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夫婦でローンを組んで、自宅を半分ずつの共同名義にしている。親から相続した実家を、兄弟で共有したままにしている。そんな家で共有者の1人が亡くなると、『家全体が相続財産になるの?』と迷いますよね。
結論から言うと、相続されるのは亡くなった人の持分だけです。この記事では、夫婦共有と兄弟共有のケースで、何がどう変わるかを見ていきます。
共同名義の家で1人が亡くなったら、何が相続される?
共同名義の不動産で相続財産になるのは、亡くなった人の共有持分だけです。相続税の評価も「不動産全体の評価額 × 持分」で考えます。夫婦共有なら配偶者が持分を引き継げば共有がそのまま1人の名義にまとまりやすい一方、兄弟共有で兄弟の1人が亡くなると、その配偶者や子が新しく共有者に加わり、人数が増えていきます。
まずはケースごとの違いを並べてみます。
| ケース | 相続される物 | 相続後の名義 | 注意 |
|---|---|---|---|
| 夫婦で1/2ずつの自宅、夫が亡くなった | 夫の持分1/2 | 妻が持分を相続すれば妻1人の名義 | 子が持分を取ると妻と子の共有になる |
| 兄弟で1/2ずつの実家、兄が亡くなった | 兄の持分1/2 | 弟と、兄の妻・子の共有 | 共有者が増え、売るにも全員の合意が要る |
| 親1人の名義の家を兄弟で相続 | 家全体 | 分け方しだいで共有にも単独にもなる | 安易に法定相続持分で共有にしない |
表の3つ目のケースは、まだ共有になっていない段階です。ここで共有にするかどうかが、後々の分かれ道なんです。

夫婦共有と兄弟共有、相続税と名義はどう変わる?
同じ共同名義でも、夫婦か兄弟かで相続の後の姿はかなり違います。順番に見てみます。
夫婦共有の自宅、相続税はいくらになる?
例えば、評価額4,000万円の自宅を夫婦で1/2ずつ持っていて、夫が亡くなったケースです。相続人は妻と子2人とします。
夫の相続財産になるのは、自宅の持分2,000万円です。預貯金などが3,000万円あれば、課税価格の合計は5,000万円になります。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 自宅の持分(4,000万円 × 1/2) | 2,000万円 |
| 預貯金など | 3,000万円 |
| 課税価格の合計 | 5,000万円 |
| 基礎控除(相続人3人) | 4,800万円 |
| 課税遺産総額 | 200万円 |
| 相続税の総額 | 20万円 |
| 法定相続分どおりに分けた時の納付額 | 妻0円、子2人が5万円ずつ(合計10万円) |
妻の分は配偶者の税額軽減で0円になります。ただし、軽減を使うには申告が必要です。
『名義は半分だけど、ローンは夫が全部払っていた』という家もありますよね。実は、登記の持分と実際にお金を出した割合がずれていると、名義どおりに評価してよいか問題になることがあります。
自宅の土地は、要件を満たせば小規模宅地等の特例で持分の評価を下げられる場合もあります。使えるかどうかは税理士に確認しておきましょう。
兄弟共有の実家は、相続でどう変わる?
兄弟共有は、相続のたびに共有者が増えていくのが悩みどころです。
例えば、兄と弟で実家を1/2ずつ持っていて、兄が亡くなったケースです。兄の持分は、兄の妻と子が相続します。弟から見ると、共有の相手が「兄」から「兄の妻と子」に変わるわけです。
「実家、そろそろ売ろうか」
「兄さんの奥さんと甥っ子にも、話を通さないといけないね」
こんな会話になることも。不動産全体を売るには共有者全員の同意が要るので、人数が増えるほど話がまとまりにくくなります。
兄の相続税も計算してみます。兄の持分の評価が1,500万円、預貯金などが3,000万円、相続人が妻と子1人なら、課税価格の合計は4,500万円です。
| ケース | 課税価格の合計 | 基礎控除 | 納付額の合計 | 理由・注意 |
|---|---|---|---|---|
| 預貯金など3,000万円 | 4,500万円 | 4,200万円 | 15万円 | 妻0円、子15万円(法定相続分どおりの場合) |
| 預貯金など2,500万円 | 4,000万円 | 4,200万円 | 0円 | 基礎控除以内なので申告も不要 |
持分の評価額を出すには、まず不動産全体の評価が要ります。土地の評価の流れは不動産を相続した時のケース別のやることでまとめています。
共有を解消したい時はどうする?
『もう共有はやめて、すっきりさせたい』という方も多いはずです。方法は大きく分けて次のとおりです。
- 他の共有者の持分を買い取って、1人の名義にする
- 自分の持分を他の共有者に買い取ってもらう
- 共有者全員で合意して不動産ごと売り、代金を持分で分ける
- 自分の持分だけを第三者に売る(他の共有者の同意は不要)
- 話し合いがまとまらなければ、裁判所に共有物の分割を請求する
持分だけの売却もできますが、買い手が限られるので値段は付きにくいのが現実です。共有者全員でまとめて売る方が、高く売れることが多いですよね。
共有者の中に連絡がつかない人がいる場合は、裁判所の手続きでその人の持分を取得したり、まとめて売ったりできる制度があります。ただし、持分が遺産分割前の相続財産なら、相続開始から10年を過ぎないと使えません。
まだ遺産分割をしていない段階なら、最初から共有を避けるのが近道です。家は1人が相続し、他の相続人には預金などで調整する分け方も考えてみてください。
持分の評価や特例が使えるか分からない、共有者が多くて申告の段取りが大変、というケースは税理士に頼むと楽です。
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わが家のケースは、相続に強い税理士に聞くのが近道
相続税がかかりそう、土地や自宅がある、相続人が多い、期限が近いといったケースでは、相続税に詳しい税理士に早めに相談すると安心です。税理士ドットコムなら、全国7,500名以上の登録税理士から相続に強い税理士を無料で紹介してもらえます。
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相続人が何人なら基礎控除がいくらかは基礎控除の人数別早見表で確認できます。使い道のない土地なら相続土地国庫帰属制度の費用も選択肢になります。
よくある質問
夫婦共有の自宅で夫が亡くなったら、家全体に相続税がかかりますか?
かかりません。相続財産になるのは夫の持分だけで、評価額は不動産全体の評価額に持分を掛けて計算します。
共有持分だけを売ることはできますか?
できます。自分の持分の売却に他の共有者の同意は要りません。ただ、買い手が限られるため、全体を売る時より値段は付きにくくなります。
相続した実家を兄弟で法定相続持分どおりに共有しても大丈夫ですか?
すぐに困ることはなくても、将来どちらかが亡くなると共有者が増え、売却や建て替えの合意が取りにくくなります。1人が相続して代わりに預金などで調整する方法も検討してみてください。
まとめ
- 共同名義の不動産で相続されるのは、亡くなった人の持分だけ
- 評価は「不動産全体の評価額 × 持分」で考える
- 夫婦共有の例(自宅持分2,000万円+預貯金3,000万円、妻と子2人)なら納付額の合計は10万円
- 兄弟共有は相続のたびに共有者が増え、売るにも全員の同意が要る
- 共有の解消は持分の買い取り、全体の売却、裁判所への分割請求などで行う





