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新聞の折り込みや郵便で「無料の相続セミナー」の案内が届いた。『タダなら行ってみたいけど、何か売り込まれそう』と迷う方も多いですよね。
結論から言うと、無料の相続セミナーは制度の全体像をつかむには役立ちます。ただ、わが家の税額や分け方まで答えてもらえる場ではなく、主催者によっては商品の案内がセットになっています。
この記事では、どんな人がどのセミナーに行くと得をするのかを、ケースごとに見ていきます。
無料の相続セミナーでは何が聞ける?
例えば、父が元気なうちに相続の準備を考えている家なら、無料セミナーで基礎控除や生前贈与の仕組みを一通り聞くのは十分意味があります。一方、母が亡くなって数か月たち、相続税の期限が迫っている家は、セミナーより個別の相談を先に予約した方が間に合います。
無料セミナーで話されることが多いのは、相続税がかかる目安や生前贈与、遺言書の種類といった、どの家にも共通する話です。
例えば、基礎控除は「3,000万円+600万円×法定相続人の数」です。子2人なら4,200万円、配偶者と子2人なら4,800万円になります。
『うちは対象なのか、ざっくりでも知りたい』という段階なら、こうした話を聞くだけでも見通しが立ちます。
ただ、話は一般論が中心です。土地の評価や特例が使えるかといった個別の判断は、その場では出てこないと考えておきましょう。
主催者で変わる「聞ける話」と注意点
無料セミナーは、誰が主催しているかで中身がかなり違います。
| 主催者のタイプ | 聞ける話 | 注意したいこと |
|---|---|---|
| 市区町村・税理士会などの公的な相談会 | 制度の基本、申告が要りそうかの入口 | 時間が短く、書類作成まではしない |
| 税理士事務所 | 相続税の計算の流れ、申告の進め方 | 後日の個別相談や依頼の案内がある |
| 金融機関・保険会社 | 生命保険の非課税枠、資産の移し方 | 保険や投資商品の提案につながりやすい |
| 不動産会社・建築会社 | 土地の評価、賃貸物件と相続税 | アパート建築や売却の勧誘につながりやすい |
例えば、生命保険金の非課税枠は「500万円×法定相続人の数」で、相続人が受け取った分に使えます。この話自体は正しいのですが、そのまま保険の契約の話に進むこともあるんです。
「今日だけの特別プランです」
「家族と相談してから決めます」
こんなふうに、その場で契約や申込書へのサインはしないと決めておくと安心です。
不動産会社のセミナーでも同じです。賃貸物件を建てると土地や建物の評価が下がる、という話はよく出てきます。
実は、評価が下がることと、家族の手元にお金が残ることは別の話なんです。借入金の返済や空室のリスクもあるので、建築や購入の判断は、その会社と関係のない専門家にも見てもらうのがおすすめです。
『せっかく来たし、話だけでも聞こう』と個別面談に進むのは構いません。持ち帰って比べる前提で聞いておきましょう。

参加する前に、わが家のケースを確かめておく
セミナーを役立てるコツは、行く前に自分の家の状況を書き出しておくことです。
- 相続人になる人の顔ぶれと人数
- 財産のざっくりした内訳(自宅、預金、株、保険)
- 過去に家族へ贈与したお金や不動産があるか
- 聞きたいことを3つまでメモしておく
特に生前贈与は、2024年1月1日以降の贈与から、相続開始前7年以内の分が相続財産に足し戻される仕組みに変わりました。『毎年少しずつ渡しておけば大丈夫』と思っている方は、セミナーの質疑で聞いてみる価値があります。
勉強会タイプのセミナーで全体像をつかんだら、次は個別の相談へ進むのが自然な流れです。どこに相談するかは悩み別の相続の相談先で、贈与の相談については贈与税の相談が要るケースで詳しく見ています。
期限が迫っている家は、個別の相談が先
亡くなった後の家族にとっては、時間がいちばんの問題です。相続税の申告と納付は、亡くなったことを知った日の翌日から10か月以内です。
相続放棄を考えているなら、さらに短く、相続の開始を知った時から3か月以内に家庭裁判所へ申し立てる必要があります。
次の開催日を待っている間に期限が近づいてしまうことも。土地がある、相続人が多い、期限まで半年を切っているという家は、セミナーより先に、相続に慣れた税理士に個別で見てもらうと楽です。
税理士ドットコム
わが家のケースは、相続に強い税理士に聞くのが近道
相続税がかかりそう、土地や自宅がある、相続人が多い、期限が近いといったケースでは、相続税に詳しい税理士に早めに相談すると安心です。税理士ドットコムなら、全国7,500名以上の登録税理士から相続に強い税理士を無料で紹介してもらえます。
紹介料無料税理士ドットコムで相続に強い税理士を紹介してもらう(税理士ドットコムの紹介ページに移動します・24時間365日受付)
税理士に頼む時の見積もりの見方は、相続税申告の料金表の見方が参考になります。
よくある質問
無料セミナーに参加したら、依頼しないといけませんか?
依頼する義務はありません。後日の相談や商品の案内があっても、家族と相談してから決めて大丈夫です。その場で書類にサインしないようにしましょう。
セミナーと無料相談会はどう違いますか?
セミナーは大勢に向けた説明会で、無料相談会は個別に質問できる場です。わが家のことを聞きたいなら、相談会や個別相談の方が向いています。
公的な無料相談はどこでやっていますか?
市区町村の無料相談(税理士・弁護士)、税理士会の相談、法テラス(収入要件あり)、税務署の電話相談センターなどがあります。日程は各窓口で確認してみてください。
まとめ
- 無料の相続セミナーは制度の全体像をつかむのに役立つが、個別の判断は出にくい
- 金融機関や不動産会社の主催は、保険・建築などの勧誘につながりやすい
- 参加前に相続人の人数と財産の内訳を書き出しておく
- 期限が迫る家は、セミナーより個別の相談を先にする




