アメリカの相続税は日本とどう違う?同じ遺産額のケースで負担を比べてみる

アメリカの相続税と日本の相続税を同じ遺産額のケースで比べる記事のアイキャッチ

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「アメリカには相続税がほとんどかからないって本当?」。日本の相続税と比べて、気になっている方も多いですよね。

結論から言うと、アメリカの遺産税は基礎控除がとても大きく、ふつうの家庭ではかからないケースがほとんどです。一方で、日本は遺産1億円でも税金が出ることがあります。

この記事では、同じ遺産額のケースで、日本とアメリカの負担を並べて比べてみます。

目次

同じ遺産額なら、日本とアメリカでいくら違う?

このケースではこうなる

例えば、妻と子2人が遺産1億円を相続するケースです。日本では、法定相続分どおりに分けると相続税は合計315万円です。アメリカの遺産税は、2026年1月時点で基礎控除が1,500万ドル(財務省資料の換算で23.3億円)なので、この金額ならかかりません。

財務省は「主要国における相続税負担率の比較(配偶者+子2人)」という資料を出しています。それによると、アメリカは遺産3,000万ドル(46.5億円)までは負担率が0%です。

『じゃあ、日本はどのくらい重いの?』と思いますよね。同じ家族構成で、日本の相続税を計算してみました。

ケース(妻と子2人・法定相続分どおり)日本の相続税の合計遺産に対する割合アメリカ
遺産1億円315万円3.15%0円
遺産5億円6,555万円13.11%0円
遺産20億円4億3,440万円21.72%0円
遺産1億円・5億円・20億円を妻と子2人で相続した場合に、日本の相続税の合計とアメリカの負担を並べた比較図

日本の数字は、妻が配偶者の税額軽減で0円になった後の、子2人分の合計です。アメリカは財務省の資料どおり、負担率0%の範囲に入ります。

ちなみに、為替は財務省資料と同じ1ドル155円(2026年1月)で換算しています。為替が動けば、円での基礎控除の大きさも変わります。

そもそも、課税の仕方がまったく違う

『税金のかけ方なんて、どの国も同じでは?』と思うかもしれません。実は、金額だけでなくかけ方も違うんです。

アメリカやイギリスは「遺産課税方式」です。亡くなった人の遺産全体に課税し、税金を引いた残りを相続人が受け取ります。

ドイツやフランスは「遺産取得課税方式」です。財産を受け取った人ごとに、受け取った額に応じて課税します。

日本はどちらとも少し違い、「法定相続分課税方式」と呼ばれます。遺産全体から税金の総額を出し、それを実際に受け取った割合で分ける形です(国税庁 税務大学校「相続税の課税方式に関する一考察」)。

「アメリカは子ども1人ずつに控除があるの?」
「いいえ、遺産全体に大きな控除が1つある考え方なんです」

こんな勘違いもよくあります。また、アメリカは生前の贈与も一生分を合わせて計算する仕組みで、日本の「7年以内の贈与を加算」とは考え方が違います。

イギリス・ドイツ・フランス・シンガポールは?

財務省の資料の注記から、各国の特徴を拾ってみます。

  • イギリス: 自宅を子などが相続する時、基礎控除とは別に最大17.5万ポンド(3,553万円)を控除(遺産が200万ポンドを超えると減っていく)
  • ドイツ: 27歳未満の子には、年齢に応じて10,300〜52,000ユーロ(185万〜936万円)の特別扶養控除
  • フランス: 夫婦の財産は原則として共有財産で、配偶者の持ち分は相続の対象外

相続税のない国としては、シンガポールがあります。2008年2月15日以降、相続税は廃止されています(ジェトロ「シンガポール税制の概要」)。中国・韓国・タイなどの制度は、この記事では扱っていません。

アメリカに財産や家族がいる時は、どうなる?

『親がアメリカの株や口座を持っていたら?』というケースもありますよね。

日本に住む日本国籍の子が相続する場合、国内の財産だけでなく、海外にある財産も日本の相続税の対象になるのが基本です(国税庁 No.4138)。

外国で相続税にあたる税金を払った時は、日本の相続税から外国税額控除を差し引けます。二重に払いっぱなしにならないための仕組みです。

ただ、海外の財産は評価や書類集めが難しくなりがちです。どの国の税金がどこまでかかるかは、家族の住所や国籍で変わります。

海外の口座や株がある、相続人の一人が海外に住んでいる、遺産が数億円にのぼる。そんなケースは、国際相続に慣れた税理士に試算してもらうと安心です。

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日本の負担が重く感じる理由は日本の相続税は高いと感じるケースの記事で詳しく見ています。自分の取り分は家族構成から取り分を計算する方法で確かめてみてください。

よくある質問

アメリカに相続税はないのですか?

アメリカにも遺産税はあります。ただ、2026年1月時点で基礎控除が1,500万ドルと大きいので、多くの家庭ではかかりません。

相続税がない国はありますか?

シンガポールは2008年2月15日以降、相続税を廃止しています。ほかの国の制度は、その国の当局の最新情報で確認してください。

アメリカの財産を相続したら、日本でも相続税はかかりますか?

日本に住む日本国籍の相続人なら、海外の財産も日本の相続税の対象になるのが基本です。外国で同じような税金を払った時は、外国税額控除があります。

まとめ

この記事の要点
  • アメリカの遺産税は2026年1月時点で基礎控除1,500万ドル(23.3億円)
  • 妻と子2人なら、アメリカは遺産46.5億円まで負担率0%
  • 日本は同じ家族で遺産1億円なら315万円、5億円なら6,555万円
  • アメリカ・イギリスは遺産課税、ドイツ・フランスは遺産取得課税、日本は法定相続分課税
  • 海外の財産も、日本に住む相続人なら日本の相続税の対象になるのが基本
相続ケース案内

相続ケース案内 編集部

家族構成や財産の状況ごとに、相続・相続税がどうなるかを公的機関の公開情報をもとに解説しています。 公式サイト

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