仮想通貨のパスワードが分からないまま家族が亡くなった時の対応

家族が亡くなり仮想通貨のパスワードが分からない時の相続の対応を解説する記事のアイキャッチ

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父のスマホに暗号資産のアプリが入っている。でも、ロック画面のパスワードもアプリのログイン情報も分からない。『このまま諦めるしかないの?』と困っている方も多いはずです。

結論から言うと、取引所に預けていた分は、パスワードが分からなくても相続の手続きで受け取れることが多いです。難しいのは、本人が自分で管理していたウォレットの場合なんです。

この記事では、どこに保管していたかで対応がどう変わるかを、ケースごとに見ていきます。

目次

パスワードが分からなくても受け取れる?

このケースの結論

取引所の口座なら、相続人が取引所に連絡して戸籍などを出せば、パスワード無しで手続きできます。自分で管理するウォレットで秘密鍵や復元用の言葉が見つからない場合は、だれにも取り出せないことがあります。

暗号資産は、置き場所によって性質が大きく違います。

ケース取り出せるか理由・注意
取引所に預けていた・ID/パスワード不明手続きすれば受け取れることが多い取引所が残高を管理しているので、相続人として本人確認すれば進められる
自分のウォレット・秘密鍵や復元用の言葉が見つかった取り出せる分け方が決まる前に勝手に動かさない
自分のウォレット・秘密鍵も復元用の言葉も不明取り出せないことがある鍵を知っている人がいないと、仕組み上だれも動かせない
取引所でレバレッジ取引をしていて損失がありそう財産よりマイナスが大きいことも相続放棄を考えるなら3か月以内

取引所は、預かっている残高を会社として管理しています。だから、ログイン情報が無くても、相続人であることを証明できれば話を進められるんです。

一方、自分で管理するウォレットは、秘密鍵を持っている人だけが動かせる仕組みです。鍵の控えが無いと、家族でも取り出せないことがあります。

取引所に預けていたケースはどう進める?

まずは、どの取引所を使っていたかを突き止めます。

取引所を探す手がかり
  • スマホやパソコンに入っている取引所のアプリ・ブックマーク
  • メールの受信箱(取引報告、ログイン通知、入金のお知らせ)
  • 銀行口座の入出金の記録(取引所への振込や取引所からの入金)
  • 郵便物(年間取引報告書など)
  • 確定申告書の控え(暗号資産の所得を申告していた形跡)

例えば、こんなやり取りから見つかることがあります。

「お父さんの口座、毎月どこかに3万円ずつ振り込んでるね」
「振込先の名前で検索したら、暗号資産の取引所みたい」

取引所が分かったら、相続の窓口に連絡します。亡くなった人の戸籍、相続人の戸籍、印鑑証明書、遺産分割協議書などを出す流れが多いです。必要な書類は取引所ごとに違います。

『残高が分かればそれで十分では?』と思うかもしれません。ただ、相続税では亡くなった日の価格が要るので、亡くなった日の残高証明書を出してもらいましょう。相続税の評価に使います。

最後は、相続人の口座に移すか、売って円で受け取るかを選びます。どちらにするかは、遺産分割協議で決めた内容に合わせます。

自分で管理するウォレットだったケースは?

ここが大事なところです。自分で管理するウォレットは、秘密鍵や復元用の言葉(シードフレーズ)があれば取り出せます。

鍵は紙に書いて保管していることもあります。金庫、手帳、エンディングノート、貸金庫の中も見てみてください。小さな金属の板に刻んで保管している人もいます。

『パスワードを何回か試してみようかな』と思うかもしれません。ただ、アプリや端末によっては、何度も間違えるとロックされたり、データが消えたりすることも。闇雲に試すのは避けておきましょう。

「鍵を復旧できます」とうたう業者に、端末や情報を渡すのにも注意が必要です。鍵を渡すと、財産ごと持ち出されるおそれがあります。

鍵が見つかった場合も、相続人の1人が先に自分のウォレットへ移すのはやめておきましょう。ほかの相続人とのトラブルのもとになります。

もし今、ご自身や親が暗号資産を持っているなら、使っている取引所の名前と、鍵の控えをどこにしまっているかだけでも書き残しておくと安心です。パスワードそのものを書く必要はありません。

「どこに何があるかだけ、ノートに書いておいてね」
この一言を家族で話しておくだけで、残された人の負担はずいぶん変わります。

相続税はどう考える?

