相続人の一人が遺産分割協議に応じない時、残りの家族ができること

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『弟だけが、何度連絡しても返事をくれない。このままだと実家も預金も動かせない』。そんな状況で困っている方も多いはずです。

結論から言うと、遺産分割協議は相続人全員の合意が必要なので、一人が応じないと協議は成立しません。ただ、残りの家族にも打てる手はあります。この記事では、応じない理由のタイプ別に、何から始めればいいかを見ていきます。

目次

一人が協議に応じない時、まず何をすればいい?

このケースではこうなる

例えば、父が亡くなり、母と子3人が相続人で、次男だけが連絡を無視しているケースです。居場所が分かっているなら、家庭裁判所に遺産分割調停を申し立てるのが次の一手です。調停にも来ないまま不成立になれば、審判で裁判官が分け方を決めます。次男の同意がなくても、最後は手続きを進められるんです。

協議はいつでもでき、法律上の期限はありません。ただ、協議がまとまらない時や協議ができない時は、各相続人が家庭裁判所に分割を求められると民法で決まっています。

調停に進む前に、記録の残る形で一度連絡しておきましょう。例えば、こんな書き方です。

「父さんの遺産の分け方について、財産の一覧と案を送ります」
「〇月〇日までに返事がなければ、家庭裁判所の調停を考えています」

応じない理由のタイプ別に、打てる手は?

『応じない』と一口に言っても、理由で打ち手が変わります。タイプ別に並べるとこうなります。

応じないタイプ残りの家族ができること注意
連絡を無視する(居場所は分かる)書面で案を送り、遺産分割調停を申し立てる欠席が続けば審判で分け方が決まる
行方が分からない家庭裁判所に不在者財産管理人の選任を申し立てる生死が7年間分からない時は失踪宣告の道もある
内容に不満で判を押さない案を見直す、調停で第三者に入ってもらう生前贈与や介護の貢献が争点になりやすい
関わりたくないだけ相続放棄や、相続分の譲渡を提案する相続放棄は知った時から3か月以内
判断能力が衰えていて話し合えない成年後見人などに代わりに協議してもらう後見人は本人の取り分を守る立場で協議する
相続人の一人が遺産分割協議に応じない時を、無視・行方不明・内容に不満・関わりたくない・判断能力が衰えているの5タイプに分け、調停や管理人の選任など残りの家族が打てる手を並べた分岐表の図

無視されるケース

無視される時の基本は、遺産分割調停です。申立ては他の相続人全員を相手方にして、相手方のうち誰かの住所地の家庭裁判所に出します。費用は被相続人1人につき収入印紙1,200円分と郵便切手です。

調停で何が起きるか、相手が来ない時はどうなるかは相続の調停のケース別の流れで見ています。

関わりたくないだけのケース

『遺産はいらないから、もう巻き込まないで』というタイプもいますよね。この場合は、その相続人に「相続分の譲渡」をしてもらう方法があります。譲り受けた人が代わりに協議に加わるので、話が前に進みます。

相続放棄でも協議から抜けられますが、放棄は相続の開始を知った時から3か月以内に家庭裁判所に申し述べる必要があります。期限を過ぎていたら、譲渡を考えてみてください。

協議が止まっている間に、気をつけたい期限は?

ここが見落としやすいところです。協議そのものに期限はなくても、その周りの手続きには期限があります。

協議が止まっている間に確認したい期限
  • 相続税の申告: 亡くなったことを知った日の翌日から10か月以内
  • 相続登記: 不動産を取得したことを知った日から3年以内(相続人申告登記で義務を果たす道もある)
  • 遺産分割: 相続開始から10年を過ぎると、特別受益や寄与分を原則として主張できなくなる
  • 相続放棄: 相続の開始を知った時から3か月以内

相続税の申告期限までに協議がまとまらない時は、法定相続分で仮に申告し、「申告期限後3年以内の分割見込書」を出しておきます。そうすれば、分割が決まった後に配偶者の税額軽減や小規模宅地等の特例を受けられます。特例の要件を満たすかは、税理士に確認してみてください。

例えば、母と子3人のケースで、実家の土地と預金があり、一人が応じないまま申告期限が近づいている。こういう時は、相続税に詳しい税理士に未分割での申告を任せると、母の税額軽減などの使い漏れを防げます。

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協議がまとまった後のお金の分け方は代表者口座に入金した後の分け方の記事で見ています。

よくある質問

相続人の一人が遺産分割協議を無視し続けたら、遺産はずっと動かせませんか?

家庭裁判所に遺産分割調停を申し立てられます。相手が欠席を続けて不成立になれば審判に移り、裁判官が分け方を決めます。

遺産分割協議に、相続人の配偶者など相続人以外が参加してもいいですか?

同席して話し合いを手伝うことはありますが、合意するのは相続人本人です。遺産分割協議書に署名押印するのも相続人だけです。

遺産分割に時効はありますか?

遺産分割そのものに期限はありません。ただし相続開始から10年を過ぎると、特別受益や寄与分を原則として主張できなくなり、法定相続分で分けることになります。

まとめ

この記事の要点
  • 遺産分割協議は全員の合意が必要。一人が応じないと協議は成立しない
  • 無視されるなら遺産分割調停。欠席が続けば審判で分け方が決まる
  • 行方不明なら不在者財産管理人、関わりたくないなら相続分の譲渡や相続放棄
  • 協議が止まっていても、相続税10か月・相続登記3年の期限は進む
  • 申告期限に間に合わない時は、未分割で申告して分割見込書を出す
相続ケース案内

相続ケース案内 編集部

家族構成や財産の状況ごとに、相続・相続税がどうなるかを公的機関の公開情報をもとに解説しています。 公式サイト

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