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親から相続した家の名義を変えようとして、『結局、何を集めればいいの?』と手が止まっている方も多いはずです。
結論から言うと、相続登記の必要書類は「どうやって相続したか」で変わります。この記事では、遺産分割協議・法定相続分・遺言の3つのケースごとに、そろえる書類をチェックリストで確認していきます。
わが家のケースだと、どの書類が必要?
相続人どうしで話し合って1人が家を継ぐなら、相続人全員の印鑑証明書と遺産分割協議書が要ります。遺言で家を継ぐなら、被相続人の戸籍は死亡の記載があるものでよく、出生からの戸籍一式は原則いりません。法定相続分どおりに共有で登記するなら、印鑑証明書も協議書も不要です。
特に差が出るのは、印鑑証明書と戸籍の範囲なんです。
法務局が出している必要書類の案内も、相続のしかたで3つに分かれています。まずは自分の家がどれに当たるかを決めてから書類を集めると、二度手間になりません!
| ケース | 被相続人の戸籍 | 印鑑証明書 | 作る書類 |
|---|---|---|---|
| 遺産分割協議で1人が取得(例: 母と子2人で話し合い長男が家を継ぐ) | 出生から死亡までの全部 | 相続人全員分 | 登記申請書・遺産分割協議書 |
| 法定相続分どおりに共有(例: 母1/2・子2人が1/4ずつ) | 出生から死亡までの全部 | 不要 | 登記申請書 |
| 遺言で取得(例: 公正証書遺言で妻が家を継ぐ) | 死亡の記載があるもの | 不要 | 登記申請書 |

例えば、父が亡くなって母と子2人が相続人のケース。家を長男が1人で継ぐと話し合ったなら、母と次男の印鑑証明書も集めることになります。
遺産分割協議で1人が家を継ぐ場合のチェックリスト
よくあるのが、このケースですよね。
話し合いの結果を書面にした遺産分割協議書に、相続人全員が実印を押します。その実印が本物だと分かるように、全員の印鑑証明書を付けるわけです。
- 被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本・除籍謄本・改製原戸籍
- 被相続人の住民票の除票または戸籍の附票(登記簿上の住所と本籍が違う時)
- 相続人全員の戸籍謄本(被相続人が亡くなった日以後に発行されたもの)
- 相続人全員の印鑑証明書(協議書に押した実印のもの)
- 家を継ぐ人の住民票
- 固定資産課税明細書など、申請する年度の評価額が分かる書類
- 遺産分割協議書・登記申請書(代理人に頼むなら委任状も)
『印鑑証明書って、3か月以内のものじゃないとダメなんでしょ?』と思うかもしれません。
実は、法務局の案内では、相続登記に使う相続人の印鑑証明書に有効期限はないとされています。ただし、銀行の手続きなど他の場面では期限を決めていることもあります。
協議書の文面は、不動産があるかどうかで書き方が変わります。文例は相続分割協議書の文例で確認してみてください。
法定相続分どおり共有にする場合と、遺言がある場合
法定相続分どおりに共有で登記するケースは、話し合いの書類が要りません。
そのぶん、印鑑証明書も協議書も不要です。相続人のうち1人が、全員分の登記をまとめて申請することもできます。
ただ、共有にすると、あとで売る時に共有者全員の同意が必要になります。
「とりあえず3人の共有にしておこうか」
「でも将来売る時、全員の判子がいるよ」
こんな会話になる家も多いので、共有でいいかは家族で一度話してみてください。
遺言がある場合は、戸籍の集め方が軽くなります。被相続人の戸籍は、死亡の事実が載っているものでよいとされています。
| 遺言のケース | 追加で要るもの | 注意点 |
|---|---|---|
| 公正証書遺言 | 遺言書(公証役場で作ったもの) | 家庭裁判所の検認はいらない |
| 法務局に預けた自筆証書遺言 | 遺言書情報証明書 | 検認はいらない |
| 自宅で見つかった自筆証書遺言 | 遺言書 | 先に家庭裁判所の検認が必要 |
| 兄弟姉妹や孫が遺言で取得 | 相続人であることが分かる戸籍 | 配偶者・子以外は戸籍が増える |
例えば、子のいない夫が「家は弟に」と遺言を残したケース。この場合は、弟が相続人だと分かる戸籍が追加で必要になります。
戸籍を何十通も集めるのが大変な時は?
