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親が亡くなって、借金があるらしいと分かった。でも実家もあるし、親戚のことも気になる。『放棄した方がいいのか、しない方がいいのか』と決めきれずにいる方は多いはずです。
結論から言うと、迷った時は「期限」「借金と財産の差」「残したい物」の順に確かめると答えが出やすくなります。この記事では、確認したい7つのポイントを判断の順番に並べていきます。
迷った時は、何から確かめればいい?
相続放棄で迷ったら、まず3か月の期限を確保し、次に借金と財産のどちらが多いかを調べます。借金が明らかに多いなら放棄、どちらが多いか分からないなら期間の延長か限定承認、残したい財産があるなら相続か限定承認を考えます。
相続放棄は、一度受理されると原則として取り消せません。だからこそ、勢いで決めずに順番に確かめることが大事なんです。
一方で、迷っている間にも期限は進みます。考える時間を確保することと、判断の材料を集めることを同時に進めていきましょう。
相続放棄で迷った時に確認する7つのポイント
判断に必要なポイントを、確かめる順番に並べました。上から順に見ていくと、途中で答えが出ることも多いです。
- ポイント1 3か月の期限はいつまでか(知った日から数える)
- ポイント2 故人の財産や借金に、もう手を付けていないか
- ポイント3 借金と財産、どちらが多いか分かっているか
- ポイント4 実家や家業など、残したい財産があるか
- ポイント5 放棄すると、次に誰が相続人になるか
- ポイント6 生命保険金など、放棄しても受け取れる物があるか
- ポイント7 ほかの相続人と、どう分けるかの話がついているか
ポイント1・2 期限と、財産に手を付けていないか
期限は、自分のために相続の開始があったことを知った時から3か月です。調査が間に合わない時は、3か月以内なら家庭裁判所に期間の伸長を申し立てられます。延長の理由の書き方は相続放棄の期限を延長したい時の申立て手順で紹介しています。
もう一つ大事なのが、故人の財産を処分・消費していないかです。預金を引き出して使った、車を売った。そうした行動があると、単純承認とみなされて放棄できなくなることがあるんです。
ポイント3・4 借金と財産の差、残したい財産
借金と財産のどちらが多いかは、通帳、郵便物、督促状、不動産の書類から調べていきます。分からないまま決めてしまうのは、もったいないですよね。
調べる時は、次のような所から手を付けると見落としが減ります。
- 通帳の引き落とし欄(ローンや保証料の返済が出ていないか)
- 届いている郵便物(カード会社や金融機関からの請求書)
- 固定資産税の納税通知書(どこに不動産があるか)
- 故人が事業をしていたなら、帳簿や契約書
実家に住み続けたい、家業を継ぎたいといった希望がある時は、放棄すると自宅も家業の財産も手放すことになります。ここは気持ちの面でも大きな分かれ目です。
ポイント5〜7 家族への影響と、受け取れる物
放棄すると、次の順位の親族が相続人になります。子が全員放棄すれば父母・祖父母、その次は兄弟姉妹です。
生命保険金は受取人固有の財産なので、放棄しても受け取れます。ただし、放棄した人は生命保険金の非課税枠(500万円×法定相続人の数)を使えません。
ポイント7は、ほかの相続人との関係です。例えば、母と子2人が相続人で、母は自宅に住み続けたいと考えているケースがあります。子だけが放棄すると、父の父母や兄弟姉妹が新たに相続人になり、母はその人たちと遺産の話をすることになるんです。
自分だけの判断で動くと、残る家族の負担が増えることも。放棄する前に、家族の誰がどうしたいのかを一度すり合わせておきましょう。
ケース別:放棄する?しない?結論の分かれ目
7つのポイントを踏まえて、よくあるケースの結論を表にまとめました。
| ケース | 考えられる結論 | 理由・注意 |
|---|---|---|
| 借金が財産より明らかに多い。残したい物もない | 相続放棄 | 3か月以内に申述。次の相続人へ連絡しておく |
| 借金がありそうだが、額が分からない | 期間の伸長を申し立てて調査 | 調べた結果で放棄・限定承認・相続を選ぶ |
