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親が亡くなって、実家が空き家になった。売るのはさみしいけれど、遠くて管理もできない。どうしたらいいか決められずにいる方も多いですよね。
結論から言うと、空き家の判断は「家の古さ」「通える距離か」「家族の気持ち」の3つで分かれます。特に古い家は、売る時の税金で大きな特例が使えるかが変わるんです。
この記事では、遠方・老朽化・思い出がある家の3つのケースで、何を基準に決めればいいかを見ていきます。
相続した空き家、わが家はどのケース?
例えば、一人暮らしの母が亡くなり、離れて暮らす子2人が実家を相続するケースです。1981年(昭和56年)5月31日以前に建てられた家で、母のほかに住んでいる人がいなかったなら、2027年12月31日までに売れば、譲渡所得から1人3,000万円の特別控除を使える可能性があります。遠方で管理できない家は、この特例が使えるうちに売るのが選びやすい方針です。思い出があって残したい家は、相続登記を済ませ、管理の手間と費用を家族で分担する形を先に決めておきましょう。
空き家は、持っているだけで固定資産税と管理の手間がかかり続けます。
『とりあえず、そのままにしておこうかな』と思う気持ちは自然です。ただ、決めずに何年も過ぎると、売る時の特例の期限を逃すことも。
3つのケースで、判断の分かれ目を並べてみます。
| ケース | 選びやすい方針 | 理由・注意 |
|---|---|---|
| 遠方で通えない | 売る | 管理の負担が大きい。古い家なら3,000万円特別控除の対象か確認 |
| 老朽化している | 売る(解体を含めて検討) | 傷みが進むと近所への迷惑や倒壊の心配が出る。特例の要件も確認 |
| 思い出があって手放せない | 当面は持ち続ける | 相続登記と管理の分担を先に決める。将来売る時期の目安も話しておく |
遠方の空き家は、売るのが楽?
実家が新幹線や飛行機の距離にあると、月に1回通うだけでも交通費と時間がかかりますよね。
空き家は、風を通さないと湿気がこもり、庭の草木も伸び放題になります。近所から苦情が来て、慌てて帰省するケースもよくあります。
3,000万円特別控除が使えるか確認
相続した実家を売る時に、まず確かめたいのが「被相続人の居住用財産(空き家)を売った時の3,000万円特別控除」です。
- 1981年(昭和56年)5月31日以前に建築された家屋か
- 亡くなる直前に、親のほかに住んでいる人がいなかったか
- マンションなど区分所有建物として登記された建物ではないか
- 2027年12月31日までに売るか
- 相続人が3人以上なら、1人あたりの控除は2,000万円(2024年1月1日以降の譲渡)
区分所有建物が対象外になることと、ほかに住んでいる人がいないことの要件は、国税庁 No.3306 で確認できます。家の状態などほかにも細かな要件があるので、使えるかは税理士に確認を。
相続人の人数で控除額が変わる
| ケース | 1人あたりの特別控除 | 注意 |
|---|---|---|
| 相続人2人で実家を共有して売る | 3,000万円 | 2人とも要件を満たす場合 |
| 相続人3人で実家を共有して売る | 2,000万円 | 2024年1月1日以降の譲渡が対象 |

『兄弟3人で相続したら損なの?』と思いますよね。3人以上だと1人あたりは2,000万円になります。人数で区切られる仕組みなので、誰の名義で売るかは早めに話し合っておきましょう。
古い空き家を放置すると、どうなる?
傷んだ空き家をそのままにしておくと、困るのは管理だけではありません。
管理が悪い空き家は、自治体から指導を受けることがあります。勧告まで進むと、土地の固定資産税の軽減が受けられなくなる場合もあるんです。詳しい扱いは、家のある市区町村に確認してみてください。
「屋根の瓦が落ちてきたって、近所から電話があった」
「誰も住んでいないのに、修理代だけかかるのか」
こうした連絡が来てからでは、慌てて業者を探すことになります。古い家ほど、早めに方針を決めておくのが大事なんです。
国に引き取ってもらう制度は、建物があると使えない
相続土地国庫帰属制度は、いらない土地を国に引き取ってもらう制度です。ただ、建物がある土地は申請できません。
空き家ごと手放したい時は、建物を解体してから申請することになります。審査手数料は1筆14,000円、承認されると負担金(原則20万円)がかかります。
相続放棄をしても、管理が残ることがある
『空き家がいらないなら、相続放棄すればいいのでは』と考える方もいます。相続放棄は3か月以内に家庭裁判所へ申述しますが、空き家だけを放棄することはできません。
また、放棄しても、その家を現に占有している場合は、次の相続人などに引き渡すまで保存する義務があります。
思い出がある家を残すなら、何をしておく?
