相続人代表者指定届の書き方と固定資産税で必要な理由

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親が亡くなってしばらくすると、市役所から「相続人代表者指定届」の用紙が届くことがあります。『相続税の書類?登記の書類?』と戸惑った方も多いはずです。

結論から言うと、これは固定資産税の納税通知書を誰に送るかを決める届けです。相続登記や相続税とは別の手続きなんです。この記事では、家族の状況ごとに書き方がどう変わるかを比べます。

目次

なぜ固定資産税でこの届けが要るの?

このケースの結論

父が亡くなり、母と子2人が相続人で、まだ遺産分割も相続登記も済んでいないケースなら、代表者欄に母(または納付を担当する人)を書き、代表者以外の相続人欄に子2人を書いて市区町村に出します。届けを出しても登記の名義は変わらず、納税通知書の送り先が決まるだけです。

固定資産税は、毎年1月1日時点の所有者に課税されます。ところが、所有者が亡くなって相続登記が済んでいないと、通知書を送る相手が決まりません。

そこで、1月1日時点でその土地や家を現に所有している相続人を「現所有者」として申告してもらう仕組みになっています。佐倉市の案内では、現所有者であることを知った日の翌日から3か月を経過した日までに申告するよう求めています。

『代表者になったら、税金を1人で全部払うの?』と心配になりますよね。実は、相続人全員が納税義務者になり、通知書だけが代表者に送られる形です。払い方は相続人で話し合って決めておきましょう。

「お母さんが代表者になると、お母さんの持ち物になるの?」
「ならないよ。通知書の受け取り役を決めるだけなんだ」

届けの名前は市区町村によって違い、「相続人代表者指定届」「現所有者申告書」をまとめた様式になっていることもあります。届いた用紙の記入欄に沿って書いてみてください。

届けの欄はどう書けばいい?

様式は自治体ごとに違いますが、書く内容はおおむね共通しています。

記入する主な欄
  • 亡くなった人(課税台帳上の所有者)の住所・氏名・死亡日
  • 相続人代表者の住所・氏名・続柄・電話番号
  • 代表者以外の相続人全員の住所・氏名・続柄
  • 相続登記が済んでいるか、今後の予定
  • 該当する場合の添付書類(遺産分割協議書の写しなど)

例えば分割前のケースなら、記入例はこうなります。

「相続人代表者: 住所〇〇 氏名〇〇 続柄 妻 電話〇〇
代表者以外の相続人: 住所〇〇 氏名〇〇 続柄 長男/住所〇〇 氏名〇〇 続柄 長女
相続登記の状況: 未了。遺産分割の話し合いがまとまり次第、登記する予定」

代表者は、相続人全員で話し合って決めます。迷うなら、その家に住み続ける人や、通知書が届いた時に納付まで動ける人を選ぶのが現実的です。

注意したいのが、相続放棄をした人の扱いです。放棄した人は相続人欄に書かず、相続放棄申述受理通知書の写しを付けるよう案内している自治体があります。

ケース代表者欄代表者以外の相続人欄添付・注意
分割前・母と子2人母子2人添付なしで出せることが多い。登記の予定欄に「未定」などと書く
分割が決まり長男が自宅を取得・登記はまだ長男母・長女遺産分割協議書の写しを付ける
次男が相続放棄をした話し合って決めた人放棄した次男は書かない相続放棄申述受理通知書の写しを付ける
家族構成と分割の進み具合で、代表者欄と相続人欄の書き方が変わる様子を示したケース図

年内に相続登記まで済んだ場合は、届けの有無にかかわらず、登記した人が翌年度からの課税相手になります。登記の手順は相続登記のケース別手順で確認できます。

相続人の確認に戸籍の束を何度も集めるのが大変なら、法定相続情報一覧図を取るケースも参考になります。

この届けを出せば、登記はしなくていい?

ここは誤解が多いところです。届けを出しても、登記簿の名義は亡くなった人のままです。

相続で不動産を取得した人は、取得を知った日から3年以内に相続登記をする義務があります。正当な理由なく放っておくと、10万円以下の過料の対象になります。

『固定資産税の届けを出したから、手続きは終わり』と思っていると、登記の期限を過ぎてしまうことも。代表者を決めたら、遺産分割と登記の段取りも並べて考えておきましょう。

不動産が複数の市区町村にある、相続人が多くて代表者が決まらない、土地の評価で相続税がかかりそう。こういうケースは、届けと登記と申告をまとめて相談できると、何度も書類を集め直さずに済みます。

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相続税がかかりそう、土地や自宅がある、相続人が多い、期限が近いといったケースでは、相続税に詳しい税理士に早めに相談すると安心です。税理士ドットコムなら、全国7,500名以上の登録税理士から相続に強い税理士を無料で紹介してもらえます。

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よくある質問

不動産が別々の市区町村にある時は?

固定資産税はそれぞれの市区町村が課税するので、届けもそれぞれに出します。用紙が届いた自治体ごとに確認しておきましょう。

代表者は後から変えられますか?

変更の届けを受け付けている自治体が多いです。様式に「変更」と並記されていることもあるので、窓口で確認してみてください。

届けを出すと相続税の申告に影響しますか?

影響しません。この届けは固定資産税の手続きで、相続税の課税とは関係がないと案内している自治体もあります。

まとめ

この記事の要点
  • 相続人代表者指定届は、固定資産税の納税通知書を受け取る代表者を決める届け
  • 固定資産税は毎年1月1日時点の所有者に課税される
  • 相続人全員が納税義務者で、通知書は代表者に送られる
  • 相続放棄をした人は相続人欄に書かず、受理通知書の写しを付ける
  • 届けを出しても登記は別。相続登記は取得を知った日から3年以内

佐倉市「固定資産現所有者について」

相続ケース案内

相続ケース案内 編集部

家族構成や財産の状況ごとに、相続・相続税がどうなるかを公的機関の公開情報をもとに解説しています。 公式サイト

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