疎遠な相続人に連絡がつかない時の進め方と専門家に頼む費用のケース

疎遠な相続人に連絡が取れない時の進め方と専門家に頼む費用をケース別に解説する記事のアイキャッチ

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父が亡くなり、前妻との子や何十年も会っていない兄弟も相続人だと分かった。連絡先も分からず、『このままだと何も進められないのでは』と困っている方も多いはずです。

結論から言うと、連絡が取れない理由によって、使う手続きと頼む専門家が変わります。この記事では、不通の状況ごとに進め方と費用の考え方を見ていきます。

目次

連絡がつかない相続人がいると、相続は止まってしまう?

このケースの結論

遺産分割協議は相続人全員の合意が必要なので、1人でも連絡が取れないと分け方を決められません。住所が分からないだけなら戸籍の附票で調べて手紙を出す、返事がないなら弁護士に交渉や調停を頼む、行方不明なら家庭裁判所に不在者財産管理人の選任を申し立てる、という順で考えてみてください。

連絡がつかない人を外して話し合いをまとめても、その協議は成立しません。銀行の解約や不動産の名義変更でも、全員分の書類を求められるのが一般的です。

状況ごとに比べると、こうなります。

連絡が取れないケース進め方頼む先・費用の考え方
住所が分からないだけ戸籍の附票で今の住所を調べて手紙を出す自分でも可。戸籍集めは司法書士・行政書士にも頼める
住所は分かるが返事がない弁護士に交渉を頼む。だめなら調停弁護士の着手金・報酬金がかかる
住所に住んでおらず行方不明不在者財産管理人の選任を申し立てる収入印紙800円と切手。予納金が要ることも
生死が7年間分からない失踪宣告の申立てを検討する収入印紙800円と切手、官報公告料
連絡が取れない相続人がいる時に、住所不明・返事なし・行方不明・生死不明の4つのケースで進め方と頼む先が分かれる分岐表

住所が分からない、返事がない時はどうする?

まずは戸籍をたどって相続人を確定し、戸籍の附票で今の住所を調べます。相続人であれば、亡くなった人とのつながりを示して請求できます。

住所が分かったら、いきなり書類を送るより、事情を伝える手紙から始めるのがおすすめです。

「突然のご連絡で失礼します。父が亡くなり、相続の手続きのためにご連絡しました」

こんなふうに、何のための連絡か、何をお願いしたいかを短く書いておきましょう。『いきなりハンコを求められた』と受け取られると、返事がもらえないことも。

それでも返事がない時は、弁護士に代わりに連絡や交渉をしてもらう方法があります。話し合いが進まなければ、家庭裁判所の遺産分割調停を申し立てることになります。調停の流れは調停を本人だけで進めたケースで詳しく見られます。

本当に行方が分からない時は?

実は、行方不明の相続人がいても進める方法があります。家庭裁判所に「不在者財産管理人」を選んでもらう手続きです。

申し立てるのは相続人などの利害関係人で、申立先は不在者の従来の住所地か居所地の家庭裁判所です。費用は収入印紙800円分と連絡用の郵便切手で、財産の内容によっては予納金を求められることがあります。

選ばれた管理人は、家庭裁判所の権限外行為許可を得たうえで、不在者に代わって遺産分割に加われます。

例えば、母と自分と、20年前から行方の分からない弟が相続人のケースです。弟の分の不在者財産管理人が選ばれれば、母と自分と管理人の3人で分け方を決められます。

ただ、管理人は弟の利益を守る立場なので、弟の取り分をゼロにするような分け方は認められにくいです。この点は前もって知っておきたいところです。

生死が7年間分からない時は、失踪宣告の申立てという方法もあります。宣告されると亡くなったものとみなされ、その人の相続人が代わりに話し合いに加わります。

弁護士と司法書士、どちらに頼む?費用はどう違う?

ここが迷いやすいところですよね。相手との交渉や調停の代理は弁護士の仕事です。司法書士は戸籍の収集や登記を扱い、家庭裁判所に出す書類の作成を頼めることもあります。

費用は事務所ごとに決め方が違うので、相談の段階で総額の見込みを聞いておきましょう。弁護士選びの確認点は弁護士に頼んで失敗した例が参考になります。

もう1つ、期限の話があります。相続税の申告期限は亡くなった日の翌日から10か月以内で、連絡待ちの間も止まりません。分け方が決まらない時は、法定相続分で仮に申告し、「申告期限後3年以内の分割見込書」を出しておく方法があります。

不動産があるなら、相続登記の義務も3年以内です。分割がまとまらない間は、相続人申告登記で義務を果たす道もあります。

遺産が基礎控除を超えそうで、行方不明の相続人がいて申告期限が迫っている。こんなケースは、弁護士の手続きと並行して税理士にも相談しておくと、税金の特例を取りこぼさずに済みます。

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よくある質問

連絡が取れない相続人を除いて遺産分割協議をしてもいいですか?

相続人全員の合意がない協議は成立しません。後から無効を主張されるおそれがあるので、不在者財産管理人の選任などの手続きを使いましょう。

連絡が取れない相続人も、相続税の基礎控除の人数に入りますか?

法定相続人であれば人数に数えます。基礎控除は3,000万円に600万円×法定相続人の数を足した金額です。

行方不明の相続人の分の預金は、どうなりますか?

遺産分割で決まった取り分は、不在者財産管理人が管理します。本人が見つかるまでは、管理人のもとで保管されます。

まとめ

この記事の要点
  • 遺産分割は相続人全員の合意が必要で、1人でも欠けると成立しない
  • 住所不明なら戸籍の附票で調べ、返事がなければ弁護士に交渉を頼む
  • 行方不明なら不在者財産管理人の選任を申し立てる(収入印紙800円と切手)
  • 生死が7年間分からない時は失踪宣告という方法もある
  • 申告期限10か月と登記の3年は止まらないので、税理士にも並行して相談する
相続ケース案内

相続ケース案内 編集部

家族構成や財産の状況ごとに、相続・相続税がどうなるかを公的機関の公開情報をもとに解説しています。 公式サイト

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