葬儀費用や立替金の精算を遺産分割協議書に書く時の文例と注意点

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葬儀の支払いは、とりあえず喪主の自分が払った。入院費の請求も後から届いた。『この立て替えたお金、どうやって返してもらえばいいの?』と思っている方も多いはずです。

結論から言うと、誰がいくら立て替えたか、どの財産から返すかを協議書に書いておけば、後で揉めずに精算できます。この記事では、立て替えた場合と亡くなった人の口座から払った場合の文例を比べていきます。

目次

喪主が葬儀費用を立て替えたなら、どう書く?

このケースの結論

父が亡くなり、子2人が相続人で、長男が葬儀費用を自分のお金で払ったケースなら、協議書に「長男が立て替えた葬儀費用金〇〇円は、〇〇銀行の預金から長男が取得して精算する」と書きます。精算した残りを分ける割合も続けて書くと、誰がいくら受け取るかがはっきりします。

立替金の精算で大事なのは、金額と、どの財産から返すかを書くことです。『家族なんだし、口約束でいいか』と思うかもしれません。ただ、領収書のコピーを全員に見せておくと、『本当にその金額?』という疑いも生まれにくくなります。

文例はこうなります。

「第1条 相続人〇〇(長男)が立て替えて支払った被相続人の葬儀費用金〇〇円及び入院費金〇〇円は、次の預金から長男〇〇が取得して精算する。
〇〇銀行 〇〇支店 普通預金 口座番号〇〇〇〇〇〇〇
第2条 前条の預金のうち、前条の精算後の残額は、長男〇〇及び次男〇〇が各2分の1の割合で取得する。」

預金の口座の書き方は預金だけを分ける時の協議書の記載例と同じで、金融機関名・支店名・種類・口座番号で特定します。

喪主が葬儀費用を立て替えたケースで、預金から精算してから残りを分ける流れを示したケース図

亡くなった人の口座から払った時は?

葬儀費用を、亡くなった人の預金から払うケースもありますよね。協議がまとまる前でも、預貯金の仮払い制度を使えば、1つの金融機関ごとに「相続開始時の預金額×1/3×その人の法定相続分」、上限150万円までを単独で払い戻せます。

この場合は、払い戻したお金を葬儀費用に使ったことを協議書に書いておきます。

「第〇条 相続人〇〇(長男)が預貯金の仮払い制度により払戻しを受けた金〇〇円は、被相続人の葬儀費用の支払いに充てたことを、相続人全員が確認する。」

ケース書き方理由・注意
長男が自分のお金で立て替えた立替額と、返す財産を書く領収書を全員に見せておく
仮払い制度で亡くなった人の口座から払った払い戻した額と使い道を確認する一文払い戻した分を長男の取り分と混ぜない
香典で葬儀費用の一部をまかなった香典で払った分は精算の対象から外す香典は喪主が受け取るもので、遺産には入らない
四十九日の法要や墓石の費用も立て替えた葬儀費用とは分けて書く相続税の計算で差し引けない費用

「法要の費用も、遺産から出していいよね?」
「みんなが良ければ出せるよ。ただ、相続税では引けないから分けて書いておこう」

協議書でどう精算するかは相続人が自由に決められます。ただ、相続税の計算で差し引けるかは別の話なので、次で見ていきます。

葬儀費用を引くと、相続税はどう変わる?

相続税では、葬儀費用や亡くなった人の未払いの入院費などの債務を、遺産から差し引けます。香典返し、四十九日などの法要、墓石の購入費は葬式費用に入らないので差し引けません。

例えば、子2人が相続人で、遺産が4,400万円、長男が払った葬儀費用が300万円のケースで見てみます。基礎控除は3,000万円+600万円×2人で4,200万円です。

ケース(子2人・法定相続分どおり)課税価格の合計相続税の総額納付税額の合計
葬儀費用を差し引かなかった4,400万円20万円20万円(各10万円)
葬儀費用300万円を差し引いた4,100万円0円0円

差し引くと基礎控除の4,200万円を下回るので、相続税はかからず申告もいらなくなります。300万円を引き忘れると、納めなくていい税金を払うことになるわけです。

葬儀費用は、実際に負担した人の取得額から差し引きます。協議書で「長男が負担した」と分かるようにしておくと、申告の時にも説明しやすくなります。

精算の前にそろえておくもの
  • 葬儀社の請求書と領収書
  • お布施など領収書が出ない支払いのメモ(日付・相手・金額)
  • 入院費や施設の利用料など、亡くなった後に払った請求書
  • 仮払い制度で払い戻した時の金融機関の書類

葬儀費用を引くと基礎控除前後になる、法要や墓の費用も混ざっている、立て替えた人が複数いる。こんなケースは、精算の書き方と申告がいるかを専門家に見てもらうと迷いません。

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よくある質問

協議書に葬儀費用の精算を書かないといけませんか?

書かなくても協議書は作れます。ただ、立て替えた人がいる時は、書いておかないと誰がいくら受け取るかで後から揉めやすいので、一文入れておく方が安心です。

お布施のように領収書が無い支払いも精算できますか?

相続人全員が納得すれば精算できます。日付・相手・金額をメモしておくと、相続税の申告で葬式費用として差し引く時の説明にも使えます。

立て替えた人が2人いる時はどう書きますか?

「長男が立て替えた金〇〇円」「長女が立て替えた金〇〇円」と人ごとに分けて書き、どの財産から返すかもそれぞれ書きます。借入金の負担も一緒に決める時は借金やローンの負担者を書く時の文例も見てみてください。

まとめ

この記事の要点
  • 立替金は、立て替えた人・金額・どの財産から返すかを協議書に書く
  • 仮払い制度で払った時は、払い戻した額と使い道を確認する一文を入れる
  • 法要や墓石の費用は、葬儀費用と分けて書く
  • 遺産4,400万円・子2人なら、葬儀費用300万円を引くと相続税は0円になる
相続ケース案内

相続ケース案内 編集部

家族構成や財産の状況ごとに、相続・相続税がどうなるかを公的機関の公開情報をもとに解説しています。 公式サイト

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