| 借金はあるが、実家に住み続けたい | 限定承認か相続を検討 | 限定承認は相続人全員で申述が必要 |
| 財産が多く、借金は少ない | 相続 | 遺産が基礎控除を超えるなら相続税の申告がある |
| 兄弟の一人が家業を継ぎ、自分は何もいらない | 放棄か、遺産分割で取得しない | 遺産分割で取得しないだけでは借金の責任は残る |
最後のケースは、意外と誤解が多いところです。遺産分割で「何もいらない」と合意しても、それだけでは借金の請求を断れません。借金を引き継ぎたくないなら、家庭裁判所で相続放棄をする必要があるんです。

放棄のメリット・デメリットを並べてみる
決めきれない時は、自分のケースに当てはめてメリットとデメリットを書き出してみてください。
- 故人の借金を引き継がずに済む
- 遺産分割の話し合いに加わらずに済む
- 生命保険金は受取人として受け取れる
- 自宅や預金などプラスの財産も一切受け取れない
- 原則として取り消せない
- 次の順位の親族が相続人になり、連絡や説明が必要になる
- 生命保険金の非課税枠が使えない
『放棄したら親戚に迷惑がかかるのでは』と気にする方も多いですよね。迷惑を減らす伝え方は、親戚に迷惑をかけない伝え方と連絡文例にまとめています。
例えば、兄弟の間でこんな話になることがあります。
「家は残したいけど、借金がいくらあるか分からないんだよね」
「それなら放棄を決める前に、期限を延ばして借金の額を調べよう」
判断の順番を流れで確認
『結局、明日から何をすればいいの?』という方のために、迷った時の動き方を順番に並べておきます。
- 死亡を知った日を確認し、3か月の期限をカレンダーに書く
- 故人の預金や財産には手を付けず、通帳・郵便物・督促状を集める
- 借金と財産の一覧を作る
- 調査が終わらなければ、期限内に期間の伸長を申し立てる
- 結果を見て、相続・限定承認・相続放棄のどれにするかを決める
- 放棄するなら家庭裁判所へ申述し、次の相続人に連絡する
調べた結果、相続することになったら、次は相続税の確認です。遺産が基礎控除(3,000万円+600万円×法定相続人の数)を超えると、10か月以内に申告と納付が必要になります。
借金を差し引いても財産が多い、不動産がある、生命保険金の受け取りがある。こうしたケースは相続税がかかるかの判断から手間がかかるので、税理士に早めに見てもらうと楽です。
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相続税がかかりそう、土地や自宅がある、相続人が多い、期限が近いといったケースでは、相続税に詳しい税理士に早めに相談すると安心です。税理士ドットコムなら、全国7,500名以上の登録税理士から相続に強い税理士を無料で紹介してもらえます。
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よくある質問
相続放棄するべきか、判断基準はありますか?
目安は、借金が財産より明らかに多いか、残したい財産があるか、の2つです。借金の額が分からない時は、期間の伸長を申し立てて調べてから決めることもできます。
相続放棄の後で、財産が多いと分かったら取り消せますか?
一度受理された放棄は、原則として取り消せません。だからこそ、期限を確保して調べてから決めることが大事です。
迷っているうちに3か月が過ぎたらどうなりますか?
何もしないまま3か月が過ぎると、原則として単純承認となり、借金も引き継ぐことになります。決められない時は、期限内に期間の伸長を申し立てておきましょう。
限定承認と相続放棄は、どちらを選べばいいですか?
借金の額が分からないけれど家などを残したい時は、限定承認が候補になります。ただし、相続人全員がそろって3か月以内に申述する必要があります。全員の足並みがそろわない時は、自分だけでできる相続放棄を考えることになります。
まとめ
- 迷った時は、期限、借金と財産の差、残したい財産の順に確かめる
- 故人の財産に手を付けると、放棄できなくなることがある
- 借金の額が分からなければ、期間の伸長で調べる時間を確保する
- 遺産分割で何もいらないと言うだけでは、借金の責任は残る
- 放棄は原則として取り消せない。次の相続人への連絡も考えておく




