婚約中に相手が亡くなった場合、財産は受け取れる?遺言・保険・同居の有無で比較

婚約中に相手が亡くなった時に、婚約者が財産を受け取れるかをケース別に解説する記事のアイキャッチ

当サイトは国税庁・法務省・裁判所などの公開情報をもとに編集部が執筆しています。記事内のサービス紹介には広告を含みます。

婚姻届を出す直前に、婚約者が亡くなってしまった。悲しみの中で『一緒に暮らした家や、貯めてきたお金はどうなるの?』と不安になりますよね。

結論から言うと、婚姻届を出していない婚約者には相続権がありません。ただ、遺言や生命保険など、財産を受け取れる道はいくつかあります。この記事では、ケースごとに受け取れるものを確認していきます。

目次

婚約者に相続権はある?

このケースの結論

婚姻届を出していなければ、婚約中でも同居していても相続人にはなりません。相手の財産は、相手の親(親がいなければ兄弟姉妹)が相続します。婚約者が受け取れるのは、遺言で財産を遺された場合、生命保険の受取人になっていた場合、相続人がいない時に特別縁故者として認められた場合です。

民法では、配偶者は婚姻届を出した夫婦だけを指します。内縁の配偶者も相続人にならないのと同じで、婚約者も相続人ではないんです。

『もう式場も決めていたのに』という気持ちは当然ですよね。ただ、法律上は「まだ他人」として扱われるので、何もしなければ財産は相手の家族に渡ります。

まず切り分けたいのは、あなた自身の物です。あなたのお金で買った家具や、あなた名義の預金は、そもそも相手の遺産ではありません。購入時の記録や通帳を残しておきましょう。

婚約者が財産を受け取れる3つのケース

ケース受け取れるか理由・注意
相手が遺言で財産を遺していた受け取れる相手の親には遺留分があり、請求されることがある。兄弟姉妹だけなら遺留分はない
生命保険の受取人が婚約者受け取れる受取人の財産として受け取る。相続税の非課税枠は使えない
遺言も保険もなく、相続人もいない申し立てれば可能性がある家庭裁判所に特別縁故者として財産分与を申し立てる
遺言も保険もなく、親や兄弟姉妹がいる受け取れない相続人の好意で分けてもらうと、贈与として扱われることがある
亡くなった婚約者・その両親・婚約者本人の家系図で、相続人は両親で、婚約者は遺言による遺贈でだけ財産を受け取る関係を示したケース図

遺言で遺された時の相続税は?

例えば、相手の遺産が6,000万円で、相続人は相手の両親2人。遺言で婚約者に2,000万円、残りを両親が受け取るケースで計算してみます。

計算の段階金額
課税価格の合計6,000万円
基礎控除(両親2人。婚約者は数えない)4,200万円
課税遺産総額1,800万円
相続税の総額180万円
両親(2,000万円ずつ取得)60万円ずつ
婚約者(2,000万円取得・2割加算)72万円

婚約者は配偶者でも子でもないので、税額が2割増しになります。配偶者の税額軽減も使えません。ここが、婚姻届を出していた場合との大きな違いなんです。

相手の家族が健在かどうかで、何が変わる?

同じ遺言でも、相手の家族構成で結果が変わります。

相手の親が健在なら、親には遺留分があります。親だけが相続人の場合、遺産全体の3分の1が遺留分です。「全財産を婚約者に」という遺言でも、親から請求されれば金銭で支払うことになります。

「遺言があるのに、払わないといけないんですか?」
「親の遺留分を侵害した分は、請求されると払う必要があります。最初から親の取り分を残した遺言なら、揉めにくくなります」

一方、親が亡くなっていて相続人が兄弟姉妹だけなら、兄弟姉妹に遺留分はありません。遺言どおりに受け取れます。

相続人が1人もいない場合は、相続財産清算人が選ばれた後、特別縁故者として家庭裁判所に財産分与を申し立てる道があります。同居して生活を共にしていた事情は、ここで考慮されることがあります。

『そもそも遺言なんてなかった』というケースが多いはずです。その場合は、相手の家族に事情を話し、話し合うところからになります。

相手の家族が「思い出の品を受け取ってほしい」と言ってくれることもあります。形見分けの範囲なら気にしすぎなくて大丈夫です。ただ、まとまったお金や不動産を譲ってもらう時は、相続人がいったん相続した後の贈与として扱われることがあります。

相手が亡くなった後に確認しておきたいこと
  • 相手が遺言を書いていたか(法務局の保管制度や公証役場も確認)
  • 生命保険の受取人が誰になっているか
  • 同居の家具や預金のうち、自分のお金で買った物・自分名義の物はどれか
  • 相手の相続人は誰か(親か、兄弟姉妹か、いないのか)

遺言で財産を受け取った、生命保険の受取人になっていた、相手の家族と分け方を話し合う必要がある。こんなケースは、相続税の申告と一緒に税理士へ相談すると楽です。個別の扱いは税理士に確認を。

税理士ドットコム

わが家のケースは、相続に強い税理士に聞くのが近道

相続税がかかりそう、土地や自宅がある、相続人が多い、期限が近いといったケースでは、相続税に詳しい税理士に早めに相談すると安心です。税理士ドットコムなら、全国7,500名以上の登録税理士から相続に強い税理士を無料で紹介してもらえます。

紹介料無料税理士ドットコムで相続に強い税理士を紹介してもらう

(税理士ドットコムの紹介ページに移動します・24時間365日受付)

相続人が誰になるかは子供がいない夫婦のケース別の相続割合と家族図10パターンで確認できます。

よくある質問

同居していた家に住み続けることはできますか?

相手名義の家なら、相続した家族のものになります。賃貸なら、契約の扱いを家族や貸主と話し合うことになります。

生命保険金にも相続税がかかりますか?

相手が保険料を払っていた保険なら相続税の対象です。婚約者は相続人でないので非課税枠は使えず、2割加算もかかります。

婚約指輪や結納金は返す必要がありますか?

相続とは別の問題です。相手の家族と話し合い、まとまらなければ弁護士に相談してみてください。

まとめ

この記事の要点
  • 婚姻届を出していない婚約者は相続人ではない
  • 受け取れる道は、遺言・生命保険の受取人・特別縁故者の3つ
  • 遺言で受け取ると2割加算がかかり、配偶者の税額軽減は使えない
  • 相手の親には遺留分があり、兄弟姉妹にはない
  • 自分のお金で買った物は、そもそも相手の遺産ではない
相続ケース案内

相続ケース案内 編集部

家族構成や財産の状況ごとに、相続・相続税がどうなるかを公的機関の公開情報をもとに解説しています。 公式サイト

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次