子どもの頃に過ごした家を、すぐには手放せない。その気持ちは大切にしていいんです。
ただ、残すと決めたら、家族の間で次のことを決めておくと後で困りません。
- 誰の名義で相続登記をするか(取得を知った日から3年以内)
- 固定資産税と管理費を誰がどう負担するか
- 草刈りや換気など、誰がどのくらいの間隔で見に行くか
- 何年後に、もう一度売るかどうか話し合うか
兄弟で共有のまま残すと、次の相続で持ち主が増えていきます。誰か1人の名義にして、ほかの兄弟には預貯金で調整する方法も考えてみてください。
「いつか誰かが住むかもしれないし」
「でも、その『いつか』が来ないまま10年たつかも」
こんな会話になる家族は少なくありません。残すと決めても、特例の期限(2027年12月31日までの譲渡)がある古い家なら、期限の前にもう一度話し合う日を決めておくと、選べる道を狭めずにすみます。
貸す方法もあります。古い家は修繕が要ることが多いので、貸す前に修繕費と家賃の見込みを比べてみてください。
空き家にも相続税はかかる?
空き家も相続財産なので、土地と建物を評価して、ほかの財産と合わせて基礎控除を超えれば相続税がかかります。
親が亡くなるまで住んでいた家なら、持ち家のない別居の子(いわゆる家なき子)などの要件で、小規模宅地等の特例を使える場合があります。使うには申告が必要です。
土地と建物の評価のしかたは、相続税評価額の財産ごとの計算例で見られます。
売るか残すか迷っている、3,000万円特別控除が使えるか分からない、相続税の申告も要りそう。こうしたケースは、相続税と売った時の税金をまとめて税理士に相談すると判断しやすくなります。
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わが家のケースは、相続に強い税理士に聞くのが近道
相続税がかかりそう、土地や自宅がある、相続人が多い、期限が近いといったケースでは、相続税に詳しい税理士に早めに相談すると安心です。税理士ドットコムなら、全国7,500名以上の登録税理士から相続に強い税理士を無料で紹介してもらえます。
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実家以外の不動産も含めた引き継ぎ方は、不動産を相続したら何から始めるかのケース別解説で紹介しています。
よくある質問
相続した空き家を放置するとどうなりますか?
傷みが進むと近所への迷惑や倒壊の心配が出ます。管理が悪いと自治体から指導を受けることがあり、勧告まで進むと土地の固定資産税の軽減が受けられなくなる場合があります。
空き家を売る時の3,000万円特別控除は誰でも使えますか?
使えるのは要件を満たす場合だけです。1981年5月31日以前に建てられた家で、亡くなる直前に親のほかに住む人がいなかったことなどが必要です。2027年12月31日までの譲渡が対象で、相続人が3人以上なら1人2,000万円になります。
いらない空き家だけ相続放棄できますか?
できません。相続放棄は財産全体を引き継がない手続きです。家を解体したうえで相続土地国庫帰属制度を使う方法もあります。
まとめ
- 空き家の判断は、家の古さ・通える距離か・家族の気持ちで分かれる
- 1981年5月31日以前の家で親のほかに住む人がいなければ、3,000万円特別控除を使える可能性がある
- 特例は2027年12月31日までの譲渡が対象。相続人3人以上なら1人2,000万円
- 放置すると自治体の指導や固定資産税の軽減が外れることも。国庫帰属は建物があると使えない
- 残すなら、名義・費用負担・見回りの分担を家族で先に決めておく




