法務局の相続登記申請書をダウンロードしたら|遺産分割・遺言のケース別記載例

法務局の相続登記申請書の書き方を遺産分割・遺言のケース別に解説する記事のアイキャッチ

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親の家を相続することになって、法務局のサイトから相続登記の申請書をダウンロードした。『で、どの様式を選んで、どこに何を書けばいいの?』と画面の前で止まっている方も多いはずです。

結論から言うと、様式は「どうやって相続したか」で選びます。この記事では、遺産分割・遺言・家族が代理で出す、の3つのケースで記載例を見ていきます。

目次

遺産分割で長男が自宅を相続するなら、申請書はこう書く

このケースの結論

父が亡くなり、母・長男・長女で話し合って長男が自宅の土地と建物を相続するなら、法務局の「遺産分割」の記載例を使います。申請人は長男1人で、原因の日付は話し合いがまとまった日ではなく、父が亡くなった日です。

法務局のサイトの「相続登記申請書様式・記載例一覧」には、Word形式とPDF形式の両方が置いてあります。パソコンで入力するならWord、手書きするならPDFを印刷すると楽です。

遺産分割のケースで書く項目は、次のとおりです。

項目このケースで書くこと注意
登記の目的所有権移転共有持分だけを相続した時は書き方が変わる
原因令和○年○月○日相続父の死亡日(戸籍上の死亡日)
相続人(被相続人 父の氏名)と、長男の住所・氏名・押印住所・氏名は住民票のとおり。印は認印でよい
申請人の情報氏名ふりがな・生年月日・メールアドレス・電話番号電話は平日の日中につながる番号
添付情報登記原因証明情報 住所証明情報下の表で中身を確認
課税価格土地と建物の固定資産税評価額の合計1,000円未満は切り捨て
登録免許税課税価格の0.4%100円未満は切り捨て
不動産の表示登記事項証明書のとおりに書き写す不動産番号を書けば所在・地番などは省略できる
遺産分割で長男が自宅を相続するケースの登記申請書を、目的・原因・相続人・添付情報・課税価格・不動産の表示の段に分けて示した記載シート

『原因の日付って、協議書にハンコを押した日じゃないの?』と迷いますよね。実はここが間違えやすい所で、亡くなった日を書くんです。

登録免許税はいくらになる?

例えば、土地の固定資産税評価額が1,500万円、建物が500万円なら、課税価格は2,000万円です。登録免許税は2,000万円×0.4%で8万円になります。

マンションで評価額が1,234万5,678円なら、まず1,000円未満を切り捨てて1,234万5,000円です。0.4%をかけると4万9,380円で、100円未満を切り捨てて4万9,300円になります。

評価額は、毎年届く固定資産税の課税明細書に載っている「価格」か「評価額」を使います。「課税標準額」の方ではないので気をつけてください。

遺言で取得した場合は、どこが変わる?

遺言書で「自宅は長男に相続させる」と書かれていたケースでは、法務局の記載例のうち「公正証書遺言」か「自筆証書遺言」を使います。

書く項目はほぼ同じです。大きく変わるのは、添付する書類なんです。

ケース使う記載例登記原因証明情報の中心ほかに要る物
遺産分割(母・長男・長女で協議)遺産分割遺産分割協議書と相続人全員の印鑑証明書父の出生から死亡までの戸籍、相続人全員の戸籍
公正証書遺言で長男が取得公正証書遺言遺言書父の死亡が分かる戸籍、長男の戸籍
自筆証書遺言で長男が取得自筆証書遺言遺言書家庭裁判所の検認(法務局で保管されていた遺言は検認不要)
遺言も協議もなく法定相続分で共有法定相続戸籍一式相続人全員の住民票

遺言で取得するケースは、ほかの相続人の印鑑証明書が要りません。協議の時より、そろえる書類はかなり少なくなります。

「遺言があるなら、兄弟のハンコはいらないの?」
「遺言で自宅をもらうなら、協議書も兄弟の印鑑証明も出さなくていいみたい」

なお、自筆証書遺言は家庭裁判所の検認を済ませてから使います。法務局の保管制度で預けていた遺言なら、検認は要りません。

添付書類は、どこまでそろえればいい?

