当サイトは国税庁・法務省・裁判所などの公開情報をもとに編集部が執筆しています。記事内のサービス紹介には広告を含みます。
実家を片付けていたら、古い掛け軸や茶道具がいくつも出てきた。テレビや家具もある。『こういう物にも相続税がかかるの?』と手が止まる方も多いはずです。
結論から言うと、骨董品も家財道具も相続税の財産です。ただ、評価の仕方は物によって違います。この記事では、家財一式でまとめてよい物と、1点ずつ評価する物の分かれ目を見ていきます。
骨董品と家財道具はどう評価する?
テレビや家具などの家庭用の財産は、1個または1組の価額が5万円以下なら「家財一式」として一世帯ごとにまとめて評価できます。掛け軸・絵画・茶道具などの書画骨董品は、売買の実例価格や専門家の意見価格を参考に評価します。高い価値がありそうな物は、まとめずに1点ずつ評価しておきましょう。
国税庁の財産評価基本通達では、家具などの動産は原則1個または1組ごとに評価します。そのうえで、家庭用の動産で5万円以下の物は、一括して一世帯ごとに評価できるとされています。
売買の実例価格が分からない家財は、同じ種類の新品の小売価格から、使った年数分の減価を引いて評価します。
書画骨董品は、骨董商などの販売業者が持っている物でなければ、売買実例価額や精通者意見価格を参考にします。原文は国税庁の動産の評価(一般動産)と書画骨とう品の評価で確認できます。
| 物 | 評価の仕方 | 理由・注意 |
|---|---|---|
| テレビ・冷蔵庫・家具(1点5万円以下) | 家財一式としてまとめて評価できる | 一世帯ごとにまとめる |
| 1点5万円を超える家具・家電 | 1個・1組ごとに評価 | 実例価格が分からなければ新品価格から減価を引く |
| 掛け軸・絵画・茶道具などの書画骨董品 | 売買の実例価格や専門家の意見価格を参考に評価 | 鑑定書や買取の査定額が手がかり |
| 仏壇・仏具・墓石 | 非課税 | 純金の仏具など骨董的価値や投資目的の物は対象 |

『仏壇の中の金の仏具も非課税でしょ?』と思うかもしれません。ただ、純金の仏具のように骨董的な価値や投資の目的がある物は、非課税の対象から外れます。
骨董品の鑑定額で相続税はいくら変わる?
例えば、母が亡くなり、子1人が相続するケースで比べてみます。法定相続人は1人なので、基礎控除は3,600万円です。
預金や自宅などで3,490万円、家財一式を10万円と評価したとします。そこに骨董品があるかどうかで、次のように分かれます。
| ケース | 課税価格の合計 | 納付額 | 理由・注意 |
|---|---|---|---|
| 家財一式だけ(骨董品なし) | 3,500万円 | 0円 | 基礎控除以内で申告も不要 |
| 掛け軸と茶道具の鑑定額が500万円 | 4,000万円 | 40万円 | 課税遺産総額400万円 × 10% |
骨董品があるだけで、申告が要らないケースから納付が要るケースに変わることがあるんです。
ここが大事なところです。骨董品は、亡くなった人の趣味で集めた物ほど価値が分かりにくいですよね。「古いだけで値段は付かない」と決めつけず、気になる物は査定を取っておくと安心です。
家財一式の評価額は、家の中の物の量や状態で変わります。表の10万円は計算の流れを見せるための仮の数字です。
申告前に骨董品を確かめる手順は?
例えば、片付けの途中でこんな会話になることがあります。
「この掛け軸、箱に作家の名前が書いてあるよ」
「売るかどうかは別にして、一度見てもらったほうがいいね」
- 箱書き・落款・鑑定書・購入時の領収書が残っていないか
- 骨董商や買取業者などに査定を頼めるか
- 家財一式にまとめてよい5万円以下の物か
- 純金や美術品など、仏具でも非課税にならない物はないか
- 遺産分割で誰が受け取るか、形見分けの前に決めたか
形見分けで先に親族へ配ってしまうと、後から評価や分け方でもめることも。価値の高そうな物は、遺産分割協議が終わるまで手元に置いておきましょう。
宝石や貴金属も考え方は近いです。母の宝石を相続したケースもあわせて見ておくと、遺品の整理が進めやすくなります。
美術品が多くて点数をまとめきれない、骨董品のほかに土地や株もある、合計が基礎控除の近くで申告が要るか迷う、というケースは税理士に頼むと楽です。家財一式にまとめてよいかは、要件を満たすかを税理士に確認してみてください。
税理士ドットコム
わが家のケースは、相続に強い税理士に聞くのが近道
相続税がかかりそう、土地や自宅がある、相続人が多い、期限が近いといったケースでは、相続税に詳しい税理士に早めに相談すると安心です。税理士ドットコムなら、全国7,500名以上の登録税理士から相続に強い税理士を無料で紹介してもらえます。
紹介料無料税理士ドットコムで相続に強い税理士を紹介してもらう(税理士ドットコムの紹介ページに移動します・24時間365日受付)
相続人の人数ごとの基礎控除は基礎控除の早見表で確認できます。
よくある質問
家庭用財産は相続税でどう評価しますか?
1個または1組の価額が5万円以下の家庭用の動産は、一世帯ごとに「家財一式」としてまとめて評価できます。5万円を超える物は1個・1組ごとに評価します。
骨董品の相続税評価は誰が決めますか?
書画骨董品は、売買の実例価格や精通者の意見価格を参考に評価します。骨董商や買取業者の査定額、鑑定書などが評価の手がかりになります。
骨董品を申告しなかったらどうなりますか?
税務調査で見つかると、追加の相続税に加えて過少申告加算税や延滞税がかかることがあります。価値が分からない物は、申告前に査定を取っておきましょう。
まとめ
- 骨董品も家財道具も相続税の財産になる
- 1個・1組5万円以下の家庭用の動産は家財一式でまとめて評価できる
- 書画骨董品は売買の実例価格や専門家の意見価格を参考に評価する
- 子1人で預金など3,500万円なら0円、骨董品500万円が加わると40万円
- 仏壇・仏具は非課税だが、純金の仏具など骨董的価値のある物は対象





