相続人が全員高齢の場合に気をつけたい相続の進め方

相続人が全員高齢の場合に気をつけたい相続の進め方を解説する記事のアイキャッチ

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90代の父が亡くなり、相続人は80代の母と、60代になった子どもたち。『みんな年を取っているし、手続きを進められるのかな』と心配になりますよね。

結論から言うと、相続人が全員高齢の時は「早く話し合う」と「次の相続まで見て分ける」の2つが大事です。この記事では、家族の形ごとに気をつけたい点を、計算例と一緒に見ていきます。

目次

相続人が全員高齢だと、何が困る?

このケースの結論

相続人が全員高齢の時は、話し合いが長引くうちに次の相続が起きたり、判断能力が落ちて遺産分割協議ができなくなったりしやすくなります。配偶者がいるなら、配偶者に多く渡すと次の相続で子の税金が重くなりがちです。二次相続まで含めて分け方を決めておきましょう。

『急がなくても、そのうちまとまるはず』と思っている方も多いはずです。

ただ、話し合いの途中で相続人の誰かが亡くなると、その人の子などが新たに話し合いに加わります。人数が増えるほど、まとめるのは大変になるんです。

ケース起きやすいこと理由・注意
夫が亡くなり、80代の妻と60代の子2人が相続人数年のうちに妻の相続が続く妻に多く渡すと、子の税金が重くなりやすい
子のいない夫婦で、80代の妻と夫の兄弟が相続人兄弟の誰かが亡くなり、甥姪が加わる兄弟姉妹と甥姪は2割加算の対象
相続人の中に判断能力が落ちた人がいる遺産分割協議ができない家庭裁判所に成年後見を申し立てることになる

子のいない夫婦で兄弟が相続人になる割合は、子供がいない夫婦の相続割合で詳しく見ています。

高齢の配偶者に多く渡すと、子の税金はどうなる?

ここが大事なところです。配偶者は、取得した財産が1億6,000万円か法定相続分のどちらか多い額までは相続税がかかりません。そのため『全部お母さんに』と決めたくなりますよね。

例えば、夫の課税価格の合計が1億円で、相続人が妻と子2人のケースです。妻自身の財産はなく、妻の相続の時も金額が変わらない前提で比べてみます。

項目妻が半分(5,000万円)取得妻が全部(1億円)取得
夫の相続:相続税の総額630万円630万円
夫の相続:妻の納付額0円0円
夫の相続:子2人の納付額315万円(1人157万5,000円)0円
妻の相続:課税価格の合計5,000万円1億円
妻の相続:基礎控除(子2人)4,200万円4,200万円
妻の相続:子2人の納付額80万円770万円
2回の相続の合計395万円770万円
夫の遺産1億円を妻が半分取得した場合と全部取得した場合で、2回の相続の納付額を比べた計算シート

妻に全部渡すと、1回目の税金は0円になります。でも、妻が亡くなった時には配偶者の税額軽減が使えないので、2回の合計では多くなることがあるんです。

ただし、妻の生活費や住まいの安心も大切です。実際には、妻の年齢や手元の財産、10年以内に続けて相続があった時の相次相続控除なども絡みます。

配偶者の税額軽減で0円になる場合も、申告は必要です。高齢の母に代わって子が書類を集めるケースも多いので、期限の10か月から逆算して動いておきましょう。

相続人の判断能力が落ちていたら、どう進める?

『母はもう、書類の内容が分からないかもしれない』というケースもありますよね。

遺産分割協議は、相続人全員の合意が必要です。判断能力が十分でない人がいると、その人の代わりに話し合う人が必要になります。

法務省の説明では、成年後見制度は判断能力が不十分な人の財産管理や遺産分割協議を支える制度で、裁判所に申し立てて後見人などを選んでもらいます。判断能力があるうちに、将来に備えて契約しておく任意後見という形もあります。

「お母さんの分の署名、代わりに書いておけばいいよね」
「それはできないよ。きちんと手続きを踏まないと」

当座の生活費や葬儀の支払いが必要な時は、預貯金の仮払い制度も使えます。1つの金融機関ごとに、相続開始時の預金額の3分の1に法定相続分をかけた額、上限150万円まで単独で払い戻せます。

高齢の相続人だけの時の進め方
  1. 亡くなった人の戸籍で相続人を確かめ、法定相続情報一覧図の写しを取る
  2. 財産と借金を一覧にし、相続税の申告が要るか確かめる
  3. 判断能力が気になる相続人がいれば、早めに後見の相談をする
  4. 次の相続まで見て分け方を決め、10か月以内に申告する

遺産分割に期限はありませんが、相続開始から10年を過ぎると特別受益や寄与分を主張できなくなります。先送りにしないのがおすすめです。

二次相続まで見た分け方は、財産の中身や年齢で答えが変わります。土地がある、相続人が多い、期限が近いといったケースは、税理士に2回分を試算してもらうと進めやすくなります。

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わが家のケースは、相続に強い税理士に聞くのが近道

相続税がかかりそう、土地や自宅がある、相続人が多い、期限が近いといったケースでは、相続税に詳しい税理士に早めに相談すると安心です。税理士ドットコムなら、全国7,500名以上の登録税理士から相続に強い税理士を無料で紹介してもらえます。

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相続人が誰になるかは、家族図で見る法定相続人で確認できます。

よくある質問

高齢の母に全部相続させれば、相続税はかかりませんか?

母が取得した財産が1億6,000万円か法定相続分の多い方までなら、母の税額は0円です。ただし申告は必要で、母の相続の時に子の税金が重くなることがあります。

話し合いの途中で相続人が亡くなったらどうなりますか?

亡くなった相続人の子などが、その人の立場を引き継いで話し合いに加わります。早めにまとめておくと安心です。

高齢で家庭裁判所や税務署に行けない場合はどうすればいいですか?

相続税の申告はe-Taxでもできます。家族が書類を集めたり、専門家に頼んだりする方法もあります。

まとめ

この記事の要点
  • 相続人が全員高齢だと、話し合いの途中で次の相続が起きやすい
  • 配偶者に全部渡すと、2回の相続の合計で税金が増えることがある
  • 判断能力が落ちた相続人がいれば、成年後見の手続きが必要になる
  • 当座の支払いには、預貯金の仮払い制度も使える
相続ケース案内

相続ケース案内 編集部

家族構成や財産の状況ごとに、相続・相続税がどうなるかを公的機関の公開情報をもとに解説しています。 公式サイト

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