相続のお金の渡し方は?代表者口座に入金した後の分け方の例

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『母の預金を自分の口座にまとめて受け取った。ここから弟たちにどう渡せばいいんだろう』。代表で手続きをした方ほど、ここで手が止まりますよね。

結論から言うと、遺産分割協議書に書いたとおりの金額を、振込で記録が残る形で渡せば問題ありません。気をつけたいのは、協議書と違う額を渡した時です。この記事では、代表者口座に入金した後の分け方をケース別に見ていきます。

目次

代表者口座に入金した後は、どう渡せばいい?

このケースではこうなる

例えば、母の預金3,000万円を、子3人で1,000万円ずつ分けると協議書に書き、長男が代表して自分の口座に払い戻したケースです。長男は弟2人の口座へ1,000万円ずつ振り込めば完了です。協議書どおりの分配なので贈与税はかからず、遺産が基礎控除4,800万円以下なので相続税の申告も要りません。

代表者がまとめて受け取ったお金は、受け取った時点ではまだ「みんなの遺産」です。協議書どおりに渡すのは、相続した分を届けているだけなんです。

渡し方の流れは次のとおりです。

代表者口座に入金してから分けるまで
  1. 遺産分割協議書に「長男が代表して払い戻し、各相続人に〇円ずつ分ける」と書き、全員で署名押印する
  2. 金融機関が指定する書類(遺産分割協議書、戸籍か法定相続情報一覧図の写しなど)を出し、代表者の口座に入金してもらう
  3. 協議書の金額どおりに、各相続人の口座へ振り込む
  4. 振込の控えと通帳のコピーを残し、相続人に分配の明細を渡す

現金の手渡しは、後で「受け取っていない」「額が違う」と言われやすいです。振込にしておきましょう。

相続金はいつもらえる?待てない時は?

『協議がまとまるまで、1円も引き出せないの?』という声もよく聞きます。相続金を受け取れるのは、原則として協議がまとまり、金融機関の手続きが済んでからです。

ただ、葬儀費用などで急ぎの時は、預貯金の仮払い制度があります。1つの金融機関ごとに「相続開始時の預金額 × 3分の1 × その人の法定相続分」、上限150万円までは、他の相続人の同意なしに払い戻せます。

協議書と違う額を渡したら?ケース別の税金

ここが大事なところです。代表者が協議書と違う額を渡すと、差額が贈与と見られることがあります。ケースごとに並べるとこうなります。

ケース税金はどうなる?理由・注意
協議書どおり1,000万円ずつ振り込んだ贈与税はかからない相続で取得した分を届けているだけ
協議書は均等なのに、長男が次男へ200万円多く渡した次男に贈与税9万円長男から次男への贈与。基礎控除110万円を引いた90万円に10%
長男が手間賃をもらった協議書の書き方しだい協議書に代表者の取り分として書いておけば、相続で取得した分になる
協議がまとまる前に、代表者が使ってしまった相続人どうしの争いに使い込みを疑われやすい。分けるまで手を付けない
代表者口座に入った預金3,000万円を子3人に1,000万円ずつ分ける内訳バーと、協議書より200万円多く渡すと次男に贈与税9万円がかかる計算シートの図

『兄弟の間なら、多少多く渡しても大丈夫でしょ』と思いがちですよね。でも、兄から弟への贈与は一般税率で計算されます。多めに渡したい時は、渡す前に協議書の金額そのものを直しておく方が安全です。

お礼金や手間賃を渡したい時も、協議書に「長男は代表者としての手続きのため〇円を取得する」と書いておきましょう。協議の進め方は初回の話し合いで決めることの記事で見ています。

遺産が6,000万円なら相続税はいくら?

遺産が基礎控除を超えると、分け方で各人の相続税が変わります。例えば、預金6,000万円を子3人で分けるケースです。

計算の段階均等に分けた場合長男が半分取った場合
課税価格の合計6,000万円6,000万円
基礎控除(法定相続人3人)4,800万円4,800万円
課税遺産総額1,200万円1,200万円
相続税の総額120万円120万円
長男の納付額40万円(取得2,000万円)60万円(取得3,000万円)
次男・三男の納付額各40万円(取得2,000万円)各30万円(取得1,500万円)

総額は同じ120万円で、取った割合に応じて負担が分かれます。代表者がまとめて納める時も、誰がいくら負担するかを協議書に書いておくと揉めません。

代表者口座からの分配で贈与税が気になる、遺産が基礎控除を超えて申告が要る。こんなケースは、分配の前に相続税に詳しい税理士に協議書の書き方まで見てもらうと安心です。

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わが家のケースは、相続に強い税理士に聞くのが近道

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協議がまとまらず代表者を決められない時は、相続人の一人が協議に応じない時の記事も参考にしてみてください。

よくある質問

代表相続人の口座に入金された遺産は、代表者の所得になりますか?

なりません。協議書どおりに他の相続人へ分ける分は、それぞれが相続で取得したお金です。協議書どおりに振り込めば贈与税もかかりません。

遺産を兄弟に現金の手渡しで渡してもいいですか?

違法ではありませんが、後で額の食い違いが起きやすいです。振込にして控えを残し、分配の明細を渡しておくと安心です。

代表者が手間賃をもらうと贈与税がかかりますか?

協議書に代表者の取得分として書いておけば、相続で取得した分として扱われます。協議書に書かずに後から他の相続人が渡すと、贈与と見られることがあります。

まとめ

この記事の要点
  • 代表者口座に入金した遺産は、協議書どおりの額を振込で渡せば贈与税はかからない
  • 協議書と違う額を渡すと、差額が贈与と見られることがある
  • 多めに渡したい・手間賃を受け取りたい時は、先に協議書に書いておく
  • 急ぎの時は仮払い制度で、1金融機関あたり上限150万円まで払い戻せる
  • 遺産が基礎控除を超えたら、分け方に応じて各人の相続税が決まる
相続ケース案内

相続ケース案内 編集部

家族構成や財産の状況ごとに、相続・相続税がどうなるかを公的機関の公開情報をもとに解説しています。 公式サイト

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