遺産分割の調停を弁護士なし・本人だけで進めるケース|申立てから成立までの流れ

遺産分割の調停を弁護士なしで進められるケースを解説する記事のアイキャッチ

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兄弟で遺産の分け方を話し合っても、まとまらない。『調停になったら弁護士を頼まないといけないの?』と不安な方も多いですよね。

結論から言うと、遺産分割の調停は弁護士なしで、相続人本人だけでも申し立てて進められます。ただ、争っている中身によっては本人だけだと苦しくなるケースもあります。

この記事では、自分で進めやすい家と、専門家を入れた方がいい家の分かれ目を見ていきます。

目次

遺産分割の調停は、弁護士なしでもできる?

このケースではこうなる

例えば、父が亡くなり、子3人が相続するケースです。財産が自宅と預金で、もめているのが「誰が何を取るか」だけなら、本人だけで調停を進める人は少なくありません。一方、遺言が本物か、生前に預金が使い込まれたかが争点の家は、調停の前の問題になるので弁護士に相談した方が早いです。

遺産分割協議は、相続人全員が合意しないと成立しません。話し合いがまとまらない時に使うのが、家庭裁判所の調停です。

調停では、裁判官と調停委員が間に入り、それぞれの言い分を聞きながら合意を目指します。相手と顔を合わせずに話せるよう、交互に部屋へ呼ばれる形が多いんです。

調停でもまとまらなければ、審判に進み、裁判所が分け方を決めます。

本人だけで進めやすい家、専門家を入れたい家

同じ「調停」でも、争点によって本人だけで進める難しさが変わります。

ケース本人だけで進められるか理由・注意
子3人、財産は自宅と預金、分け方だけで対立進めやすい財産の範囲に争いがなく、話し合う中身がはっきりしている
兄が自宅に住み続けたい、他の2人は売って分けたい準備しだい自宅の評価額で話がずれやすい。資料をそろえて臨む
遺言書の有効性を争っている弁護士に相談したい調停で決める話ではなく、別の手続きになることがある
生前に預金を引き出した相続人がいる弁護士に相談したい使い込みの立証や返還請求は分け方とは別の問題
相続人の1人と連絡が取れない専門家に相談したい相手方全員を立てて申し立てる必要がある

『うちは使い込みもあるし、分け方でももめている』という家もありますよね。争点が混ざっている家ほど、最初に「調停で何を話すか」を決めておくと話が進みやすいです。

連絡がつかない相続人がいる家は、疎遠な相続人に連絡がつかない時の進め方も参考にしてみてください。

子3人が相続し、自宅と預金の分け方でもめるケースと、遺言や使い込みが争点のケースで、本人だけで進めるか弁護士に相談するかが分かれる分岐表の図

申立てから成立までの流れと費用

自分で申し立てる時の流れは、大きく次のとおりです。

調停を自分で申し立てる流れ
  1. 戸籍謄本や財産の資料を集め、申立書を作る
  2. 相手方のうちの1人の住所地の家庭裁判所(または当事者で合意した家庭裁判所)に申し立てる
  3. 裁判所から期日の連絡が来て、調停に出席する
  4. 期日を重ねて合意できれば調停成立、できなければ審判へ

申立ての費用は、収入印紙が被相続人1人につき1,200円分です。郵便切手は裁判所ごとに額が違うので、申し立てる家庭裁判所で確認してみてください。

必要書類には、亡くなった人の出生から死亡までの戸籍謄本、相続人全員の戸籍謄本と住民票、不動産の登記事項証明書や固定資産評価証明書、通帳の写しなどがあります。

戸籍集めが大変な時は、法務局の法定相続情報一覧図の写しが他の手続きで役に立ちます。

弁護士費用は事務所ごとに決め方が違います。頼むかどうか迷う時は、最初の相談で見積もりを出してもらい、本人だけで進める場合と比べてみると判断しやすいですよ。

調停中でも相続税の期限は止まらない

『調停が終わるまで、税金のことは後回しでいいよね』と思いがちですよね。

ここが大事なところです。相続税の申告と納付の期限は、亡くなったことを知った日の翌日から10か月以内で、調停が続いていても延びません。

例えば、子3人で財産が6,000万円の家なら、基礎控除は4,800万円です。法定相続分どおりなら相続税は合計120万円で、1人40万円になります。

「調停が終わってから申告すればいいと思っていた」
「それだと期限を過ぎて、延滞税などがかかることがあるんです」

分け方が決まらない時は、法定相続分で仮に申告し、「申告期限後3年以内の分割見込書」を出しておきます。こうしておくと、分割が決まった後に小規模宅地等の特例や配偶者の税額軽減を受け直せます。

調停中で土地がある、相続人どうしで資料を共有しにくいという家は、申告だけでも税理士に任せると負担がかなり減ります。

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わが家のケースは、相続に強い税理士に聞くのが近道

相続税がかかりそう、土地や自宅がある、相続人が多い、期限が近いといったケースでは、相続税に詳しい税理士に早めに相談すると安心です。税理士ドットコムなら、全国7,500名以上の登録税理士から相続に強い税理士を無料で紹介してもらえます。

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ほかの悩みごとの相談先は悩み別の相続の相談先で、弁護士に頼む時の注意は弁護士に頼んで失敗した例で確認できます。

よくある質問

調停には毎回本人が出席しないといけませんか?

弁護士を頼まない場合は、本人が出席するのが基本です。遠方などで出席が難しい時の扱いは、申し立てた家庭裁判所に確認しておきましょう。

遺産分割はいつまでにしないといけませんか?

法律上の期限はありません。ただ、2023年4月1日施行の改正で、相続開始から10年を過ぎると特別受益や寄与分を主張できなくなり、原則として法定相続分で分けることになります。

途中から弁護士に頼むこともできますか?

できます。本人だけで始めて、争点が増えた段階で依頼する人もいます。それまでの期日の記録や資料を手元にまとめておくと、引き継ぎがスムーズです。

まとめ

この記事の要点
  • 遺産分割の調停は弁護士なしでも本人だけで申し立てられる
  • 分け方だけの争いなら自分で進めやすく、遺言の有効性や使い込みが争点なら弁護士に相談
  • 申立ての収入印紙は被相続人1人につき1,200円分、切手は裁判所ごとに違う
  • 調停中も相続税の期限は10か月のまま。分割見込書を出して仮に申告する
相続ケース案内

相続ケース案内 編集部

家族構成や財産の状況ごとに、相続・相続税がどうなるかを公的機関の公開情報をもとに解説しています。 公式サイト

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