田畑を相続したら?耕す人がいない田んぼ・畑の手続きと手放し方

耕す人がいない田んぼや畑を相続した時の手続きと手放し方を家族の状況別に解説する記事のアイキャッチ

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親が亡くなって、実家の田んぼと畑が残った。でも自分は都会で働いていて、耕す人が誰もいない。『田んぼなんていらないけど、どうすればいいの?』と困っている方も多いはずです。

結論から言うと、相続した田畑はまず農業委員会へ届け出て、そのうえで貸す・売る・国に引き取ってもらう・相続しない、のどれかを選びます。この記事では、家族の状況ごとにどれが現実的かを見ていきます。

目次

耕す人がいない田畑を相続したらどうなる?

このケースの結論

相続で田畑を取得した人は、農業委員会の許可は要りませんが、遅滞なく市町村の農業委員会へ届け出る必要があります。届出をしないと10万円以下の過料の対象です。耕す人がいないなら、地域の農家に貸すか、農地のまま売るか、相続土地国庫帰属制度で国に引き取ってもらうかを検討します。いらないことがはっきりしていれば、3か月以内の相続放棄も選択肢です。

届出の根拠は農地法第3条の3です。相続人が誰か、どの田畑を取得したかを、農地がある市町村の農業委員会に知らせます。

田畑も土地なので、名義を相続人に変える相続登記が必要です。2024年4月1日から義務になり、取得を知った日から3年以内に登記しないと10万円以下の過料の対象になります。

つまり、農業委員会への届出と、法務局での相続登記は別の手続きなんです。片方だけで終わらせないようにしておきましょう。

反対に、親が他人の田んぼを借りて耕していたケースもありますよね。この借りる権利(いわゆる小作権などの賃借権)を相続した場合も、農業委員会への届出の対象です。耕し続けないなら、貸主と話して契約をどうするか決めておきましょう。

相続税では、田畑も財産に入ります。市街地にある農地は路線価方式、それ以外の多くは固定資産税評価額に倍率を掛ける倍率方式で評価します。

家族の状況でどの手放し方が向いている?

耕す人がいない、といっても状況はさまざまですよね。よくあるケースで比べてみます。

ケース向いている方法理由・注意
近所の農家がもう耕してくれている貸す(貸し続ける)契約の中身と、相続人が貸主になったことを確認する
地方の田んぼで、買い手や借り手が見つからない相続土地国庫帰属制度審査手数料は1筆14,000円、承認後に負担金。農地の一部は面積で負担金を計算
市街地に近い畑で、宅地にして売れそう農地転用の許可を得て売る農地のまま売るのか転用するのかで、必要な許可が変わる
田畑のほかに借金も多い相続放棄3か月以内に家庭裁判所へ。田畑だけ放棄することはできない
子の1人が実家に戻って耕すその子が相続する遺産分割協議で決め、届出と登記をする
耕す人がいない田畑を相続したケースで、状況ごとに貸す・売る・国庫帰属・相続放棄のどれが向くかを示した分岐表

『売ればいいんでしょ?』と思うかもしれません。ただ、農地のまま売る相手は農業をする人に限られ、農業委員会の許可が必要です。地域によっては、すぐに買い手が見つからないこともあります。

その場合に検討されるのが、相続土地国庫帰属制度です。宅地・農地・山林ごとの負担金の考え方は国庫帰属制度の費用と負担金の例で確認できます。

田んぼを相続する前に家族で話しておくことは?

ここが大事なところです。田畑は「とりあえず誰かの名義に」で決めると、後から管理の負担が1人に集中しがちです。

例えば、兄弟でこんな話になることがあります。

「田んぼは長男が継ぐってことでいいよね?」
「でも、草刈りも水路の掃除もできないよ。貸すか手放すか、先に決めない?」

遺産分割の前に確認しておくこと
  • 今、誰かに貸しているか(契約書の有無も)
  • 農業委員会の農地台帳で、どこにどれだけの田畑があるか
  • 田畑のほかに、借金や使っていない山林がないか
  • 相続する人が、草刈りや水路の管理を続けられるか
  • 国庫帰属や売却を考えるなら、建物や担保権が付いていないか

山林も一緒に残っているケースは多いですよね。山林の評価や手放し方は山林を相続した時のケースにまとめています。

相続放棄は、田畑だけでなく預金や自宅も含めたすべての財産を手放すことになります。実家の家も欲しい、という場合は使えないので注意しておきましょう。

田畑のほかに自宅や預金もあって相続税がかかりそう、農地の評価の仕方が分からない、相続人が遠方に散らばっている、というケースは税理士に頼むと楽です。農地の評価や特例が使えるかは、要件を満たすかを税理士に確認してみてください。

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よくある質問

相続した田んぼの届出はどこにしますか?

田んぼがある市町村の農業委員会に届け出ます。相続で取得した場合は許可は要りませんが、遅滞なく届け出る必要があり、届出をしないと10万円以下の過料の対象になります。

いらない畑だけ相続放棄できますか?

できません。相続放棄はすべての財産を手放す手続きです。畑だけを手放したい時は、相続したうえで貸す・売る・相続土地国庫帰属制度を使う、を検討します。

農地も相続税の対象になりますか?

なります。市街地の農地は路線価方式、それ以外の多くは倍率方式で評価し、ほかの財産と合わせて基礎控除を超えれば申告が必要です。

まとめ

この記事の要点
  • 相続で田畑を取得したら、農業委員会へ遅滞なく届け出る(怠ると10万円以下の過料)
  • 相続登記も別に必要で、取得を知った日から3年以内
  • 耕す人がいないなら、貸す・売る・国庫帰属・相続放棄から状況で選ぶ
  • 農地のまま売るには農業委員会の許可が要り、買い手が限られる
  • 相続放棄は田畑だけを選べず、全財産を手放すことになる
相続ケース案内

相続ケース案内 編集部

家族構成や財産の状況ごとに、相続・相続税がどうなるかを公的機関の公開情報をもとに解説しています。 公式サイト

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