相続登記で使う遺産分割協議書|土地1筆・複数・共有のケース別の書き方

相続登記で使う遺産分割協議書を物件の数と分け方のケース別に解説する記事のアイキャッチ

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親の家の名義を変えようとして、『遺産分割協議書って、法務局に出すなら決まった書き方があるの?』と手が止まっている方も多いはずです。

結論から言うと、協議書の書式は自由です。ただ、不動産の書き方だけは登記簿どおりに写す必要があります。この記事では、物件の数と分け方のケース別に、登記で通る書き方を見ていきます。

目次

実家の土地と建物を長男が継ぐ場合、協議書はどう書く?

このケースの結論

父が亡くなり、母と子2人が相続人。実家の土地1筆と建物1棟を長男が相続するケースです。協議書には「長男が次の不動産を取得する」と書き、土地と建物を登記事項証明書のとおりに書き写します。相続人3人全員が署名して実印を押し、印鑑証明書を付けて法務局に出します。

協議書の本文は、思ったよりシンプルなんです。大事なのは次の4点です。

  • 亡くなった人の氏名・死亡日・最後の住所(登記簿上の住所も)
  • 誰がどの不動産を取得するか
  • 不動産の表示(登記事項証明書のとおり)
  • 相続人全員の住所・署名・実印

不動産の表示は、住所(住居表示)ではなく登記簿の書き方で書きます。ここを間違えると、法務局から補正を求められることも。

不動産協議書に書く項目
土地所在、地番、地目、地積
建物所在、家屋番号、種類、構造、床面積

例えば、こんなやりとりがよくあります。

「住所の『1丁目2番3号』で書けばいいよね?」
「それは住居表示だから、登記簿の『地番』で書き直さないと」

登記事項証明書は法務局で取れるので、手元に1通置いてから書き始めてみてください。

不動産が複数ある・兄弟で共有にする場合はどう変わる?

物件が増えたり、1つの物件を共有にしたりすると、書き方が少し変わります。ケースごとに比べてみましょう。

ケース協議書の書き方注意
土地1筆と建物1棟を1人が取得「長男が取得する」として2件を列挙登記は1件の申請でまとめられることが多い
自宅と田畑など複数を別々の人が取得取得する人ごとに見出しを分けて列挙書き漏れた不動産は改めて協議が要る
自宅を兄弟2人で共有「長男と次男が各2分の1の割合で取得する」と持分を書く将来売る時に共有者全員の同意が要る
登記簿にない私道や未登記の建物がある固定資産税の課税明細を見て漏れなく書く「その他一切の財産は長男が取得」の一文を入れておく
不動産の数と分け方で協議書の書き方がどう変わるかを示したケース別の分岐表

共有にする場合、『とりあえず半分ずつにしておけば公平かな』と考えがちですよね。ただ、共有にすると売却や建て替えのたびに全員の同意が必要です。

さらに共有者が亡くなると、その子どもたちも共有者に加わります。迷ったら、1人が取得して他の人にお金を払う分け方(代償分割)も話し合ってみてください。

数次相続のように、話し合いの途中でもう1人亡くなった場合は書き方が変わります。数次相続の遺産分割協議書の記載例で確認しておきましょう。

協議書と一緒に法務局へ出す書類は?

協議書を添えて相続登記を申請する時は、次の書類をそろえます。

遺産分割で相続登記をする時の主な書類
  • 登記申請書
  • 遺産分割協議書(相続人全員の実印)
  • 相続人全員の印鑑証明書
  • 亡くなった人の出生から死亡までの戸籍、相続人の戸籍(法定相続情報一覧図の写しで代えられる)
  • 不動産を取得する人の住民票
  • 固定資産税評価額が分かる書類(登録免許税の計算用)

戸籍の束は、法務局で無料で交付される法定相続情報一覧図の写しで代えられます。銀行の手続きにも使えるので、法定相続情報一覧図を取ったほうがいいケースも見ておくと二度手間が減ります。

登録免許税は、固定資産税評価額の0.4%です。

協議書は原本を出すのが原則です。銀行でも使いたい時は、コピーに「原本に相違ありません」と書いて署名(記名)押印すれば原本還付を受けられます(法務局 不動産登記の申請書様式について)。

申請書の様式と記載例も、このページに載っています。協議書そのもののひな形は載っていないので、上の4点を押さえて自分で作る形になります。

そもそも協議書が要らないケースは?

『協議書がないと登記できないの?』と心配する方もいますよね。実は、協議書が要らないケースもあります。

ケース協議書理由
相続人が1人だけ不要分ける相手がいない
遺言書で取得する人が決まっている不要遺言書を添付して登記する
法定相続分どおりの共有で登記する不要ただし共有になる点に注意
相続人の中に相続放棄した人がいる残った相続人で作る放棄した人は協議に加わらない

相続登記は2024年4月1日から義務になりました。不動産の取得を知った日から3年以内に登記しないと、正当な理由がなければ10万円以下の過料の対象です。

話し合いがまとまらない時は、相続人申告登記で義務を果たす方法もあります。放棄した人がいる時の書き方は相続放棄した人がいる場合の協議書にまとめています。

不動産が複数の市町村にある、相続税の申告も必要そう、という場合は、登記と税金の両方を見ながら分け方を決めることになります。土地の評価と申告がからむなら、税理士に一度相談してみると話が早いです。

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わが家のケースは、相続に強い税理士に聞くのが近道

相続税がかかりそう、土地や自宅がある、相続人が多い、期限が近いといったケースでは、相続税に詳しい税理士に早めに相談すると安心です。税理士ドットコムなら、全国7,500名以上の登録税理士から相続に強い税理士を無料で紹介してもらえます。

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よくある質問

協議書は手書きでないとダメですか?

パソコンで作っても問題ありません。相続人全員の署名と実印の押印をそろえることが大事です。

協議書が2枚以上になったらどうしますか?

ホチキスでとめて、つなぎ目に相続人全員の実印で契印を押しておきましょう。

遠方の相続人がいて集まれません。

同じ内容の協議書を郵送で回して署名押印してもらう方法があります。全員分がそろえば有効です。

まとめ

この記事の要点
  • 協議書の書式は自由。不動産は登記事項証明書のとおりに書く
  • 共有にする時は持分を書く。将来の売却には共有者全員の同意が要る
  • 相続人全員の実印と印鑑証明書を付けて法務局へ。原本還付もできる
  • 相続人が1人・遺言書がある時は協議書なしで登記できる
相続ケース案内

相続ケース案内 編集部

家族構成や財産の状況ごとに、相続・相続税がどうなるかを公的機関の公開情報をもとに解説しています。 公式サイト

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