遺産分割協議をしないで済むケースとどうしても必要になるケースの見分け方

遺産分割協議をしないで済むケースと必要になるケースの見分け方を解説する記事のアイキャッチ

当サイトは国税庁・法務省・裁判所などの公開情報をもとに編集部が執筆しています。記事内のサービス紹介には広告を含みます。

兄弟で集まって話し合うのは気が重い。『遺産分割協議って、しないで済ませる方法はないの?』と考える方も多いはずです。

結論から言うと、協議が要らないケースははっきりしています。この記事では、わが家が「しなくていい側」か「どうしても必要な側」かを、ケース別に見分けられます。

目次

遺産分割協議をしないで済むのはどんな時?

このケースの結論

協議をしないで済むのは、相続人が1人だけの時と、遺言ですべての財産の取得者が決まっている時です。相続人が2人以上いて遺言がない場合、自宅の名義を1人にしたり、預金を全額解約したりするには協議が必要になります。

ケース協議は要る?理由・注意
相続人が子1人だけ要らない分ける相手がいない。相続税の申告は別に考える
ほかの相続人が全員、相続放棄した要らない放棄した人は初めから相続人でなかったことになる
遺言で全財産の取得者が決まっている原則要らない遺言に書かれていない財産があれば、その分は協議が要る
相続人2人以上・遺言なし要る誰が何を取るか決めないと名義変更が進まない

例えば、母が先に亡くなっていて、父の相続人が一人っ子の子だけ、というケースなら協議は要りません。戸籍で相続人が1人だと示せれば、銀行や相続登記の手続きを進められます。

ただ、協議が要らないことと、税金がかからないことは別の話です。課税価格6,000万円を子1人で相続すると、基礎控除は3,600万円で、相続税は310万円になります。この場合は、亡くなった日の翌日から10か月以内に申告と納付が要ります。

相続人が1人・放棄で1人・遺言あり・遺言なしの4つのケースで、遺産分割協議が要るかどうかを分けたケース別の分岐表

相続放棄で相続人を1人にするのはアリ?

『兄弟が放棄してくれたら、協議しなくていいのでは?』と思いますよね。仕組みとしてはその通りです。

ただ、相続放棄は自分のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内に、家庭裁判所へ申述する手続きです。費用は申述人1人につき収入印紙800円と郵便切手、戸籍の取得費がかかります。

注意したいのは、子が全員放棄すると、次の順位の親や兄弟姉妹が相続人になることです。「兄にまとめたいから弟が放棄」のつもりが、思わぬ人を相続に巻き込むこともあります。

「財産はいらないから放棄するよ」
「それなら放棄じゃなくて、協議書に『取得しない』と書く形でもいいんじゃない?」

財産を受け取らないだけなら、協議書でそう決める方法もあります。1人が何も取らない分け方も、全員の合意があればできるんです。詳しくは法定相続分と違う割合で分ける時の注意で確認できます。

協議をしないと困るのはどんな時?

相続人が2人以上いて遺言がない時、協議をしないままにすると困る場面があります。

協議をしないと進まないこと
  • 自宅の名義を1人にする相続登記(取得を知った日から3年以内)
  • 預金の全額解約と、誰が受け取るかの確定
  • 配偶者の税額軽減と小規模宅地等の特例を使った申告
  • 自宅を売る時の手続き(共有のままだと全員の同意が要る)

特に税金の面は大事なところです。分け方が決まらないと、配偶者の税額軽減や小規模宅地等の特例が使えないまま申告することになります。

申告期限までに分割が終わらない時は、法定相続分で仮に申告し、「申告期限後3年以内の分割見込書」を出しておきましょう。分けた後に、特例を使って税金を取り戻す道が残ります。

なお、協議に法律上の期限はありません。ただ、相続開始から10年を過ぎると特別受益や寄与分を主張できなくなります。

協議をせずに法定相続分どおりの共有にする選択もありますが、共有は後で売る時などに困りがちです。理由は不動産を兄弟の共有にするのを避けたほうがいい理由で詳しく見られます。

預金が少しだけなら、協議なしで引き出せる?

葬儀費用など急ぎのお金なら、預貯金の仮払い制度が使えます。1つの金融機関ごとに「相続開始時の預金額 × 3分の1 × その人の法定相続分」、上限150万円まで1人で払い戻しできます。

例えば、預金300万円の口座を子2人で相続するなら、1人が単独で引き出せるのは50万円までです。全額を動かすには、やはり協議が要ります。

預金の分け方の実務は預金を兄弟で分ける時の端数や利息の扱いが参考になります。

相続人が多くて連絡が取りにくい、土地があって特例を使いたい、申告期限が近い、というケースは税理士に頼むと楽です。協議の前に税額を比べておくと、話し合いもまとまりやすくなります。

税理士ドットコム

わが家のケースは、相続に強い税理士に聞くのが近道

相続税がかかりそう、土地や自宅がある、相続人が多い、期限が近いといったケースでは、相続税に詳しい税理士に早めに相談すると安心です。税理士ドットコムなら、全国7,500名以上の登録税理士から相続に強い税理士を無料で紹介してもらえます。

紹介料無料税理士ドットコムで相続に強い税理士を紹介してもらう

(税理士ドットコムの紹介ページに移動します・24時間365日受付)

よくある質問

相続人が1人なら、遺産分割協議書は作らなくていいですか?

作る必要はありません。相続登記や銀行の手続きでは、相続人が1人であることを戸籍で示します。

遺言があれば、相続人の話し合いは一切要りませんか?

遺言ですべての財産の取得者が決まっていれば、原則として協議は要りません。遺言に書かれていない財産が見つかった時は、その分について協議します。

協議をしないまま放っておくとどうなりますか?

名義変更や預金の解約が進まず、相続登記の期限や相続税の特例の扱いで困ることがあります。早めに話し合いを始めておきましょう。

まとめ

この記事の要点
  • 協議が要らないのは、相続人が1人の時と、遺言で全財産の取得者が決まっている時
  • 協議が要らなくても、課税価格が基礎控除を超えれば申告は要る(6,000万円・子1人で310万円)
  • 子が全員放棄すると、次の順位の人が相続人になる
  • 相続人2人以上で遺言がなければ、名義変更・預金解約・特例のために協議が要る
  • 急ぎのお金は仮払い制度で1金融機関ごとに上限150万円まで
相続ケース案内

相続ケース案内 編集部

家族構成や財産の状況ごとに、相続・相続税がどうなるかを公的機関の公開情報をもとに解説しています。 公式サイト

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次