葬儀や税金を立て替えた分を遺産分割で精算する方法

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親の葬儀代や、亡くなった後に届いた税金の請求。とりあえず自分の口座から払った、という方は多いはずです。

結論から言うと、立て替えたお金は遺産分割の中で精算できます。遺産から先に戻してもらい、残りを分けるのが分かりやすい方法です。

この記事では、立て替えた中身ごとの扱いと、協議書への書き方をケースで見ていきます。

目次

立て替えた葬儀代は、遺産から戻してもらえる?

このケースの結論

立て替えた葬儀費用や、亡くなった人の未払いの税金・医療費は、相続人全員が合意すれば遺産から精算できます。遺産分割協議書に「誰が・何を・いくら立て替えたか」と「どう精算するか」を書いておくと、後で揉めにくくなります。

葬儀費用を誰が負担するかは、法律で細かく決まっているわけではありません。だからこそ、兄弟で話し合って決める必要があるんです。

『立て替えたのは自分なんだから、当然戻ってくるよね?』と思いますよね。ただ、ほかの兄弟が知らないまま払っていると、金額や中身で意見が割れることもあります。

立て替えたもの遺産からの精算理由・注意
通夜・告別式・火葬の費用話し合いで精算しやすい相続税では葬式費用として差し引ける
香典返し・四十九日などの法要話し合いしだい相続税の葬式費用には含まれない
亡くなった人の入院費・未払いの税金精算しやすい亡くなった人の借金にあたり、相続税で差し引ける
墓石の購入費話し合いしだい相続税の葬式費用には含まれない
相続人自身の交通費・宿泊費話し合いしだい各自の負担にするかどうか、先に決めておく
立て替えたものの種類ごとに、遺産からの精算のしやすさと相続税で差し引けるかどうかを並べたケース別の分岐表

先に差し引く?上乗せする?精算の計算例

例えば、母はすでに亡くなっていて、父の預金3,000万円を兄弟2人で分けるケースで考えてみます。長男が葬儀費用150万円と、父の固定資産税20万円を立て替えていました。

計算の順番金額
父の預金3,000万円
長男の立替金(葬儀150万円+固定資産税20万円)170万円
立替金を戻した後の残り2,830万円
残りを半分ずつ1,415万円ずつ
長男が受け取る合計1,585万円(うち170万円は立替の返金)
次男が受け取る合計1,415万円

もう1つのやり方は、長男の取得額に立替分を上乗せする書き方です。結果の金額は同じになります。

ここが大事なところです。「半分ずつ分けた後で、次男が長男に85万円を払う」という形にすると、手間が増えます。協議書の段階で精算まで済ませておきましょう。

なお、この預金3,000万円のケースは、法定相続人2人の基礎控除4,200万円を下回ります。ほかに財産がなければ相続税はかかりません。

葬儀代が払えない時は、預金を先に引き出せる?

『遺産分割が終わるまで、父の預金は1円も下ろせないの?』という声もよく聞きます。実は、預貯金の仮払い制度を使えば、相続人1人でも一部を引き出せるんです。

引き出せる額は、1つの金融機関ごとに「相続開始時の預金額 × 1/3 × その相続人の法定相続分」で、上限は150万円です。

例えば、父の口座に600万円あり、相続人が兄弟2人なら、600万円 × 1/3 × 1/2 = 100万円まで引き出せます。

引き出したお金は、その相続人が先に受け取った分として、遺産分割で調整します。何に使ったかの領収書は残しておいてくださいね。

立替金は協議書にどう書けばいい?

立替金の精算は、遺産分割協議書に書いておくのが安心です。書き方の流れはこうなります。

立替金を精算する流れ
  1. 立替の領収書・請求書をまとめ、金額の一覧を作る
  2. 一覧を兄弟全員に見せて、精算する範囲に合意する
  3. 協議書に「長男が立て替えた葬儀費用等170万円を、被相続人の預金から長男に支払う」と書く
  4. 残りの財産の分け方を書き、全員が署名押印する

例えば、こんな会話になることもあります。

「香典返しの分も入れていい?」
「それは香典から払ったから、今回は入れなくていいよ」

香典から出した分と、自分の口座から出した分を分けておくと、話がこじれにくくなります。協議がまとまらない時の進め方は協議が要るケースと要らないケースも参考にしてみてください。

相続税がかかる家族では、葬式費用や未払いの税金を差し引くと税額も変わります。どこまでが差し引けるかの判断に迷う、相続人が多い、申告期限の10か月が近い、という時は税理士に任せると楽です。

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よくある質問

立て替えた香典返しの費用も、遺産から精算できますか?

相続人全員が合意すれば、遺産分割の中で精算することはできます。ただ、香典返しは相続税の計算では葬式費用に含まれないので、税額を減らす効果はありません。

兄弟の1人が精算に反対したら、どうなりますか?

遺産分割協議は全員の合意が必要です。まとまらなければ家庭裁判所の調停で話し合うことになります。領収書と一覧を用意しておくと説明しやすくなります。

立替金を戻してもらうと、贈与税はかかりますか?

立て替えた金額を返してもらうだけなので、協議書に精算として書いておけば贈与には当たりにくいです。立替額より多く受け取る場合は、その差額の扱いを協議書で明確にしておきましょう。くわしくは兄弟の1人に多く渡す時の贈与税もどうぞ。

まとめ

この記事の要点
  • 立て替えた葬儀費用・未払いの税金は、全員の合意で遺産から精算できる
  • 先に立替分を戻してから残りを分けると、計算が分かりやすい
  • 香典返し・法要・墓石は、相続税の葬式費用には含まれない
  • 仮払い制度なら、1金融機関150万円を上限に先に引き出せる
相続ケース案内

相続ケース案内 編集部

家族構成や財産の状況ごとに、相続・相続税がどうなるかを公的機関の公開情報をもとに解説しています。 公式サイト

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