『父は転籍が多くて、戸籍がどこにあるか分からない』という方もいますよね。
2024年3月1日から、戸籍証明書の広域交付が始まりました。本籍地以外の市区町村の窓口でも、本人・配偶者・父母・子などの戸籍をまとめて請求できます。郵送や代理人による請求はできないので、窓口に行く必要があります。
口座が多い、不動産が複数の法務局にあるといったケースでは、法定相続情報一覧図を取っておくと楽です。法務局で無料で交付され、戸籍の束の代わりに使えます。
取り方は法定相続情報一覧図をケース別に取る方法で詳しく見ています。
また、戸籍の原本を返してほしい時は、相続関係説明図を一緒に出します。書き方は相続関係説明図のケース別記入例を参考にしてみてください。
法務局の必要書類の一覧に、登記事項証明書は入っていません。ただ、申請書には不動産を登記記録どおりに正確に書く必要があるので、手元にあると書き写しやすいです。評価額は、毎年4月ごろに届く固定資産課税明細書で確認できます。
住所がつながらない、登録免許税はいくら?
相続登記で意外と多いのが、住所のつながりの問題です。
登記簿に載っている被相続人の住所と、戸籍の本籍が違う時は、住民票の除票か戸籍の附票で、同じ人だと分かるようにします。引っ越しが多くて古い住所までたどれない時は、申請先の法務局に相談してみてください。
登録免許税は、固定資産税評価額の0.4%です。例えば、法務局の記載例では課税価格2,000万円の不動産で登録免許税が8万円になっています。
相続登記は、2024年4月1日から義務になりました。相続で不動産を取得したと知った日から3年以内に登記しないと、正当な理由がなければ10万円以下の過料の対象になります。
『話し合いがまとまらなくて、3年に間に合いそうにない』というケースもありますよね。
その時は、相続人申告登記という簡単な手続きがあります。自分が相続人であることを法務局に申し出ることで、登記の義務を果たせる制度です。協議書や全員の印鑑証明書がそろわない段階でも使えるので、期限が気になる方は検討してみてください。
ただし、これは名義を変える登記ではありません。話し合いがまとまったら、あらためて遺産分割にもとづく相続登記をすることになります。
手順全体の流れは相続登記を誰がいつやるかでまとめています。
土地が何筆もある、相続人が遠方に散らばっている、相続税の申告も必要になりそう。こんなケースは、税金の計算と一緒に専門家へまとめて相談すると、書類集めの手間がぐっと減ります。
税理士ドットコム
わが家のケースは、相続に強い税理士に聞くのが近道
相続税がかかりそう、土地や自宅がある、相続人が多い、期限が近いといったケースでは、相続税に詳しい税理士に早めに相談すると安心です。税理士ドットコムなら、全国7,500名以上の登録税理士から相続に強い税理士を無料で紹介してもらえます。
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よくある質問
相続登記の必要書類のひな形は、法務局にありますか?
あります。法務局のホームページに、法定相続・遺産分割・遺言など相続のしかた別の登記申請書の記載例と、必要書類の一覧が載っています。遺産分割の記載例には、協議書と相続関係説明図の例も入っています。
相続登記に住民票は誰の分が必要ですか?
不動産を新しく取得する相続人の住民票です。申請書に住民票コードを書けば、住民票の提出を省けます。住所が載った法定相続情報一覧図の写しを出す場合も、住所を証明する書類に代えられます。
マンションでも土地と同じ書類で名義変更できますか?
基本の書類は同じです。マンションは建物と敷地権がまとめて登記されていることが多いので、申請書の不動産の表示は登記記録どおりに書き写してみてください。
まとめ
- 必要書類は「遺産分割協議」「法定相続分」「遺言」のどれで相続したかで変わる
- 協議で決めたなら相続人全員の印鑑証明書と協議書が要る(印鑑証明書に期限はない)
- 遺言なら被相続人の戸籍は死亡の記載があるものでよい
- 戸籍集めは広域交付、提出は法定相続情報一覧図で負担を減らせる
- 登録免許税は評価額の0.4%、登記は知った日から3年以内




