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銀行で「お父様の出生から亡くなるまでの戸籍謄本をお持ちください」と言われた。『1通じゃないの?どこで何を取ればいいの?』と戸惑っている方も多いはずです。
結論から言うと、必要なのは亡くなった人の戸籍の「つながり」が全部分かる束です。この記事では、本籍を移した回数や本籍地の遠さで変わる集め方を、ケースごとに見ていきます。
本籍地が近くて転籍していない場合は、何を取る?
父が生まれてから亡くなるまで同じ市区町村に本籍があったなら、その役所1か所で出生から死亡までの戸籍がそろいます。窓口で「相続手続きに使うので、出生から死亡までの戸籍を全部」と伝えれば、除籍謄本と改製原戸籍謄本も含めて出してもらえます。
『転籍してないなら、今の戸籍謄本1通で済むのでは?』と思いますよね。実は、転籍していなくても戸籍は何通かに分かれていることがほとんどなんです。
理由は、法律の改正で戸籍の様式が作り直されてきたからです。法務省の案内では、昭和32年と平成6年の法務省令による作り直し(改製)が例に挙がっています。
| 名前 | どんな戸籍か | 父のケースで出てくる場面 |
|---|---|---|
| 戸籍謄本(全部事項証明書) | 今の戸籍の全員分の写し | 父の死亡が書かれた最後の戸籍 |
| 除籍謄本 | 全員が死亡や婚姻で抜けて閉じた戸籍 | 父の親の戸籍、父が亡くなり誰も残っていない戸籍 |
| 改製原戸籍謄本 | 様式の作り直し前の古い戸籍 | 紙の時代の戸籍、作り直し前の戸籍 |
結婚で親の戸籍から抜けた時も、新しい戸籍が作られます。なので1人の人生で3通、4通と分かれるのはふつうのことです。
転籍が多い場合は、どう集める?
例えば、父が結婚後に仕事の都合で本籍を3回移していたケースです。転籍すると移った先で新しい戸籍が作られ、前の戸籍は前の役所に残ります。
集め方は、新しい方から順にさかのぼるのが基本です。
- 最後の本籍地で、死亡が書かれた戸籍を取る
- その戸籍の「従前本籍」の欄を見て、1つ前の本籍地を確かめる
- 1つ前の本籍地の役所に、その時の戸籍を請求する
- 出生の記載がある戸籍にたどり着くまで、2と3をくり返す

役所を何か所も回るのは大変ですよね。2024年3月1日からは広域交付という仕組みができて、本籍地以外の市区町村の窓口でも、まとめて請求できるようになりました。
ただ、広域交付で取れるのはコンピュータ化された戸籍です。コンピュータ化されていない一部の古い戸籍は、その本籍地の役所に請求します。
本籍地が遠い場合は、どうすればいい?
父の本籍が遠い地方のままで、子どもは都市部に住んでいる。こういうケースもよくありますよね。方法は2つあります。
| 方法 | できること | 注意 |
|---|---|---|
| 広域交付(近くの役所の窓口) | 本人・配偶者・父母・祖父母・子・孫の戸籍をまとめて請求 | 窓口で本人が請求する。郵送・代理人は不可。顔写真付きの身分証が要る |
| 本籍地の役所に郵送で請求 | 遠方の役所の戸籍を家にいながら取り寄せる | 手数料の払い方や必要書類は請求先の役所で確認 |
「仕事を休んで遠くの役所まで行かないとダメ?」
「近くの役所で広域交付を頼めば、父さんの戸籍もまとめて取れるみたい」
なお、広域交付では一部事項証明書(抄本)は請求できません。全部事項証明書(謄本)で取る形になります。
兄弟が相続人の場合は、どこまで集める?
亡くなった人に子がいなくて、両親もすでに亡くなっているケースでは、兄弟姉妹が相続人になります。戸籍集めの手間が、ほかのケースよりぐっと増えます。
なぜなら、亡くなった人の戸籍に加えて、父と母それぞれの出生から死亡までの戸籍も要るからです。ほかに兄弟がいないかを確かめるためなんです。
ケースごとに比べると、こうなります。
| ケース | 集める戸籍 | 取りやすさ |
|---|---|---|
| 本籍地が近く転籍なし | 父の出生から死亡まで | 1か所でそろう |
| 転籍が多い | 父の出生から死亡まで(本籍地ごと) | 広域交付か、本籍地ごとに請求 |
| 本籍地が遠い | 父の出生から死亡まで | 広域交付か郵送 |
| 兄弟が相続人 | 本人の出生から死亡まで+父母それぞれの出生から死亡まで | 兄弟の戸籍は広域交付で請求できない |
広域交付で請求できるのは、自分・配偶者・直系の親族の戸籍です。兄弟姉妹の戸籍は含まれないので、亡くなった兄弟の戸籍は本籍地の役所に請求します。
兄弟が相続放棄を考えているなら、兄弟の相続放棄で要る書類も合わせて見ておきましょう。
相続人の戸籍や住民票の除票は、いつ要る?
亡くなった人の戸籍とは別に、相続人全員の今の戸籍謄本か抄本も要ります。相続人が今も生きていることを確かめるためです。
相続登記では、父の死亡日以後に証明されたものを出します。さらに、登記簿上の父の住所と最後の住所が違う時は、住民票の除票か戸籍の附票も要ります。
戸籍の束を何か所にも出すのが大変なら、法定相続情報一覧図を取っておくと便利です。法務局で写しを無料で出してもらえて、戸籍の束の代わりに使えます。作り方は一覧図のケース別作成例で見られます。
戸籍を集めながら、ほかの手続きの期限も迫ってきます。亡くなった後の主な期限は次のとおりです。
| 手続き | 期限 |
|---|---|
| 死亡届 | 死亡を知った日から7日以内 |
| 年金の受給停止 | 厚生年金は10日以内、国民年金は14日以内 |
| 健康保険の資格喪失・世帯主変更 | 14日以内 |
| 相続放棄 | 相続の開始を知った時から3か月以内 |
| 準確定申告 | 相続の開始を知った日の翌日から4か月以内 |
| 相続税の申告・納付 | 相続の開始を知った日の翌日から10か月以内 |
相続人に兄弟や代襲の孫が入って戸籍が多い、預金や不動産が多くて相続税の申告も必要そう。そんなケースは、戸籍集めの段階から税理士に相談すると、申告まで一続きで進められます。
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よくある質問
被相続人の戸籍謄本は、どこで取れますか?
本籍地の市区町村役場で取れます。コンピュータ化された戸籍なら、広域交付で近くの役所の窓口でも請求できます。
相続人の戸籍は謄本と抄本のどちらがいいですか?
相続登記では、相続人の戸籍は謄本でも抄本でも使えます。銀行などは手続き先によって違うので、事前に確認してみてください。
分籍や転籍をすると、相続の時に困りますか?
前の戸籍は前の本籍地に残るので、相続の時に集める戸籍が増えます。手間は増えますが、相続できなくなるわけではありません。
まとめ
- 出生から死亡までの戸籍は、転籍がなくても何通かに分かれている
- 転籍が多いなら、新しい戸籍から順にさかのぼって集める
- 本籍地が遠いなら、広域交付か郵送で請求する
- 兄弟が相続人なら、父母の出生から死亡までの戸籍も要る
- 兄弟姉妹の戸籍は広域交付では請求できない