遺産分割のケースで、登記原因証明情報として出すのは次の書類です。

遺産分割のケースでそろえる書類
  • 遺産分割協議書(相続人全員が実印を押したもの)
  • 相続人全員の印鑑証明書(作成から3か月以内でなくてもよい)
  • 父の出生から死亡までの戸籍謄本・除籍謄本
  • 相続人全員の戸籍謄本か抄本(父の死亡日以後の証明日のもの)
  • 長男の住民票の写し(住民票コードを書けば省略できる)
  • 登記簿上の父の住所と最後の住所が違う時は、住民票の除票か戸籍の附票

『戸籍の束、全部そろえるのが大変そう…』と思った方もいるはずです。そんな時は、法定相続情報一覧図の写しを出すか、一覧図の番号を申請書に書くと、戸籍の束の代わりになります。

一覧図をどんな時に取るとよいかは法定相続情報一覧図を取るケース、自分で作る方法は一覧図のケース別作成例で見られます。

協議書の文例は、長男が全部を相続する形なら一人が全て相続する遺産分割協議書が参考になります。

家族が代わりに申請する時は、何を足す?

長男が遠方に住んでいて、近くに住む長女が代わりに法務局へ行くケースもありますよね。この場合は、長男から長女への委任状を付けます。

申請書には代理人の住所・氏名も書きます。委任状に押す長男の印は、認印でかまいません。

ケース申請書の申請人欄追加で付ける物
長男が自分で申請長男の住所・氏名・押印なし
長女が代理で申請長男の住所・氏名と、代理人として長女の住所・氏名・押印長男から長女への委任状
司法書士に頼む代理人欄に司法書士委任状

用紙はA4で、長く保存できる丈夫な紙を使います。鉛筆は使えないので、パソコンで入力するか黒のボールペンで書いてください。

申請書が2枚以上になる時は、つづり目に契印をします。登録免許税の収入印紙は、割印や消印をせずに貼った用紙を一緒にとじます。

いつまでに出せばいい?

相続登記は2024年4月1日から義務になりました。相続で不動産を取得したと知った日から3年以内に申請します。

正当な理由なく放っておくと、10万円以下の過料の対象になります。2024年4月より前に亡くなった親の家も対象なので、昔の相続で名義が親のままの人は早めに動いておきましょう。

話し合いがまとまらない時は、自分が相続人だと申し出る相続人申告登記で、ひとまず義務を果たす方法もあります。

自宅のほかに貸している土地がある、相続人が多くて協議がまとまらない、相続税の申告も必要。このように登記と税金が一度に重なるケースは、まとめて専門家に相談した方が早く片付きます。

税理士ドットコム

わが家のケースは、相続に強い税理士に聞くのが近道

相続税がかかりそう、土地や自宅がある、相続人が多い、期限が近いといったケースでは、相続税に詳しい税理士に早めに相談すると安心です。税理士ドットコムなら、全国7,500名以上の登録税理士から相続に強い税理士を無料で紹介してもらえます。

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よくある質問

相続登記申請書はどこでダウンロードできますか?

法務局のサイトの「相続登記申請書様式・記載例一覧」から、遺産分割・遺言などケース別にWord形式とPDF形式でダウンロードできます。

申請書の押印は実印でないといけませんか?

申請書に押す印は認印で大丈夫です。ただし、遺産分割協議書には相続人全員が実印を押し、印鑑証明書を付けます。

マンションの場合、不動産の表示はどう書きますか?

登記事項証明書に記録されているとおりに書き写します。不動産番号を書けば、所在や家屋番号などの記載を省略できます。

まとめ

この記事の要点
  • 様式は遺産分割・遺言・法定相続などケースで選び、WordかPDFでダウンロードする
  • 原因の日付は協議の日ではなく、亡くなった日
  • 登録免許税は評価額の0.4%で、1,000円未満と100円未満の切り捨てがある
  • 遺言で取得する時は、ほかの相続人の印鑑証明書は要らない
  • 相続登記は取得を知った日から3年以内に申請する
相続ケース案内

相続ケース案内 編集部

家族構成や財産の状況ごとに、相続・相続税がどうなるかを公的機関の公開情報をもとに解説しています。 公式サイト

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