暗号資産も相続税の対象です。国税庁の暗号資産等に関する税務上の取扱い(FAQ)では、活発な市場がある暗号資産は、相続人が取引する暗号資産交換業者が公表する亡くなった日の取引価格で評価するとされています。

取引所に預けていた分が見つかるかどうかで、税額は大きく変わります。子2人が相続し、預貯金など4,500万円がある例で比べてみましょう。

ケース課税価格の合計基礎控除納付額の合計理由・注意
暗号資産が見つからなかった4,500万円4,200万円30万円15万円ずつ
取引所に1,500万円分あった6,000万円4,200万円180万円90万円ずつ
暗号資産が見つかるかどうかで課税価格と納付額が分かれる様子を示したケース別の分岐表

申告した後に取引所の口座が見つかると、修正申告が必要になることもあります。だから、申告の前にできる限り探しておくのが大切なんです。

鍵が見つからず取り出せない暗号資産を、財産としてどう扱うかは判断が難しいところです。存在が分かっている場合は、自己判断で外さず、税理士に相談してみてください。

評価額や売った時の税金の計算は、暗号資産を相続した時の評価額と売却時の税金で具体例を出しています。

借金がありそうな時はどうする?

レバレッジ取引で損失が出ていると、取引所への支払いが残っていることもあります。財産よりマイナスの方が大きいなら、相続放棄も選択肢です。

相続放棄は、自分のために相続が始まったことを知った時から3か月以内に、家庭裁判所へ申し立てます。調べるのに時間がかかる時は、期間を延ばす申立てもできます。

気をつけたいのは、暗号資産を売ったり自分の口座に移したりすると、単純承認とみなされて放棄できなくなることがある点です。残高を確かめるだけにとどめておきましょう。

取引所が複数ありそう、鍵が見つからない資産がある、ほかにも株や不動産がある、というケースは評価と申告の判断が増えます。こうしたケースは税理士に頼むと楽です。

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わが家のケースは、相続に強い税理士に聞くのが近道

相続税がかかりそう、土地や自宅がある、相続人が多い、期限が近いといったケースでは、相続税に詳しい税理士に早めに相談すると安心です。税理士ドットコムなら、全国7,500名以上の登録税理士から相続に強い税理士を無料で紹介してもらえます。

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ほかの金融資産の扱いは、NISAの投資信託の相続税評価もあわせて見てみてください。

よくある質問

取引所のパスワードが分からなくても相続できますか?

多くの場合できます。取引所の相続窓口に連絡し、戸籍などで相続人であることを示せば、ログイン情報が無くても手続きを進められます。必要書類は取引所ごとに違います。

暗号資産はいつの価格で相続税を計算しますか?

亡くなった日の取引価格です。相続人が取引する暗号資産交換業者が公表する価格で評価し、残高証明書の価格を使うこともできます。

相続放棄を考えている時に、暗号資産を売ってもいいですか?

避けておきましょう。財産を処分すると単純承認とみなされ、放棄できなくなることがあります。

まとめ

この記事の要点
  • 取引所に預けていた分は、パスワードが分からなくても相続手続きで受け取れることが多い
  • 自分で管理するウォレットは、秘密鍵や復元用の言葉が無いと取り出せないことがある
  • パスワードの総当たりや復旧業者への丸投げは避ける
  • 子2人・預貯金4,500万円なら、取引所に1,500万円分あるかどうかで納付額が30万円から180万円に変わる
  • 借金がありそうなら、暗号資産に手を付けずに3か月以内に相続放棄を検討する
相続ケース案内

相続ケース案内 編集部

家族構成や財産の状況ごとに、相続・相続税がどうなるかを公的機関の公開情報をもとに解説しています。 公式サイト

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