりますか?

夫の給与から生活費の残りを貯めたものなら、夫の財産として相続税の対象になる可能性が高いです。妻名義の口座に入っていても、出どころが夫の収入なら名義預金として扱われやすくなります。

夫婦で築いた財産なら、半分は妻のものとして申告できますか?

できません。離婚の財産分与とは考え方が違い、相続税では財産ごとに誰のお金で取得したかで判断します。夫婦の共有名義で登記した不動産なら、夫の持分だけが相続財産です。

妻名義の預金を申告に入れなかった場合はどうなりますか?

税務調査で名義預金と判断されると、追加の相続税に加えて過少申告加算税や延滞税がかかることがあります。迷う預金は、申告前に出どころを確かめておきましょう。

まとめ

この記事の要点
  • 相続税では名義より「誰のお金で貯めたか」で判断する
  • 夫の給与から貯めた妻名義の預金は名義預金として夫の財産になりやすい
  • 妻と子2人で夫名義5,000万円の場合、妻名義2,000万円を加えると納付額は10万円から112万5,000円に
  • 配偶者の税額軽減で0円でも申告は必要
  • 共有名義の自宅は夫の持分だけが相続財産
相続ケース案内

相続ケース案内 編集部

家族構成や財産の状況ごとに、相続・相続税がどうなるかを公的機関の公開情報をもとに解説しています。 公式サイト

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